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2024.8.28
京都国立近代美術館9/13〜『LOVEファッション―私を着がえるとき』
京都国立近代美術館(MoMAK)にて特別展『LOVEファッション―私を着がえるとき』展(会期:9月13日(金)から11月24日(日))を開催します。
目次
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)(部分) フランス 1775年(テキスタイル 1760年代) © 京都服飾文化研究財団、撮影:畠山崇
私たちの欲望が潜み、憧れや熱狂、葛藤や矛盾を伴って表れ、さまざまな情熱や願望を受け止めてくれる存在のファッション。
きっと本展覧会を通して私たち人間が服を着ることの意味について再び考えるきっかけとなることでしょう。
『LOVEファッション―私を着がえるとき』について
Gaultier Paris by sacai アンサンブル 「I Gaultier under my skin」2021年秋冬 ©京都服飾文化研究財団、撮影:守屋友樹
Gaultier Paris by sacai アンサンブル 「I Gaultier under my skin」2021年秋冬(部分) ©京都服飾文化研究財団、撮影:守屋友樹
京都国立近代美術館(MoMAK)と京都服飾文化研究財団(KCI)は、「美術館における衣装展」という分野を日本でいち早く普及・発展させ、これまで8度にわたる共同での展覧会を開催してきました。
社会、文化、アートの諸問題とも結びつくテーマを取り上げ、衣服だけにとどまらない、現象としてのファッションの展示を目指す試みは、これまで海外でも評価され、多数の巡回展を実現してきました。
服を着ることは人間の普遍的な営みのひとつです。お気に入りの服を着たい、あの人のようになりたい、ありのままでいたい、我を忘れたい…など、着る人のさまざまな情熱や願望=「LOVE」を受け止める存在としてのファッション。そこには万華鏡のようにカラフルな世界が広がっています。
本展では、KCIが所蔵する18世紀から現代までの衣装コレクションを中心に、人間の根源的な欲望を照射するアートとともに、ファッションとの関わりにみられるさまざまな「LOVE」のかたちについて考えます。
展覧会を通して、私たち人間が服を着ることの意味について再び考えるきっかけとなるでしょう。
『LOVEファッション』見どころ①|「着ること」の面白さや奥深さを再認識する展覧会
ジレ(ウエストコート) フランス 1790年頃 © 京都服飾文化研究財団、撮影:守屋友樹
Le Monnier(ジャンヌ・ル・モニエ) ベレー 1946年頃 © 京都服飾文化研究財団、撮影:林雅之
私たちは長い歴史の中で着ることを通じてさまざまな情熱を傾けてきました。
人類最初の衣服は自然界からもたらされ、その記憶を引き継いでいるのか、私たちは毛皮の肌触りと温もりに酔いしれ、美しい鳥の羽根で着飾り、色とりどりの花々に身を包みます。
豊かさや権力の象徴とされ、18世紀には絹織物の文様にも現れた毛皮は、現在では動物保護をうたう一方で、その手触りを手放すことができず、相反する価値観を含んでいます。
そんな中、文明や技術が高度に発達した今日において、 自然に対する憧れや敬愛、身にまといたいという願望から多種多様な衣服が生み出されています。
本展では、KCI が厳選した18世紀から現代までの衣服作品を通じて、「着ること」をめぐる人々の多様な願望である「LOVE」とそのありようについて見つめ直します。
『LOVEファッション』見どころ②|着る人や創作する人の「LOVE」に溢れた作品を多数展示
コルセット 1870年頃 アメリカ? © 京都服飾文化研究財団、撮影:畠山崇
Christian Dior(クリスチャン・ディオール)イヴニング・ドレス 1951年春夏 ©京都服飾文化研究財団、撮影:来田猛
美しい花柄が広がる18世紀の宮廷服、鳥たちがあしらわれた帽子、顔より大きく膨らんだ袖、締め上げられてS字型になったウエスト、 歩けないほどに広がるスカートには、歴史を振り返れば過剰や奇抜と思える装いにこそ、「綺麗になりたい」という当時の人々の美意識が凝縮され、ときに偏執的ともいえる造形への欲望を伴なって衣服の流行をつくりあげてきました。
その一方で、社会の中で様々な役割を担いつつ生きる私たちの「ありのままでいたい」という願望から、1990年代以降にデザインを極限までそぎ落としてミニマルな装いの記号へと還元するヘルムート・ ラングらが牽引した、自然体の体を主役にするミニマルなデザインの服や、ミニマル・ファッ ションの究極系とも表現できる「下着ファッション」がご覧になれます。
現代のデザイナーも新たな形や意味を服に込め、私たちの日々の気分を切り替えるだけでなく、別の何かへと変身できるような感覚を与え、ヴァージニア・ウルフの『オーランドー』 に触発され、時代や性別を超えた衣装で私たちの固定概念を揺さぶる川久保玲(コム・デ・ギャルソン)などの作品から、異なる時代に制作された文学と衣服に通底する、アイデンティティの物語への普遍的な問いかけを探ります。
会場では、着る側と作る側それぞれの熱い「LOVE」から生み出された装いの数々が登場します。
『LOVEファッション』見どころ③|服を着る「私」の存在とその認識を広げる現代アートを紹介
松川朋奈《それでも私が母親であることには変わりない》2018年 個人蔵 ©Tomona Matsukawa courtesy of Yuka Tsuruno Art Office, photo by Ken Kato
着るという行為は「私」という存在の輪郭にも働きかけます。本展では、さまざまな願望や葛藤を抱えながら現代を生きる多様な「私」のありようを、現在活躍するアーティストたちの作品を通して紹介します。
身近な友人との日常を切り取り、ありのままに生きることを肯定するヴォルフガング・ティルマンスの写真、同世代の女性たちのインタビューを題材にその日常と内面を描き出す松川朋奈の絵画、背負う貝殻を変えるヤドカリの姿に人のアイデンティティを重ね合わせる AKI INOMATA の作品など、「私」を めぐる問いの現在形を探ります。
展覧会情報『LOVEファッション―私を着がえるとき』
会期 2024年9月13日(金)~ 11月24日(日)
会場 京都国立近代美術館(岡崎公園内)
〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町
開館時間 午前0時~午後6時(金曜日は午後8時まで)
※入館は閉館の 30 分前まで
休館日 月曜日
※ただし 9月16日(月・祝)、9月23日(月・休)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館。
翌日火曜日は休館。
公式ホームページ 『LOVEファッション―私を着がえるとき』
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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
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