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EVENT

2025.7.16

『新宿歌舞伎町春画展 ― 文化でつむぐ「わ」のひととき。』約100点の春画が能舞台で一挙公開

性愛をユーモラスに描き、江戸時代に大流行した『春画』。男も女も、庶民も大名も、あらゆる人々が夢中になり、性別や身分を超えて愛されました。

今もおもしろさを失わない春画は、江戸時代の風俗や文化を伝える資料としても重宝されています。そんな春画に光を当てる展覧会『新宿歌舞伎町春画展 ― 文化でつむぐ「わ」のひととき。』が、新宿の歌舞伎町にて開幕。7月26日(土)〜9月30日(火)まで開催されます。

本展は、菱川師宣、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国芳など、江戸時代初期から幕末に制作された約100点もの春画を展示。会場となる新宿歌舞伎町能舞台の雰囲気もあいまって、異色の展覧会となりそうです。

※18歳未満は入場不可

歌川国芳『華古与見』/色摺半紙本/天保6年(1835)/浦上蒼穹堂蔵歌川国芳『華古与見』/色摺半紙本/天保6年(1835)/浦上蒼穹堂蔵

見どころ①葛飾北斎をはじめ約100点の春画が一挙公開

葛飾北斎『万福和合神』/色摺半紙本/文政4年(1821)/浦上蒼穹堂蔵葛飾北斎『万福和合神』/色摺半紙本/文政4年(1821)/浦上蒼穹堂蔵

本展の大きな見どころが、約100点に及ぶ春画の展示です。浦上蒼穹堂代表・浦上満氏の春画コレクションの中から、江戸時代初期〜幕末に制作された菱川師宣、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国芳などの作品が大公開されます。

勝川春扇『 姫男安曽美』より部分/色摺半紙本 /文化年間(1804~1818)/浦上蒼穹堂蔵勝川春扇『 姫男安曽美』より部分/色摺半紙本 /文化年間(1804~1818)/浦上蒼穹堂蔵

「北斎漫画」の世界一のコレクターとして知られる浦上氏は、春画のコレクターとしても名高く、その魅力を世界に発信しています。

2013年ロンドン・大英博物館で開催された『春画 日本美術の性とたのしみ』では出品者・スポンサーとして携わり、2015年に東京・永青文庫で開催された日本初の『春画展』ではその実現に尽力。3ヶ月間で約21万人を動員し、大いに注目を浴びました。

絵師不詳『長煙管を持つ遊女と客』/豆判錦絵/江戸時代後期から末期/浦上蒼穹堂蔵絵師不詳『長煙管を持つ遊女と客』/豆判錦絵/江戸時代後期から末期/浦上蒼穹堂蔵

それから10年の月日が経ち、満を持して『新宿歌舞伎町春画展 ― 文化でつむぐ「わ」のひととき。』が開幕。エロティシズムだけではなく、構図の妙や色彩の美しさも含めた春画の真髄に触れられる展覧会になりそうです。

見どころ②春画のユーモアに刺激される知的好奇心

二代 歌川国盛 『春色入船日記』/色摺半紙本/嘉永年間(1848~1855)/浦上蒼穹堂蔵二代 歌川国盛 『春色入船日記』/色摺半紙本/嘉永年間(1848~1855)/浦上蒼穹堂蔵

性愛の直接的な描写もある春画。その鑑賞には、照れを感じる人も多いのではないでしょうか。

しかし、江戸時代の人々にとって、春画は娯楽のひとつ。ひっそりと楽しむだけでなく、仲間と一緒に見て笑い合ったり、読み解いたりする遊びとしても親しまれました。子孫繁栄を願う縁起物として、嫁入り道具のひとつとされたことも。

葛飾北斎『万福和合神』/色摺半紙本/文政4年(1821)/浦上蒼穹堂蔵葛飾北斎『万福和合神』/色摺半紙本/文政4年(1821)/浦上蒼穹堂蔵

浮世絵師たちにとっても、春画は大切な表現の場でした。江戸幕府から禁制品とされ、アンダーグラウンドでの流通となったことで、創作の可能性はかえって拡大。浮世絵師たちは春画に自身の技術とユーモアを注ぎ込みます。

漢詩や和歌、古典文学を題材にした作品も多く、「やつし」や「見立て」を読み解く楽しみも。春画は見る人の知的好奇心を掻き立てるものでした。

絵師不詳『開談花の雲』/色摺小本 扉絵/江戸時代後期から末期/浦上蒼穹堂蔵絵師不詳『開談花の雲』/色摺小本 扉絵/江戸時代後期から末期/浦上蒼穹堂蔵

単なる性描写に留まらないエンターテイメントが、春画です。本展では江戸時代にタイムスリップした気分で、春画の謎解き要素を楽しんでみてはいかがでしょうか。

見どころ③会場は『新宿歌舞伎町能舞台』

新宿歌舞伎町能舞台新宿歌舞伎町能舞台

本展の会場は、Smappa!Groupが運営する「新宿歌舞伎町能舞台」。林靖高氏(Chim↑Pom from Smappa!Group)がアートディレクターを務め、本舞台や橋掛り、客席にいたるまで、新宿歌舞伎町能舞台を全面的に活用した展示空間を創り出すとのことです。

世界随一の歓楽街として知られる新宿歌舞伎町は、多様な人々の人生が交差する街。生々しい欲望と幻想が渦巻くこの場所は、春画の世界と重なる部分があるように思います。

葛飾北斎『万福和合神』/色摺半紙本/文政4年(1821)/浦上蒼穹堂蔵葛飾北斎『万福和合神』/色摺半紙本/文政4年(1821)/浦上蒼穹堂蔵

歌舞伎町・能舞台・春画と、日本の風俗と文化が交錯するのも本展の大きな見どころ。ここでしか味わえない体験を求めて、ネオンきらめく歌舞伎町へ出かけてみてはいかがでしょうか。

展覧会情報

新宿歌舞伎町春画展 ― 文化でつむぐ「わ」のひととき。新宿歌舞伎町春画展 ― 文化でつむぐ「わ」のひととき。

新宿歌舞伎町春画展 ― 文化でつむぐ「わ」のひととき。

会期:2025年7月26日(土)~9月30日(火)
休館:月曜日 ※ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休み
月曜開館日:8月11日、9月15日、火曜休館日:8月12日、9月16日

時間:11時~21時/土日祝:10時~21時 ※入場は閉館時間の30分前まで

会場:新宿歌舞伎町能舞台
第2会場+グッズショップ:歌舞伎ソシアルビル9階(新宿歌舞伎町能舞台から徒歩数分)

※18歳未満入場不可(チケット購入時に年齢確認が必要)

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明菜

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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。

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