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LIFE

2024.10.2

ミュージアムグッズは『便利堂』におまかせ!130年超の美術愛を「絵はがき」で

世界遺産・二条城から徒歩約10分。歴史情緒あふれる京の一角にあるのが、「便利堂」の本店です。

京都 便利堂本店の店内

日常をすこし豊かにする「アートのある暮らし」を発信する便利堂には、絵はがきを中心に、さまざまな美術商品(ミュージアムグッズ)が並んでいます。

京都観光のおみやげや、美術館めぐりの記念になる品物をお探しなら、ぜひ便利堂へ足を運んでみては? 通販でも絵はがきを楽しめる「美術はがきソムリエからの定期便」にも注目です。

京都のミュージアムグッズならココ!

便利堂店舗内

明治20年に創業し、130年以上にわたって美術印刷・出版に携わってきた便利堂は、日本の絵画をはじめとする美術のグッズを企画し、販売しています。

取材に伺ってとにかく驚いたのが、ポストカード(絵はがき)の種類の多さ。本店の壁面にずらりと並ぶディスプレイのとおり、浮世絵、風景画、美人画など、さまざまな名画の絵はがきがあります。

店頭にあるのはほんの一部で、これまでに数えきれないほど膨大な種類の絵はがきを制作してきたのだとか…!

便利堂店舗内

作品の色彩を忠実に再現するというこだわりの印刷で、まるで手のひらサイズの美術品のよう。時代やジャンルも多様で、誰もが知る人気の名画のみならず、あまり光の当たらない隠れた名作にも出会える、作り手の愛が溢れたお品物です。

絵はがき以外にもあらゆるグッズが販売されており、もはや「無いものは無いのでは?」と思うほどの充実っぷり。はんこやスタンプ、シールなどは絵はがきと一緒に使っても可愛いかも! 風呂敷やトートバッグ、クリアファイルなど、日常で使えるアイテムもたくさんあります。

便利堂店舗内

便利堂は京都国立博物館のミュージアムショップの運営をはじめ、公立・私立の数多くの美術館と協業しています。もしかしたら、あなたがお手持ちのミュージアムグッズは、便利堂の美術商品かもしれませんよ…!

毎月楽しみ!「美術はがきソムリエからの定期便」

便利堂店舗内

長らく美術印刷に携わってきた便利堂が、「もっと多くの人に美術の魅力を届けたい!」と考えて始めたのが、「美術はがきソムリエからの定期便」です。京都便利堂が発行する美術はがきのサブスクで、毎月23日「ふみの日」に絵はがきが届きます。

「美術はがきソムリエ」の増尾さんと安野さんは、1000種を超える便利堂の絵はがきに精通した本店・直営ショップのスタッフ。店頭でお客さまからの要望に応え続けてきたお二人が、毎月のテーマに沿って美術はがきをセレクトします。

美術はがきソムリエからの定期便「浮世絵の美」(便利堂提供画像)

最大の魅力は、自分では選ばない絵はがきや、知らなかった作品に出会えること! 毎月届けてもらえるので、受け取るたびに季節の移ろいを感じたり、不意の出会いに心を打ち抜かれたりと、美術館に出向くのとは一味違う美術の楽しみ方ができそうです。

定期便には絵はがきだけでなく、特製ブックレットも同封。各月の絵はがきをセレクトした理由や、作品を味わうポイントが読み心地の良い文章で綴られ、ソムリエさんとお茶を飲みながらお話ししている気分になります。

最新情報は公式ホームページなどを要チェック。今回は、2024/9/16〜10/15の申し込みで受け取れる10月の絵はがきのラインナップを、特別に教えていただきました!

2024年10月のラインナップ(便利堂提供画像)

日本の美を感じる「浮世絵」をテーマに、10月は幕末から明治にかけての作品に注目。歌川国芳、河鍋暁斎、月岡芳年と新版画の8枚です。

2025年の大河ドラマは浮世絵の版元である蔦屋重三郎が主人公ということで、浮世絵は注目度の高まっているジャンルでもあります。この機会に、ご自身の手のひらで作品を鑑賞してみませんか?

(余談ですが、江戸時代の浮世絵と現代の絵はがきって似ているなあと思っておりまして…! 江戸時代には版画という形で多くの人に日本の美を届けていた浮世絵が、今は絵はがきという形になり、いろいろな人が手に取ったり、国内外の知人に贈ったりできることに、時代を超えた人々の温もりを感じます)

絵はがきの交換会の際に活躍するポスト

お店に出向いて自分の目で商品を選ぶ楽しさは格別ですが、自宅で美術に触れられる気軽さもミュージアムグッズのひとつの魅力。定期便は、意識していないときにふと届くのが面白いサービスです。

便利堂が誇るコロタイプの技術

工房の様子(便利堂提供画像)

さて、皆さんは「コロタイプ」という写真印画技術をご存じでしょうか? 19世紀のフランスで生まれた技術で、便利堂では独自に発展させた多色刷の技法を用い、文化財の複製や写真集・美術商品の製作を行っています。

滑らかで美しい表現が得意なコロタイプですが、時代とともにオフセット印刷など大量に印刷する技術に押し流されてしまい。現在、カラーコロタイプ技術を有する企業は、世界で便利堂1社のみとなっています。

コロタイプギャラリー 展示風景(2024年9月9日撮影)

便利堂本店に併設されているコロタイプギャラリーでは、コロタイプを用いて作品を制作するアーティストの個展や、酒井抱一《夏秋草図屏風》の複製の展示などを見ることができます。印刷のクオリティの高さがわかる展示なので、ぜひこちらにも足をお運びくださいね。

現在の印刷物で主流の「オフセット印刷」では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色で肉眼で見えないくらい細かい点(網点)を描画し、離れて見れば再現できているように感じられる、という技法。印刷物としては十分に綺麗なのですが、文化財の複製やより高いクオリティを求める場合には物足りないことも。

高松塚古墳壁画 複製

コロタイプの場合、まずは複製するものを撮影してネガを作り、ゼラチン版に焼き付けて版を作ります。そして、版画のように1色ずつ刷り、色を重ねてカラーに。ゼラチンの版を使用し原本を再現するため、ルーペで見ても諧調が豊かに表現されます。

酒井抱一《夏秋草図屏風》複製

コロタイプギャラリーでは、法隆寺金堂壁画、高松塚古墳壁画、酒井抱一《夏秋草図屏風》などの複製の一部が展示され、実際にカラーコロタイプを用いた文化財複製の技術を目にすることができます。

美術館などで本物を見るときにはありえないほどの至近距離で鑑賞できるので、「……………いいんですか!?」と脳が混乱してしまいました。

コロタイプによる絵はがき

精巧さが求められる印刷物に適したコロタイプと文化財の複製はまさに好相性。大量印刷の技術に取って代わられつつあるなか、便利堂はカラーコロタイプの美しさを今の時代に伝えています。

写真集はもちろん、絵はがきや雑貨などコロタイプを用いたお手頃な美術商品も充実しています。便利堂ならではのグッズなので、お手に取ってみてはいかがでしょうか?

店舗情報

便利堂本店 外観

京都 便利堂本店

住所
〒604-0093 京都市中京区新町通竹屋町下ル弁財天町302番地

TEL:075-231-4351(月曜日~金曜日10時~18時の受付)

営業時間:10時00分~19時00分
定休日:日・祝日・年末年始 ※季節により無休の期間あり

アクセス
・京都市営地下鉄 烏丸線「丸太町」駅下車、6番出口より徒歩7分
・京都市営バス 「文化庁前・府庁前」下車徒歩5分

便利堂公式サイト一覧
便利堂 公式ウェブサイト
便利堂 オンラインショップ
「美術はがきソムリエからの定期便」特設ページ

【写真14枚】ミュージアムグッズは『便利堂』におまかせ!130年超の美術愛を「絵はがき」で を詳しく見る
明菜

明菜

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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。

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