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EVENT

2024.10.6

【愛知10/11~】相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史

10月11日(金)〜11月27日(水)まで愛知県美術館にて「相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史」が開催されます。

本展覧会について

相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展

相国寺(しょうこくじ)は、室町幕府三代将軍・足利義満(1358~1408)が永徳2年(1382)に発願、京五山禅林の最大門派であった夢窓派の祖・夢窓疎石(1275~1351)を勧請開山に迎え、高弟の春屋妙葩(1311~1388)を実質開山とし創建された禅宗の古刹(由緒ある古い寺)です。

今も京都の地、御所の北側にその大寺の姿を誇り、金閣寺、銀閣寺の通称で名高い鹿苑寺、慈照寺を擁する臨済宗相国寺派の大本山でもあります。時代を通じ、相国寺は芸術家を育て、名作の誕生を導いてきました。

室町幕府の御用絵師とされる相国寺の画僧である如拙と周文。室町水墨画の巨匠と称される雪舟。江戸時代の相国寺文化に深く関わった狩野探幽。そして奇想の画家・伊藤若冲、原在中、そして円山応挙…。

中世に規範を得た相国寺文化圏の美の営みは、近世、近代、現代へと時を繋ぎ、相国寺、鹿苑寺、慈照寺が所有する美術品は相国寺境内にある承天閣美術館で公開されてきました。

本展覧会は、相国寺承天閣美術館開館40周年を機に開催するものです。国宝、重要文化財あわせて45件以上を含む相国寺派の名品を中心に紹介し、相国寺の美の世界をみつめ、未来へ託します。

相国寺展 第 1 章 創建相国寺 ― 将軍義満の祈願

重要文化財 《足利義満像》 室町時代 15 世紀 鹿苑寺蔵【後期展示】

「吾れ、新たに小寺を建てんと欲す」—室町幕府3代将軍・足利義満(1358〜1408年)が発したその一言に、相国寺の歴史は始まります。寺は夢窓派の高僧たちの進言により小さな寺ではなく大伽藍の禅寺であることが望まれ、御所の北側、室町幕府の傍らに開かれました。明徳3年(1392年)、発願から10年を経て伽藍が完成し落慶供養が行われました。

相国寺展 第 2 章 中世相国寺文化圏 ― 雪舟がみた風景

重要文化財 陸信忠《十六羅漢図 賓度羅跋囉惰闍尊者》(部分) 南宋時代13世紀相国寺蔵 【後期展示】

15世紀の相国寺には、相国寺文化圏と名づけられるべき美の営みがありました。室町幕府の御用絵師であったとされる相国寺の画僧・如拙と周文は室町水墨画の様式を確立し、また、彼らを師と仰いだと語る雪舟(1420~1506?年)は、若き日を相国寺にて過ごしたとされます。のちに室町水墨画の巨匠と称される雪舟がみた中世相国寺文化圏の風景を展開します。

相国寺展 第 3 章『隔蓂記』の時代 ―復興の世の文化

国宝 《無学祖元墨蹟与長楽寺一翁偈語 》(部分) 鎌倉時代 弘安 2 年(1279) 相国寺蔵 左:第三幅【後期展示】

国宝 《無学祖元墨蹟与長楽寺一翁偈語 》(部分) 鎌倉時代 弘安 2 年(1279) 相国寺蔵  右:第一幅【前期展示】

戦国の世の荒廃した相国寺を復興したのは92世住持・西笑承兌(せいしょうじょうたい)(1548~1607年)。相国寺の復興に尽力し、天下人秀吉、家康のブレーンとなり外交僧としても活躍。相国寺中興の祖となりました。これに続く1600年代。復興の相国寺に登場するのが鳳林承章(1593~1668年)でした。

西笑承兌の法嗣は鹿苑寺の住持を務め、75歳で亡くなる34年間の日記『隔蓂記(かくめいき)』は鳳林承章をめぐる風雅の時と場を伝える貴重な史料となっています。作品をめぐる『隔蓂記』の世界を再現します。

相国寺展 第 4 章 新奇歓迎!古画礼讃! ―若冲が生きた時代

重要文化財 伊藤若冲《鹿苑寺大書院障壁画 二之間襖絵 松鶴図》(部分) 江戸時代 宝暦 9 年(1759) 鹿苑寺蔵【通期展示】

中世の相国寺文化圏を代表するビッグネームが「雪舟」であるとすれば、近世の相国寺の文化に賑わいを添えてくれたのは「若冲」と言えるでしょう。

独特の絵画表現を完成させ、「私は理解されるまでに1000年のときを待つ」と言った若冲ではありますが、若冲が生きた1700年代は驚くほどにアバンギャルドな時代でした。人の交流を通し、ものの往来を通して、多感に構築される相国寺文化の新時代を再現してゆきます。

相国寺展 第 5 章 未来へと育む相国寺の文化 ―”永存せよ"

重要文化財 円山応挙《牡丹孔雀図》 江戸時代 明和 8 年(1771)相国寺蔵【後期展示】

相国寺の什物は、どのように形成されてきたのか?なぜ今、この作品はここ相国寺に在るのか?今回の展覧会を企画するにあたって重視した、ひとつの視点でした。相国寺の什物は中世より伝来したものもあれば、近世や近代の寄進などの新規受入により加わったものもあります。それらは今後、相国寺で活かされ、価値を見いだされ、什物としての履歴を積み重ねて成長してゆくことでしょう。この章ではそうした作品群を展示します。

展覧会情報

相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史

会 期:2024年10月11日(金)~11月27日(水)
   ※ 会期中一部展示替えをします。
   前期:10月11日(金)~11月4日(月・休)
   後期:11月6日(水)~11月27日(水)
会 場:愛知県美術館(愛知芸術文化センター10 階)
時 間:午前10時~午後6時
   金曜日は午後8時まで(入場は閉館 30 分前まで)
休 館 日:月曜日(ただし 10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)、11月25日(月)は開館)、 10月15日(火)、11月5日(火)
ホームページ:相国寺承天閣美術館開館40周年記念 相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史

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新 麻記子

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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

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