EVENT
2024.12.3
【東京都庭園美術館】11/30〜『そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠』アール・デコの空間を照らす光
アール・デコ様式の建物と美しい庭で有名な東京都庭園美術館。美術館の装飾空間に、2人の現代作家の作品が展開される『そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠』展が、2024年11月30日(土)から始まります。
この展覧会では、光に注目する作家たち、青木野枝と三嶋りつ惠による大型インスタレーションや新作が公開されます。
2人の作家は、それぞれ鉄とガラスを素材に作品を制作しています。訪れる季節や時間帯によって作品の表情が移ろっていく様子も楽しめそうです。
目次
光に向き合い続ける2人の現代作家
青木野枝《微塵》2020年 gallery21yo-j (東京)展示風景 ©Noe Aoki, courtesy of ANOMALY(撮影:山本糾)
青木野枝と三嶋りつ惠は、それぞれ異なるアプローチで光を意識し、制作してきました。
青木は、鉄を素材に抽象彫刻を生み出してきた彫刻家です。
重量のある材料を用いながらも、軽やかさを感じられる表現が特徴で、その作品は「まるで空間の中に描かれたドローイングのよう」と評されています。*
*参照:東京都庭園美術館HP
青木は、鉄を溶断する時の光に「透明な光」を見出し、様々なインスピレーションを得てきたそうです。
三嶋りつ惠《VENERE》2023年 UESHIMA MUSEUM COLLECTION(撮影:Francesco Barasciutti)
一方、三嶋はガラス作品を通して「光の輪郭」を描き出すことを追究してきました。
日常にある様々な光の表情を捉え、無色透明なガラスにこだわった作品を生み出しているのが特徴です。ヴェネツィア・ムラーノ島のガラス工房に通い、職人とコラボレーションして制作しています。
三嶋りつ惠 制作風景《FONDO DI LUCE》(撮影:Oliver Haas)
今回の展示で着目したいのは、独自の表現方法を持つ2人の作家が、アール・デコ様式の空間にどのような作品を展開するのかという点です。
青木と三嶋は、東京都庭園美術館を何度も訪れ、展示プランを検討したそうです。大型インスタレーションや新作が公開されるため、作家たちの新しい表現に触れる機会にもなるでしょう。
歴史的な装飾空間と現代美術のコラボレーション
本展のもうひとつの見どころは、アール・デコ様式で装飾された空間と作家たちの作品がどのように響き合うのかという点です。
アール・デコとは、1910年代から30年代に現れた装飾の総称です。ジグザグ模様や渦巻き、幾何学形態などいくつかの装飾的な特徴を持っています。
アール・デコは消費都市を背景として世界的に広がりました。化粧コンパクトなど身近なものからニューヨークの摩天楼に至るまで、広い範囲で用いられた意匠です。
(参考文献:勝井三雄、田中一光、向井周太郎監修『現代デザイン事典 2015年版』平凡社、p.35)
東京都庭園美術館の本館では、アール・デコの装飾が各所に施されており、優美な意匠を楽しむことができます。
現在は美術館として開かれている本館は、もとは皇族朝香宮家の自邸として1933年に建設されました。
最初の住人である朝香宮夫妻は、1920年代にフランスに滞在した際アール・デコの様式美に魅了され、自邸にその意匠を取り入れました。
東京都庭園美術館 本館 大客室 扉上タンパン レイモン・シュブ作
各部屋は様々な素材で飾られており、シャンデリアやレリーフには鉄やガラスも使われています。
これらの素材は青木や三嶋の作品に共通しており、歴史的な装飾と現代美術という異なる表現がどのように共演するのか、注目です。
二度と訪れない特別な時間
今回の展示の魅力は、訪れる季節や時間帯によって、作品の表情が変化する点です。日中は館内に自然光が差し込み、夕方は温かい色の室内照明が灯ります。
「光」をテーマにした展示空間では、時間の移ろいも楽しめそうです。会期中は写真撮影ができます。あなたが訪れた特別な時間を写真に残せますよ。
※一部の資料・映像・展示を除きます。周囲の方に配慮するなど諸注意を必ずご確認の上、館内スタッフの指示に従ってご利用ください。
なお、関連イベントとして、作品や「光」について考えを深めるプログラムも用意されています。イベントに参加すると、作家や美術館をさらに詳しく知ることができます。
青木野枝・三嶋りつ惠によるアーティストトーク
2人の作家が展覧会の作品について語るイベント
日時:2025年2月15日(土)14:00~15:30(要申込)
ギャラリートーク「朝香宮邸をめぐる光、そして鉄とガラス」
本展スタッフが作品の魅力と展覧会エピソードを語るイベント
日時:2025年1月23日(木)/ 2月6日(木)11:00~12:00 (当日受付・先着10名)
哲学対話「ともに考える、対話する ― 光ってなんだろう?」
作品を見て光について考える会
日時:2024年12月22日(日)14:00~16:30(要申込)
さわ会 — さわっておしゃべり鑑賞会「触れて、感じて、対話する」
作品の一部や素材に触れられる鑑賞イベント
日時:2025年2月1日(土)14:00~16:00(要申込)
※詳細は、東京都庭園美術館ホームページでご確認ください。
『そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠』展は、現代作家の作品と歴史的なアール・デコの装飾を楽しめる展覧会です。ぜひ足を運んでみてください。
画像提供:東京都庭園美術館
展覧会情報
そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠
会期:2024年11月30日(土)〜2025年2月16日(日)
会場:東京都庭園美術館(本館+新館)
開館時間:10時〜18時(入館は閉館の30分前まで)
11月30日(土)、12月6日(金)・7日(土)は秋の夜間開館のため20時まで開館
休館日:毎週月曜日、年末年始(12月28日(土)~2025年1月4日(土))
※ただし2025年1月13日(月)は開館、1月14日(火)は休館
美術館公式ウェブサイト:そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠, 東京都庭園美術館ホームページ
画像ギャラリー
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アートと文化のライター。アーティストのサポートや、行政の文化事業に関わった経験を活かし、インタビューや展覧会レポートを執筆しています。難しく考えがちなアートを解きほぐし、「アートって面白い」と感じていただける記事を作成します。
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