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EVENT

2024.1.8

科学と芸術の融合!「英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」

茨城県近代美術館にて、「英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」を2024年2月23日(金・祝)より開催いたします。

イギリスの食の歴史や文化とともに、野菜や果物、茶、コーヒー、ハーブ、スパイスといった“おいしい”植物を扱ったボタニカル・アート(植物画)を紹介する展覧会です。

この記事では、本展の見どころについてご紹介します。

ボタニカル・アートとは?

ウィリアム・フッカー《リンゴ「デヴォンシャー・カレンデン」》1818年 個人蔵 Photo Michael Whiteway

ボタニカル・アートとは科学的研究のために、写真の代用として、花や植物を緻密に描いたものです。

科学的な正確さが必要とされるボタニカル・アートですが、優れた植物画家が描いた作品は観る者に感動を与え、芸術的観点からも高く評価されています。

本展はプロローグから始まり、第1章~第6章で構成されています。

プロローグ 食を支える人々の営み―農耕と市場

18世紀後半から19世紀にかけて、イギリスでは農村や市井の人々の生活を描いた風俗画が人気を集めるようになります。

展覧会のプロローグとして、農耕や収穫、食材を栽培するキッチン・ガーデン(家庭菜園)、市場や食材の行商などをとりあげた作品に焦点をあてます。

第1章 大地の恵み 野菜

ジョゼフ・ヤコブ・リッター・フォン・プレンク《カリフラワー》1788〜1803年頃 キュー王立植物園蔵 ©️RBG KEW

イギリスではアブラナ科の野菜や豆類が古くから食されており、様々な穀物が栽培されていました。

コロンブスのアメリカ大陸発見以降はアメリカ原産のジャガイモなどがヨーロッパに伝えられ、19世紀後半には現在とほぼ同様の野菜がイギリスの食卓に並ぶようになりました。

第2章 イギリスで愛された果実―『ポモナ・ロンディネンシス』

ウィリアム・フッカー《ブドウ「レザン・ド・カルム」》1818年 個人蔵 Photo Michael Whiteway

ウィリアム・フッカーの代表作『ポモナ・ロンディネンシス』 は、ロンドン近辺で栽培されている果物をとりあげ、解説文と手彩色された銅版画の図版を付した書籍です。

表題名の「ポモナ・ロンディネンシス」は「ロンドンの果実」という意味です。

第3章 日々の暮らしを彩る飲み物

無名の北インドの画家、もしくは(おそらく)中国の画家(過去にジャネット・ハットン[1810年代に活躍]の作品とみなされる) 《カカオ》1810年頃 キュー王立植物園蔵 ©️RBG KEW

アフタヌーン・ティーの習慣が確立し、紅茶大国となったイギリス

大人の社交場「コーヒー・ハウス」の登場により大流行したコーヒー、イギリスとボルドー・ワインとの関係など、第3章では飲み物を「茶」「コーヒー」「チョコレート」「砂糖」「アルコール」という、5つのセクションに分けて紹介します。

第4章 あこがれの果物

ピエール・アントワーヌ・ポワトー《ビター・オレンジ》1807~35年 個人蔵 Photo Michael Whiteway

18世紀の初め頃になると、果物が食後のデザートとして提供されるようになり、特に珍重されたのがオレンジやレモンなどの柑橘類です。

19世紀までは富裕層の贅沢品であり、客をもてなす晩餐会ではそれらを食卓でどのように演出するかに関心が集まりました。

第5章 ハーブ&スパイス

おそらくインドの画家(ジャネット・ハットン[1810年代に活躍]の作品とみなされる)《コショウ》1810年頃 キュー王立植物園蔵 ©️RBG KEW

家庭での簡単な治療の際に薬として活用されたハーブ

薬草の効用や特徴が説明された手引書『カルペパー薬草大全』は、驚異的なロングセラーとなりました。コショウなどのスパイスも古くから薬として活用されていましたが、その多くの原産地がアジアだったため希少で高価でした。

スパイス原産地の争奪戦後、18世紀にはインドなどのスパイス生産地を支配下に置きました。

第6章 ブレジア=クレイ家のレシピ帖と『ビートン夫人の家政読本』

ロバート・ヘンネル3世《ティーポット・セット》1861年 個人蔵 Photo Michael Whiteway

18世紀から19世紀にかけて、新しい野菜や果物が普及するのにともない、各家庭において指南書が必要となりました。

そこで手書きのレシピ帖や、19世紀に入ると家庭向けの雑誌や書籍が活用されました。当時、一大ベストセラーとなり主婦のバイブルとなった『ビートン夫人の家政読本』も展示します。

目のご馳走ともいうべき、「おいしいボタニカル・アート」。キュー王立植物園のボタニカル・アート・コレクションから厳選した作品たちをぜひご覧ください。

開催概要

会期 2024年2月23日(金・祝)〜2024年4月14日(日)
会場 茨城県近代美術館
住所 茨城県水戸市千波町東久保666-1 Google Map
休館日 3月18日(月)、3月25日(月)、4月1日(月)、4月8日(月)
水戸の梅まつり期間中(2/10~3/17)は、本展は無休
観覧料 一般1,210(1,100)円/満70歳以上600 (550)円/高大生1,000(870)円/小中生490(370)円
※( )内は20名以上の団体料金 ※春休み期間を除く土曜日は高校生以下無料 ※障害者手帳・指定難病特定医療費受給者証等をご持参の方は無料 ※3月16日(土)は満70歳以上の方は無料
TEL 029-243-5111
URL 【茨城県近代美術館 公式サイト】「おいしいボタニカル・アート」
主催 茨城県近代美術館
後援 ブリティッシュ・カウンシル/水戸市/朝日新聞水戸総局/茨城新聞社/NHK水戸放送局/産経新聞社水戸支局/東京新聞水戸支局/日本経済新聞社水戸支局/毎日新聞水戸支局/読売新聞水戸支局/LuckyFM茨城放送
協力 日本航空
特別協力 英国キュー王立植物園
企画協力 ブレーントラスト

【写真8枚】科学と芸術の融合!「英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」 を詳しく見る
イロハニアート編集部

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アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。

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