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2024.3.4

横浜美術館が2024年3月にリニューアルオープン!

2021年3月より改修工事を行っている横浜美術館が、2024年3月15日にリニューアルオープンします!
日本を代表する建築家、丹下健三(1913-2005年)により設計され1989年に開館した横浜美術館。長期間の改修工事のために気になっていた方も多いはずですが、どのように生まれ変わったのでしょうか。
この記事では、生まれ変わった横浜美術館に込められた想いや、注目ポイントをご紹介します。

横浜美術館とは?

撮影:新津保建秀

1989年11月3日に開館した横浜美術館。日本モダニズムの巨匠と称される建築家、丹下健三(1913-2005年)が手掛けた建物であり、丹下が設計した国内で初めての美術館です。
※ 現・倉敷市立美術館は、丹下が倉敷市庁舎として設計(1960年竣工)し、その後美術館に転用された建物。

建物の前には噴水の出る広場があり、周辺には多数の商業施設があるため、休日には家族連れや観光客で賑わいます。

ミュージアムメッセージは「みなとが、ひらく」

今回のリニューアルにおいて掲げられたミュージアムメッセージは「みなとが、ひらく」です。
日本を代表する港町である横浜に建つ美術館のメッセージとして、一見シンプルなメッセージにも思えます。しかし、みなとのようにどんな人も歓迎し多様な文化や価値観を受け入れてきた美術館と、美術館に訪れる人もまた無限の可能性がひらくみなとである、その願いをまっすぐに表したメッセージが込められています。


このミュージアムメッセージをよりわかりやすい言葉にし、横浜美術館へ訪れる方にとっても、そこで働くスタッフに対しても作られたのが「ステートメント」と「5つの願い」です。

<ステートメント>

美術館は、港のようだと思います。
どんな人も歓迎する。
来るもの、出るもの、多様な文化や価値観が交錯する。
今と過去と未来を中継する。
バリアもボーダーも飛び越えていく。
そして、世界にひらかれた港町の美術館として
歩んできた私たちは、さらに思うのです。

ここに訪れるすべてのあなたもまた、港なのだと。
自由な出会い。豊かなまなび。自分らしくいられる時間。
みて、つくって、まなんで。見晴らしのいい気分で、
未来へ針路をとるために。
たとえ時代が変わっても、今日という暮らしのそばで
横浜美術館は、
あなたという港がひらく場でありたいと思います。

<5つの願い>

1.誰もが尊重され、自分らしくいられる場でありますように
2.人、もの、考えとの新たな出会いの場でありますように
3.今日を生きるよろこびを感じる場でありますように
4.このよろこびが、美術館から街へと広がりますように
5.ひとりと、地域と、世界がつながる場となりますように

横浜美術館を象徴する、ひらかれた「じゆうエリア」

じゆうエリア(イメージ図) 画像:乾久美子建築設計事務所

「みなとが、ひらく」というミュージアムメッセージに寄り添うように生まれ変わるのが「グランドギャラリー」を中心とするエリアです。これまでも横浜美術館の開放的な空間の特徴のひとつであったグランドギャラリーですが、実は有料展覧会に入場しなくても利用できる無料エリアであるということは、これまであまり多くの方には知られていませんでした。

撮影:新津保建秀

じゆうエリア(イメージ図) 画像:乾久美子建築設計事務所

この度のリニューアルにより、あらゆる人を歓迎し、どんな人の居場所にもなるエリアとして、さまざまな新しい試みや、無料エリアの拡張が予定されています。そんな中でも注目したいポイントを4つご紹介します。

ガラス張りの天井

撮影:新津保建秀

これまで数年間にわたり閉めていた開閉式ルーバーの改修工事が行われました。ルーバーを開けたガラス張りの天井からは、やわらかい自然光がふりそそぎ、開放感とともに季節や時間の巡りを感じられるようになります。

無料で入ることができるギャラリー8、ギャラリー9

美術の広場側に、無料で入ることのできる新しいギャラリーが2か所増設されました。とくにガラス張りになっているギャラリー9は、美術館の外からも作品を見ることができるため、美術館の建物の中と外をシームレスにつなぐ役割を持っています。

オリジナルデザインの家具

じゆうエリア(イメージ図) 画像:乾久美子建築設計事務所

今回の改修工事期間中には、あらゆる人にやさしいデザインになることを目指した、横浜美術館オリジナルの家具もつくられ、2025年2月以降に設置されます。入ってすぐ正面の「まるまるラウンジ」では、作品や建築を見ながら、カフェの飲み物やおしゃべりを楽しむことができます。これは空間構築を担当された建築家・乾久美子さんの「ひとりでも、みんなでいても居場所と感じられる場所になれば」という想いが込められています。

2025年2月以降には美術の広場に面したオープンスペースも設置

じゆうエリア(イメージ図) 画像:乾久美子建築設計事務所

オープンスペースで美術館とみなとの風を感じながらくつろぐことができるよう、じゆうエリアで使用されるオリジナルの家具が美術館の外にも設置されます。さらにガラス張りのギャラリーを外からも見ることができるようになるなど、「みなとが、ひらく」というメッセージをより肌で感じられる横浜美術館の姿が楽しみになってきます。

リニューアルオープン以降ᅠ(予定)

じゆうエリア(イメージ図) 画像:乾久美子建築設計事務所

2024年3月15日にリニューアルオープンし、同日より「第8回横浜トリエンナーレ」が開幕します。開館35周年を迎える2024年11月には「じゆうエリア」の一部(ギャラリー8、ギャラリー9、ミュージアムショップ、カフェなど)がリニューアルオープンし、2025年2月 に全館始動します。さらに同月より「おかえり、ヨコハマ」展、横浜美術館コレクション展が開催されます。


美術館そのものの存在意義を見直し、3年もの月日を重ねて行われた改修工事により、アップデートされる横浜美術館。ぜひ直接足を運んでみてください。

美術館概要

横浜美術館
アクセス:〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
電車:みなとみらい線(東急東横線直通)「みなとみらい」駅〈3番出口〉から、マークイズみなとみらい〈グランドガレリア〉経由徒歩3分、または〈マークイズ連絡口〉(10時~)から徒歩5分。
JR(京浜東北・根岸線)・横浜市営地下鉄「桜木町」駅から〈動く歩道〉を利用、徒歩10分、または県民共済ビル前から2階ペデストリアンデッキ利用〈ぴあアリーナ〉前を経由、徒歩10分。
バス:桜木町駅から、市営バス156・292系統で「横浜美術館」下車。
車:桜木町駅前から日本丸方面へ入る。または桜木町駅前から紅葉坂交差点を右折してみなとみらい21地区へ入り、美術館へ3~5分。
横浜駅からは高島町みなとみらい21地区入口を通って美術館へ3~5分。
首都高速横羽線「みなとみらい出入口」より1分。
TEL:045-221-0300(代表)
開館時間:10時~18時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:木曜日、年末年始
※開館日・時間は展覧会によって異なる場合がございます。

【写真9枚】横浜美術館が2024年3月にリニューアルオープン! を詳しく見る
ビビ

ビビ

美術大学彫刻コースを卒業後、アートギャラリーで働いています。粘土を触ったり、ものをつくること、動物や自然が好きです。

美術大学彫刻コースを卒業後、アートギャラリーで働いています。粘土を触ったり、ものをつくること、動物や自然が好きです。

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