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2023.9.4
横尾忠則が創り出した「不思議の国」を体験しよう!「Yokoo in Wonderland ー 横尾忠則の不思議の国」
9月16日(土)から12月24日(日)まで横尾忠則現代美術館では「Yokoo in Wonderland ー 横尾忠則の不思議の国」を開催します。
 横尾忠則「Yokoo in Wonderland」ポスター 2023 デザイン横尾忠則
横尾忠則「Yokoo in Wonderland」ポスター 2023 デザイン横尾忠則
本展は、横尾作品のなかの「不思議」に焦点をあて、 現実の延長にあるもうひとつの世界をルイス・キャロル作『不思議の国のアリス』及び『鏡の国のアリス』になぞらえて紹介する展覧会です。
ぜひ、横尾忠則が希求し、創り出した「不思議の国」を、約150点もの作品から探ってみては?
ルイス・キャロルによるアリスの物語
 『不思議の国のアリス』初刊行版本より、ジョン・テニエル画、1866年、V&A内ナショナル・アート図書館所蔵 © Victoria and Albert Museum, London
『不思議の国のアリス』初刊行版本より、ジョン・テニエル画、1866年、V&A内ナショナル・アート図書館所蔵 © Victoria and Albert Museum, London
イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンが、ルイス・キャロルの筆名で書いた児童小説『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』。
ルイス・キャロルが知人の少女アリス・リドゥルら三姉妹のために即興でつくって聞かせた物語がもとになっています。キャロルはこの物語を手書きの本にして彼女らにプレゼントするかたわら、知人たちの好評に後押しされて出版に踏み切りました。
 『不思議の国のアリス』初刊行版本より、ジョン・テニエル画、1866年、V&A内ナショナル・アート図書館所蔵 © Victoria and Albert Museum, London
『不思議の国のアリス』初刊行版本より、ジョン・テニエル画、1866年、V&A内ナショナル・アート図書館所蔵 © Victoria and Albert Museum, London
『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』は、それまでの旧弊な教訓物語から脱し、児童文学の新しい地平を切り開いた作品として評価され、文学史上確固とした地位を築きあげました。
その物語は、聖書やシェイクスピアに次ぐといわれるほど多様な言語に翻訳され、引用や言及の対象となっている作品となっています。
横尾忠則が希求し、創り出した「不思議の国」
本展は、横尾作品のなかの「不思議」に焦点をあて、 現実の延長にあるもうひとつの世界をルイス・キャロル作『不思議の国のアリス』及び『鏡の国のアリス』になぞらえて紹介する展覧会です。
第1章「不思議の国」では、若き日の横尾さんが関心を寄せた地底の王国アガルタ、少年時代に夢中となった探検小説の洞窟、愛読していたSFの父と呼ばれるジュール・ヴェルヌの海中世界など、地底や海中、宇宙を舞台にした異界での冒険をテーマにした作品を展示します。
 横尾忠則「地球の果てまでつれてって」1994年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
横尾忠則「地球の果てまでつれてって」1994年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
1980年代後半の作品を中心に構成されている第2章「鏡の国」では、鏡の破片のコラージュや鏡文字を多用しています。実像と虚像が入り乱れる狂気の世界が展開し、鑑賞者を異世界へと導きます。
第3章「夢の国」は、現実と非現実が融合したシュルレアリスム的世界を醸し、ヨコオワールドの源泉にもなっている、半世紀以上にわたって綴っている自身の夢日記がベースです。1998年に出版された『夢枕‐夢絵日記』の42編の絵日記と表紙のための原画全43点を一堂に展示します。
 横尾忠則「Are You Ready for Fresh Air? (Vitar) 」1989年 横尾忠則美術館
横尾忠則「Are You Ready for Fresh Air? (Vitar) 」1989年 横尾忠則美術館
横尾忠則が希求し、創り出した「不思議の国」を、1970年代から1990年代を中心とした絵画、版画、ポスター、テクナメーション等、約150点もの作品から探ります。
また、本展のポスターに登場するアリスは、ルイス・キャロルによるアリスシリーズの挿絵を手がけたジョン・テニエルによるものを横尾さんが日記帳に模写したものだそうです。(そのページ[1985年の日記帳の扉]がそのまま使われています)
最後に…
 横尾忠則「夢枕 二十六」1998年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
横尾忠則「夢枕 二十六」1998年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
19世紀から現代にかけて、アート、映画、音楽、ファッション、演劇、写真などのジャンルで表現されてきました。さまざまなアーティストにインスピレーションを与えつづけているルイス・キャロルによるアリスシリーズです。
独創的な物語は、文化、政治、科学的知識といった普遍的なテーマを盛り込みながら、グローバル化が進んで変容していく社会と変革の時代を反映したものです。
その独創的な物語において好奇心旺盛なアリスは、行く先々で困難と立ち向かいます。ナンセンスなキャラクターや奇妙な世界との出会いを通して、経験を積み重ねるごとに強くなっていきます。
私たちは成長していくアリスの姿から、物事を別の角度からみたり、日常にない世界を想像したり、既成概念を壊そうとしたり、アイデンティティーを模索します。
横尾さんの作品を見つめていると、きっと同じように感じられることでしょう。横尾忠則が希求し、創り出した「不思議の国」を、約150点もの作品から体験してみてください。
展覧会情報
Yokoo in Wonderland-横尾忠則の不思議の国
会期:2023年9月16日(土)〜12月24日(日)
会場:横尾忠則現代美術館
時間:10:00〜18:00 ※入場は17:30まで
休館日:月曜日
※ただし9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館、9月19日(火)、10月10日(火)休館
公式サイト: Yokoo in Wonderland-横尾忠則の不思議の国
 
 
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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
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