STUDY
2022.6.15
【ローマ】無料で見られるベルニーニ作品3選!場所と作品解説
ベルニーニはローマで活躍した、イタリアを代表する彫刻家です。
ベルニーニの作品は、幼少期から繋がりがあったボルゲーゼ家が所有していたものが多く、現在はボルゲーゼ美術館でコレクションを見ることができます。
しかし、実はローマの街中には無料でも見られるベルニーニ作品が溢れているのです。
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ『四大河の噴水』(撮影:Vicenç Valcárcel Pérez), CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
この記事では、ローマの大学院で美術史を専攻している筆者が、無料で楽しめるローマのベルニーニ作品を3つ紹介します。
ナヴォーナ広場『四大河の噴水』
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ『四大河の噴水』(撮影:Nicholas Gemini), CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
ベルニーニの代表作の1つでもある『四大河の噴水』は、ナヴォーナ広場の中央の噴水の装飾です。
一年を通して観光客でにぎわうこの広場でひと際目を引くこの作品 では、4つの川が擬人化されています。
それぞれナイル川、ラプラタ川、ガンジス川、ドナウ川を表しており、この噴水が制作された17世紀には、この4つの川が世界の大河と信じられていました。
それぞれの人物をよく観察すると、誰がどの川を表現しているかがわかります。
教皇のシンボルである2本の交差した鍵のマークを支えているのは、当時すでにキリスト教が布教していたドナウ川です。
顔を布で覆っている人物は、当時水源が明らかになっていなかったナイル川を表しています。
▼関連記事:【ローマ】ベルニーニ作の噴水『四大河の噴水』簡単解説!ナヴォーナ広場
https://irohani.art/study/7456/
バルベリーニ広場『トリトンの噴水』
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ『トリトンの噴水』, No machine-readable author provided. MM assumed (based on copyright claims)., Public domain, via Wikimedia Commons
ナヴォーナ広場やスペイン広場に比べると知名度は高くありませんが、バルベリーニ広場の噴水も、ベルニーニの作品の1つです。
『トリトンの噴水』は、4匹のイルカの尾ひれに支えられた人魚の男性像、神話の神トリトンが表現されています。
トリトンはイルカの上でひざまずき、のけぞって両手で持ち上げた貝を口にあてています。
この作品はベルニーニが最大のパトロンであったウルバヌス8世から受けた最後の依頼となりました。
ウルバヌス8世の目的は、ローマに清潔で安全な水を運ぶためのインフラを修繕し、豊かな飲用水の存在を誇示することでした。
ローマのシンボルでもある『トレビの泉』も同様に、飲用水の運用を通じてローマの権威を象徴するために建設されたものです。
スペイン広場『舟の噴水』
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ『舟の噴水』(撮影:Mister No), CC BY 3.0, via Wikimedia Commons
ローマで最も有名な広場ともいえる「スペイン広場」にも、ベルニーニの作品があります。
この作品は『舟の噴水』と呼ばれ、1629年に当時の教皇ウルバヌス8世の依頼によってベルニーニが制作しました。
「舟」という題材は、16世紀末にローマに流れるテヴェレ川が氾濫した際、川岸から遠く離れたスペイン広場まで一隻の船が流れ着いたことが理由と言われています。
舟の内部と周りには水が溜まる構造になっており、舟の壁の部分から蛇口のように水が流れ出るように設計されました。
舟自体が地上の高さに比べてやや低めの位置に設定されているのは、噴水の水圧を維持するための技術的な理由です。
舟には依頼主ウルバヌス8世の家紋である蜂が彫られているので、近くを通った際にはぜひ探してみてください。
ローマの広場はベルニーニ作品がたくさん!
ベルニーニは「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」と称賛されたほど、ローマと強く結びついた芸術家です。
彼の作品はローマの景観を作り、今も街ゆく人を魅了しています。
ローマを訪れた際は、そばを通り過ぎるだけでなく、ぜひ彫刻1つ1つをじっくり見てみてくださいね。
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イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
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