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EVENT

2024.10.10

【10月18日(金)まで】美術館×オフィス!? 写真の新しい解釈を提示する「プラネタリウム」 JINS東京本社ギャラリー

株式会社ジンズホールディングスは、クリエイティビティを刺激するオフィス空間として、東京本社3階にギャラリースペースを設け、様々なアートを展示しています。2024年9月より開催されている第2回展示は、写真家・高木こずえ氏の個展「プラネタリウム」。写真、油彩、版画など多様な表現手法を用い、写真の枠を超えた新しい解釈を提示する高木氏の作品の数々を紹介します。

「美術館×オフィス」を体現するJINSのギャラリー


JINSは、昨年移転した東京本社を「美術館×オフィス」をコンセプトに設計。従業員のクリエイティビティを高めるため、オフィス内にアートを取り込み、従業員用サウナやカフェなども設置しています。3階のギャラリースペースは、国際的に活躍するキュレーター・長谷川祐子氏が監修。従業員だけでなく、来訪者にも創造性を刺激する空間を提供しています。

JINSのギャラリーJINSのギャラリー©Keizo Kioku

写真家・高木こずえ氏が提示する、写真の新たな解釈


高木こずえ氏は、写真の枠にとらわれず、コラージュ、絵画、版画など様々な表現手法を取り入れることで、独自の表現世界を築き上げてきました。本展では、写真作品だけでなく、近年取り組んでいる油彩や版画作品も展示。写真は変化していくものという高木氏の考えに基づき、写真、油彩、版画、サイアノタイプなど、異なる表現手法が組み合わされた作品は、私たちに写真の新たな可能性を示唆します。

展示の見どころ

1. プラネタリウムの建物とサイアノタイプが融合した作品「プラネタリウム」

本展のタイトルにもなっている作品「プラネタリウム」は、プラネタリウムの建物を撮影したポラロイド写真と、その写真を基にアクリル絵の具とサイアノタイプで描いた作品です。サイアノタイプは、写真の古典技法で、星々を眺めるプラネタリウムを、青写真とも呼ばれるこの技法で表現することで、作品に奥行きを与えています。

展示作品「プラネタリウム」プラネタリウムの建物を撮影したポラロイド写真©Keizo Kioku

ポラロイド写真で撮影したプラネタリウムをもとに、アクリル絵の具と写真の古典技法「サイアノタイプ」で描いた絵画プラネタリウムの建物を撮影したポラロイド写真を基にアクリル絵の具とサイアノタイプで描いた作品©Keizo Kioku

2. 海辺の写真に異なる色のレイヤーを重ねた新作(タイトル未定)

富山県の海辺で撮影された写真は、長谷川氏との対話を通して、白黒だった写真に異なる色のレイヤーを重ねることで、新たな表情を見せる作品へと生まれ変わりました。1つの写真が持つ多様性と、写真表現の可能性を感じさせてくれます。

3. 油彩で描かれた「琵琶島」シリーズ

「琵琶島」シリーズは、高木氏が現在住んでいる場所で撮影された写真をもとに油彩で描かれた作品です。写真に描かれた風景を、油彩という表現技法によって、新たな解釈を加えています。

「琵琶島」シリーズの作品と富山県の海辺で撮影したタイトル未定の新作「琵琶島」シリーズの作品(展示左2点)と富山県の海辺で撮影したタイトル未定の新作(展示右2点)©Keizo Kioku

4.富山県の海辺で撮影した写真に異なるレイヤーを重ねた新作(タイトル未定)

富山県の海辺で撮影された写真は、長谷川氏との対話を通して、白黒だった写真に異なる色のレイヤーを重ねることで、新たな表情を見せる作品へと生まれ変わりました。1つの写真が持つ多様性と、写真表現の可能性を感じさせてくれます。

アメリカ・オレゴン州でのスナップショットをもとに制作された木版画作品は、高木氏の表現技法の幅広さを示しています。写真から版画へ、表現手法が変化することで、作品に新たな魅力が生まれています。

4. スナップショットをもとにした木版画

富山県の海辺で撮影した写真に異なるレイヤーを重ねたタイトル未定の新作とオレゴン州でのスナップショットをもとにした木版画富山県の海辺で撮影したタイトル未定の新作(展示左2点)とオレゴン州でのスナップショットをもとにした木版画(展示右)©Keizo Kioku

高木こずえ氏と長谷川祐子氏からのメッセージ

本展では、高木こずえ氏と長谷川祐子氏からのメッセージを公開。高木氏の「写真は変化だと思うのです」という言葉は、写真に対する新しい視点を与えてくれます。長谷川氏の「それぞれの瞬間が放つ光の輝きをとらえる」という言葉は、高木氏の作品の魅力を的確に表現しています。

「写真は変化だと思うのです」- 高木こずえ氏

高木氏は自身の作品について、「写真は変化だと思うのです。ある光景が、ネガになったり、プリントになったり、データになったり、版木になったり、版画になったり、絵になったりする。それが私が写真だと思っていることです。」と語ります。写真という表現は、常に変化し、新たな形へと生まれ変わっていくものだと捉え、その変化を楽しむことを私たちに教えてくれます。

高木こずえ氏(たかぎこずえ)氏©Keigo Sato

「それぞれの瞬間が放つ光の輝きをとらえる」- 長谷川祐子氏

キュレーターの長谷川祐子氏は、高木氏の作品について、「一つ一つの写真の光景は異なった時間に存在する。例えば6歳時と自分の「現在の時間」との距離をはかりながら、それぞれの瞬間が放つ光の輝きをとらえる。その視点は彼女の写真に、透明でありながら生命力に富んだ活気を与えています。」とコメントしています。高木氏の作品が持つ、時間や場所を超越した力強さ、そして生命力を感じさせる魅力を、長谷川氏は的確に表現しています。

⻑⾕川祐⼦(はせがわゆうこ)⽒©Gen de Art

一般公開

JINS東京本社の3階ギャラリーは、通常は従業員や関係者のみが立ち入ることができません。しかし、2024年10月18日(金)には、特別に一般公開され、誰でも高木こずえ氏の作品を鑑賞することができます。この機会に、写真や現代アートに興味がある方はぜひ足を運んでみてください。

入館方法

10月4日(金)9:00~10月18日(金)13:30の期間に「ONCA COFFEE神田店」にて商品をお買い上げいただいた方に、特別鑑賞チケットをお配りします。当日は1階にてチケットと引き換えに、ご入場いただけます。

さいごに

JINS東京本社ギャラリーで開催されている高木こずえ氏個展「プラネタリウム」は、写真という表現手法の枠を超え、多様な表現技法を駆使することで、新たな世界観を提示する、まさに「写真の新しい解釈」を体感できる展覧会です。写真ファンだけでなく、現代アートに興味がある方にもおすすめです。ぜひ足を運んで、高木こずえ氏の独創的な作品を鑑賞してみてください。

関連情報

■JINSギャラリー
3階商談室フロアを活用し「美術館×オフィス」のコンセプトを元に、創造性が充填される場所として長谷川祐子氏が監修したギャラリースペース。

引用元:JINS PARK

■ONCA COFFEE神田店
JINS東京本社の1階に併設するコーヒースタンド。営業は平日の9:00~17:00。

引用元:ONCA COFFEE神田店

■高木こずえ氏ウェブサイト

引用元:高木こずえ氏ウェブサイト

【写真7枚】【10月18日(金)まで】美術館×オフィス!? 写真の新しい解釈を提示する「プラネタリウム」 JINS東京本社ギャラリー を詳しく見る
イロハニアート編集部

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アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。

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