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EVENT

2024.5.29

【千葉5/23〜】圧巻の写実絵画の変化を探る『作家の視線― 過去と現在、そして…』

千葉県のホキ美術館で『作家の視線― 過去と現在、そして…』が開幕します。会期は5月23日(木)〜11月11日(月)です。

石黒賢一郎「細胞融合増殖抑制装置」2023年

ホキ美術館は「写実絵画」を専門とする、世界でも珍しい美術館です。保木将夫氏が収集した写実絵画およそ500点を中心に、さまざまな作家の作品を紹介しています。

「写実絵画」とは、基本的には「見たものをそのまま描いた絵」のことです。写真のように現実を克明に描き出す…のですが、写真とは異なる趣きがあり、現実そのままとも違う力があります。

野田弘志「「崇高なるもの」OP.8」2022年

本展では、作家の長い活動に焦点を当て、20年30年といった時間の中で、変わるものと変わらないものを考えます。また、若手作家の今後の展望にもワクワクできる展覧会となりそうです。

見どころ①作家の過去と現在を並べて見られる

キャプション:五味文彦「三角のグラスのある静物」2021年

3〜4ヶ月、ときには1年以上と、長い時間をかけて制作される写実絵画。その時間の中では、作家の考えや思いも変化しているのではないでしょうか。

本展では、作家の過去と現在の作品を並べて展示することで、その変化に注目します。作家の表現方法や美を捉える感覚の変化の中に、長く変わらない大切な何かを読み取れるかもしれません。

五味文彦「ガラス器とレモン」2008年

五味文彦さんは、レモンの瑞々しさやガラスの透明感など、異なる質感を表現する静物画を描かれています。緻密さや構図などの変化によりリアリティが増し、鑑賞者をより引きつける作品へと変わっているように思います。

島村信之「紗」2003年

島村信之さんは、寝そべる裸婦と透き通るガーゼの表現が見事な作品を制作してきました。モチーフは共通しますが、背景の白色、光の描き方、肌の質感の出し方は、作品によって異なっています。

見どころ②若手作家たちの今後の展望

ベテランの作家のみならず、本展では若手作家の作品も展示されます。現在の作品も、これからの作品も楽しみな次世代の作家たち。新たな作家と出会う機会にもなりそうです。

本展では、藤田貴也《portrait》(2017)、三重野慶《信じてる》(2017)、本木ひかり《別つ》(2022) などの作品が紹介されます。

見どころ③新設された見どころガイド

石黒賢一郎「惰眠」1993-2012年

本展では、お手持ちのスマホが見どころガイドに。会場でQRコードを読み取ると、作品画像とともに鑑賞のポイントを見ることができます。

館内にフリーWi-fiが設置され、いままで電波が入らなかった地下階でも通信ができるようになりました。ぜひ見どころガイドを使って、作品を深く鑑賞してみましょう。

展覧会情報

作家の視線― 過去と現在、そして…

会場:ホキ美術館 ギャラリー1

会期:2024年5月23(木)〜11月11日(月)

開館時間:午前10時~午後5時30分(入館受付は午後5時まで)

休館日:美術館カレンダー

美術館公式ウェブサイト:ホキ美術館

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明菜

明菜

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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。

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