EVENT
2023.12.13
煌びやかで美しく、耐久性にも優れた漆芸品「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」
東洋の人々の暮らしに深く関りのある、漆―――アジアの人々が見出した不思議な樹液で、華やかさと実用性を備えた素材です。
泉屋博古館東京にて、「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」を2024年1月20日(土)より2月25日(日)まで開催いたします。この記事では、4つの展示室ごとに展覧会の見どころをご紹介します。
目次
「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」:第一展示室
象彦(八代 西村彦兵衛)《扇面謡曲画蒔絵会席膳椀具》大正時代・20世紀 泉屋博古館
私たちにとって、漆と最も身近に接する機会は食事のときかもしれません。艶やかな塗り肌は食材の色味を引き立て、蒔絵などの装飾が食卓に四季折々の風情や趣を添える一方で、漆の塗膜により油汚れなどが洗い流しやすくなるという性質も持っています。
本展示室では江戸時代から続く大坂の商家・住友家の宴を彩った漆芸の食器・酒器をご紹介します。
「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」:第二展示室
15代住友家当主・住友吉左衞門友純は春翠という号をもち、上方を代表する近代数寄者のひとりでした。
茶の湯や香に親しんだ春翠は、茶席や香席を彩る漆芸品を数多く集め、自身が開く会で使用するのを楽しみました。能楽を好んだ春翠が蒐集した能道具は今も残り、特に楽器の数々は美しい蒔絵で装飾されています。
「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」:第三展示室
ウルシの木から取れる樹液に、アジアの人々は、接着剤や防腐のためのコーティング剤などとしての可能性を見出し、独特の樹液文化を形づくります。
さらに樹液の特性を活かして、刀による彫刻〔彫漆〕や、漆が硬化するまでの時間に貝殻をつけたり〔螺鈿〕、金銀粉を蒔いたり〔蒔絵〕するなどの多彩な技法が編み出されます。
理想の書斎をつくるのに欠かせないとされていた漆芸の文房具
中国では文人の願いがこもった吉祥のモチーフを彫漆や螺鈿の技法を駆使し表現されていました。一方で、日本の文房具には蒔絵で彩られた、四季の移ろいを感じさせる花鳥風月のデザインが多く見られます。季節を感じ、文学と美術に思いを馳せるのも、書斎での楽しみのひとつでしょう。
住友家では親しい人々に漆芸品を度々贈っており、なかでも海外からの客人には蒔絵で彩られた作品を友好の証としてプレゼントし、喜ばれています。まさに日本の工芸を代表する存在として漆芸品が海外へ渡っていった一例と言えるでしょう。
本展の最後は、住友家にもたらされた漆芸品と、当主が娘に贈った雛祭りの会席膳で締めくくります。
この機会に漆芸品を見るたのしみ、使うよろこびを感じてみてはいかがでしょうか。
受贈記念「伊万里・染付大皿の美」:第四展示室
《染付玉取龍文大皿》 江戸時代後期・19世紀 泉屋博古館東京(瀬川竹生コレクション)
江戸時代後期、さまざまな文様が描かれた直径40cmを超える大皿が数多く生産されました。描かれるのは伝統的な意匠からめでたいもの、当時大流行していた浮世絵をもとに描かれたような図柄、さらには洒落を利かせたものまで多岐にわたります。
染付大皿に魅了され、生涯に渡り染付大皿を収集し続けた故・瀬川竹生氏の染付大皿コレクションが特別に公開されます。
開催概要
会期 2024年1月20日(土)〜2024年2月25日(日)
会場 泉屋博古館東京
住所 東京都港区六本木1丁目5番地1号 Google Map
時間 11:00~18:00
※金曜日は19:00まで開館
※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日
2月12日(月・祝)は開館、翌2月13日(火)休館
入館料 一般1,000円(800円)、高大生600円(500円)、中学生以下無料
※20名様以上の団体は( )内の割引料金
※障がい者手帳等ご呈示の方はご本人および同伴者1名まで無料
TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
主催 公益財団法人泉屋博古館、日本経済新聞社
担当学芸員 竹嶋康平(泉屋博古館 学芸員 / うるしとともに)
森下愛子(泉屋博古館東京 主任学芸員 / 瀬川コレクションの染付大皿)
公式サイト うるしとともに ―くらしのなかの漆芸美
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