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2026.7.8
【2026年7月のおすすめ展覧会4選】カンディンスキー、レンブラント、まなざしの奇跡からうつわの美へ。夏に訪れたい注目展覧会
夏の到来とともに、注目の美術展が一斉に幕を開けます。日本女性写真家30名の軌跡をたどる大規模展、レンブラントのエッチングの魅力を紹介する展覧会、そして国内のコレクションでのカンディンスキー展など、見逃せないラインナップばかりです。
本記事で紹介する注目の展覧会をチェックして、7月のお出かけの参考にしてみてください。
目次
30名の日本の女性写真家が集結!世界を巡回した大規模展が、待望の日本上陸|ヒカリエホール
藤岡亜弥 〈川はゆく〉より 2013-2017 年 ©Aya Fujioka
『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』は、1950年代から現在まで、日本の写真史において重要な役割を果たしてきた女性写真家30名の作品を一堂に紹介する、前例のない大規模な展覧会です。2024年夏にフランス・アルル国際写真祭で幕を開け、14万人を動員した世界巡回展が内容を拡大し、待望の日本上陸を果たします。
会場のヒカリエホールには、インスタレーション、コラージュ、映像など多様なアプローチによる作品約200点が集結。4つの章による構成にて、「写真」の枠組みを超えた多彩な表現を体感できます。なかでも注目したいのが、日本展ならではのオリジナルな展示です。
欧米巡回展の26名に今井壽惠、岩根愛、藤岡亜弥、米田知子の4名が加わり、総勢30名の写真家が集結。また小松浩子や多和田有希らが広い空間を生かしたインスタレーションを展開するほか、澤田知子による観客参加型作品、川内倫子と蜷川実花による映像プロジェクションなど、ここでしか見られない内容が揃います。
近年、国際的な注目を集めながら、その代表として紹介される写真家は男性に偏っていました。しかしいまこそ、そうした歴史を女性写真家たちの視点から捉え直すとき。記憶、身体、日常、ジェンダーといった多彩なテーマに向けられた、一人ひとりの独自のまなざしが渋谷に集います。夏の渋谷で、30名の写真家たちの挑戦に立ち会ってみてください。
長島有里枝 DOMANI plus@愛知「まなざしのありか」展示風景|港まちポットラックビル、愛知| 2022年 撮影|大塚敬太+稲口俊太(参考写真)
『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』 ヒカリエホール(渋谷ヒカリエ 9F)
開催期間:2026年7月4日(土)~8月26日(水)
所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ9F
開館時間:10:00〜19:00
※最終入場は18:30まで
会期中無休
入館料:一般2,200円、U-30割(30歳以下/大学生含む)1,500円、高校・中学・小学生1,000円。
展覧会サイト:『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』
版画表現の可能性を拓いたレンブラント。その挑戦と影響の広がりをたどる|国立西洋美術館
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《百グルデン版画》 1648年頃 エッチング、ドライポイント、ビュラン/和紙 国立西洋美術館
「油彩以上に色彩豊か」。そう称されたレンブラントのエッチングの魅力を紹介する展覧会が、東京・上野の国立西洋美術館で開催されます。『版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト』は、アムステルダムのレンブラント・ハウス美術館と国立西洋美術館の共同企画として実現。両館が誇るコレクションを中心に個人蔵を加えた約130点を展示します。
展示は3章構成です。第1章では、レンブラント自身のエッチング制作に焦点をあてます。肖像・風景・宗教主題など幅広い題材を手がけながら、線の重なりによる深い闇と光の対比を追究した彼の実験精神は、版画表現の地平を大きく押し広げました。エッチング史においても屈指の傑作とされる《百グルデン版画》も見どころとなります。
第2・3章では、17世紀から20世紀にかけてのレンブラントの影響の広がりを追います。ゴヤ、ホイッスラー、ルドン、マティス、ピカソ――とりわけ19世紀フランスで起きた「エッチング・リヴァイヴァル」の文脈におけるレンブラント再評価の熱狂は、版画史の重要な一幕です。
版画史におけるレンブラントの「インパクト」にも光をあてた大規模展は国内初の試み。一枚の銅版から生まれた線と光の世界が、どのように数世紀を超えて芸術家たちを動かし続けてきたのかを、ぜひ会場でじっくりと確かめてみてください。
フレデリック・レガメ《『エッチングのパリ』誌ポスター》 1875年 リトグラフ/青色紙 レンブラント・ハウス美術館
『版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト』 国立西洋美術館
開催期間:2026年7月7日(火)~9月23日(水・祝)
所在地:東京都台東区上野公園7番7号
開館時間:9:30〜17:30(毎週金・土曜日は20:00 まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、7月21日(火)
※ただし、7月20日(月・祝)、8月10日(月)、9月21日(月・祝)は開館
観覧料:一般2,200円、大学生1,300円、高校生1,000円。
美術館サイト:『版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト』
目で味わう、器の美。おもてなしを彩った陶磁の世界|サントリー美術館
重要文化財 白泥染付金彩薄文蓋物 尾形乾山 一合 江戸時代 18世紀 サントリー美術館 【通期展示】
おいしい料理とあいまって、客人の目をも楽しませる「眼のごちそう」。そんなコンセプトのもと、近世、主に桃山時代から江戸時代にかけての陶磁の食器に焦点をあてた展覧会が、東京・六本木のサントリー美術館で開催されます。
会場では、華やかな大皿、優雅な鉢、個性的な向付、蓋物、猪口など、近世のおもてなしの食卓を彩ったさまざまな陶磁器が一堂に集結。
第1章では大皿・鉢・向付といった食器の種類ごとにその役割と使われ方を紹介し、器が食事の作法やもてなしをいかに形づくっていたかを見ていきます。第2章では一転、器の形と文様に注目し、吉祥や季節感、珍しい器を楽しんでもらいたいという思いなど、もてなす側が込めたメッセージをひも解きます。
出品作には、サントリー美術館所蔵の重要文化財《白泥染付金彩薄文蓋物》(尾形乾山)や《色絵五艘船文独楽形鉢》(伊万里)をはじめ、東京国立博物館や野村美術館、遠山記念館など各地の名品も集います。その造形の妙を、空間演出に定評のある同館のスタイリッシュな展示室で鑑賞できるのも醍醐味です。
これまで食器として使われてきた器たちが、美術館という舞台でまた新たな輝きを放つことでしょう。
色絵唐花文猪口 鍋島 五口 江戸時代 17世紀 サントリー美術館 【通期展示】
『眼のごちそう 食器』 サントリー美術館
開催期間:2026年7月8日(水)~8月30日(日)
所在地:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
開館時間:10:00〜18:00
※金曜日および 8月29日(土)は20:00まで
※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(8月11日は18時まで開館)
入館料(当日券):一般1,700円、大学生1,200円、高校生1,000円。
美術館サイト:『眼のごちそう 食器』
日本のコレクションで出会う、カンディンスキーの色と形の饗宴|宇都宮美術館
ワシリー・カンディンスキー《横切る赤》 1931年 厚紙,油彩 69.4×79.2㎝ 宇都宮美術館蔵
「絵画は、童話のような力と輝きを手に入れた」。抽象絵画の創始者のひとりとして知られるワシリー・カンディンスキー(1866~1944年)自身の言葉が、そのままタイトルになったかのような展覧会が、栃木県の宇都宮美術館で開催されます。
主な見どころは3点。まず、宮城県美術館、アーティゾン美術館、ポーラ美術館など全国各地の名品が一堂に会する贅沢な構成です。そして次に、理論家としての明晰さの裏側にあふれる、抑えきれないほどのロマンティシズムの饗宴を作品から読み解きます。
さらに注目したいのは、水墨画や草書など東洋の美学にも通じる彼の表現が、1910年代という早い時期から日本の美術家や美学者たちに与えた影響を最新の研究をふまえて紹介すること。カンディンスキーと日本の知られざる縁に、改めて驚かされることでしょう。
カンディンスキーと縁の深い日本各地のコレクションを集結させ、初期から晩年までの画業を通覧する国内初の試みとなる本展。会場の宇都宮美術館は、市中心部から北へ約5kmの「うつのみや文化の森」の中に位置しています。約26ヘクタールという広大な森に囲まれたその環境は、豊かな自然の中でアートと向き合える贅沢な場所です。 色と形が鳴りひびくカンディンスキーの世界を味わいに、宇都宮へと足を運んでみてください。
ワシリー・カンディンスキー《支え無し》 1923年 カンヴァス,油彩 97.3×93.7㎝ ポーラ美術館蔵
『カンディンスキー 世界は鳴りひびく―日本のコレクションでたどる画業と反響―』 宇都宮美術館
開催期間:2026年7月19日(日)~9月3日(木)
所在地:栃木県宇都宮市長岡町1077
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日、7月21日(火)
※ただし7月20日(月・祝)は開館
観覧料:一般1,200円、大学生・高校生1,000円、中学生・小学生800円。
美術館サイト:『カンディンスキー 世界は鳴りひびく―日本のコレクションでたどる画業と反響―』
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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