EVENT
2026.9.8
【細見美術館】特別展『良寛さん -その人と禅-』心温まる書の世界に浸ろう
名主の家に生まれながらも、地位も名誉も捨てて出家し、清貧を貫いた禅僧、良寛(りょうかん)。子どもたちと手毬をついて遊ぶ姿で知られ、親しみを込めて「良寛さん」と呼ばれる彼は、芸術性の高い独特の書により「日本書美の極致」とも称されています。
そんな良寛の作品が一堂に展示される特別展「良寛さん -その人と禅-」が、京都の細見美術館にて開催されます。会期は9月12日(土)〜11月8日(日)です。
本展では長らく非公開だった名品も展示。時空を超えて愛される良寛の書に触れ、芸術と癒しを味わう秋としてはいかがでしょうか?
見どころ①:長らく非公開の代表作も!珠玉の名品が一堂に集結
大きな見どころとなるのが、良寛の代表作でありながら長らく公開されていなかった名品の数々を間近で鑑賞できる点。子どもにせがまれて凧に書いたという説もある《凧文字 天上大風》や、飢えた老人に自分の身を捧げた兎を讃える《長歌 月の兎》など、貴重な作品を見られるチャンスです。
良寛筆《長歌 月の兎 折帖より いまのおつゝも》 個人蔵 江戸後期
良寛は伝統的な書法の技術を背景としつつも、自身の感性に基づく芸術的かつ独創的な作品を生み出しました。その無垢な世界観は書道という枠組みを超え、私たちの胸に迫ってきます。
目にする機会の少ない貴重な作品がまとめて公開される本展は、良寛の芸術の真髄に触れるまたとない機会となるでしょう。
見どころ②:「野の禅僧」の自由な精神とあたたかな人柄
お寺の住職にはならず、越後(現・新潟県)の国上山にある小さな草庵で暮らした良寛。釈尊にならって托鉢(鉢を持って人々の家を訪ね、食料や銭の寄進を受ける修行)を行いながら、民衆に寄り添い、慈しみの心をもって仏の道を伝えていきました。
本展では、日常の草庵生活の中で感じた思いを綴った詩歌や、知人からの贈り物に対する礼状なども展示。みずみずしい感性で詠まれた詩歌や、心のこもった礼状からは、良寛のあたたかな人柄と慈愛に満ちた日常が伝わってくるようです。
厳しい生活のなかにも心豊かに生きた「野の禅僧」。本展ではその精神世界に触れ、時空を超えて心を洗われる時間を過ごせそうです。
見どころ③:強い信念を持った「求道者」の一面
一般的には、良寛は「子どもと戯れる優しいお坊さん」というイメージが強いかもしれません。しかし、実は強い信念を持ち、人々を救うために“菩薩行”を実践した、熱心な「求道者」でもありました。
良寛は玉島(現・岡山県倉敷市)の円通寺で禅の修行を積んだのち、帰郷してからは他宗派の教義を意欲的に学びました。宗派の垣根を越えて人々に仏の道を伝えようとしたその姿は、真摯に仏道と向き合い続けた求道者そのものです。
本展ではこうした側面にも光を当て、良寛の姿を捉え直します。優しさの裏にあった強い意志と情熱を知ることで、良寛という人物の意外な魅力を見つけられるかもしれません。
展覧会情報
特別展「良寛さん -その人と禅-」
会場:細見美術館
会期:2026年9月12日(土)〜11月8日(日)※一部展示替えあり
開館時間:午前10時〜午後5時
休館日:毎週月曜日、9月24日(木)、10月13日(火) ※ただし、9月21日(月・祝)、10月12日(月・祝)は開館
美術館ウェブサイト:https://www.emuseum.or.jp/
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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
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