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2026.8.27

【取材レポート・日本科学未来館】氷、ペンギン、隕石、そして昭和基地の暮らし。この夏、最後の思い出に特別展「大南極展」へ行こう!

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日本科学未来館で開催中の特別展「大南極展」に、もう足を運ばれましたか?日本の南極観測70周年を記念して開かれている同展では、南極で発見された隕石や生き物の標本といった貴重な資料を展示。

特別展「大南極展」会場風景より、「南極上陸エリア」


さらに南極の氷をじかに触れたり、極地特有の気象現象であるブリザードの体験エリアなど、南極を「体験しながら理解できる」展覧会として、大きな注目を集めています。


本物の氷、観測船、そして隊員たちの私物—「南極上陸エリア」を歩く


「南極上陸エリア」に展示された、南極の「本物の氷」


入口で「ミッションシート」を受け取り、「隊長スポット」を巡りながら南極観測について学び、ミッションをクリアすると「特別南極観測隊員」に認定されるという参加型の仕掛けも楽しい特別展「大南極展」。最初の「南極上陸エリア」に足を踏み入れると、目の前に置かれているのは南極で採取された本物の「南極の氷」でした。


南極を覆う氷は、もともと降り積もった雪が、数万年という長い年月をかけて押し固められてできたもの。そっと耳を近づけてみると、パチパチ、プチプチと小さな音が聞こえてきます。これは氷が溶ける際に、太古の空気が閉じ込められた気泡から外へ飛び出しているから。何万年も前の空気に、いま自分の耳で触れているのだと思うと不思議な感覚に包まれます。


「南極上陸エリア」会場風景


冷たい氷にそっと手で触れて南極を感じ取ったら、次の展示室へ足を進めましょう。手前には「宗谷」や「ふじ」、そして現在活躍する新「しらせ」まで、歴代の日本の南極観測船の模型がずらりと並び、その先には南極地域観測隊の隊員が使用する装備品が展示されています。


「南極上陸エリア」会場風景より、下に見えるのが観測隊の隊員の私物の段ボール箱


ここで注目したいのが、各隊員の私物が詰まった段ボール箱です。衣服や本、歯ブラシなど、観測に直接使う道具というよりも、1年以上に及ぶ越冬生活を支える日用品や娯楽品が詰め込まれていて、隊員たちのリアルな日常が垣間見えます。


ペンギンの目線、岩石の重み。南極研究をまるごと体感


「大気観測エリア」会場風景


一際広い「観測エリア」では、オーロラ、アイスコア、生き物、地質調査など、いくつものテーマに沿って南極観測の世界をぐっと深掘り。どの展示も南極地域観測隊による最新の研究と知見に基づいて、資料・解説ともに見応え十分です。気づけば時間を忘れて見入ってしまいます。


「生き物エリア」会場風景


「生き物エリア」では、南極の厳しい環境で暮らすペンギンやアザラシの生態を、剥製展示を通してじっくり観察できます。下から潜り込んで顔出しドームからひょっこり顔をあげれば、アデリーペンギンなどの剥製が目と鼻の先に。まるで氷の上から顔を出したような気分で、生き物たちと同じ目線を共有できます。


「地質調査エリア」に展示された、地質調査で使う道具


「地質調査エリア」では、隊員の方々が実際の地質調査で使う7つの道具を公開。南極での地質調査では、岩石をスケッチし、写真を撮り終えたら、持ち帰る分をハンマーで割って運びますが、その量は多いときで40キロ以上にもなるのだとか。10キロの岩石を実際に持ち上げてみる体験コーナーもあり、両腕にずっしりとくる重みを通して、隊員たちの過酷な作業の一端を身体で感じ取れます。


南極が「隕石採集の聖地」と呼ばれる理由


「隕石探査エリア」会場風景


南極が「隕石採集の聖地」と呼ばれていることをご存じでしょうか?大きな理由として、白い氷の上に黒い隕石がくっきりと浮かび上がるため発見しやすく、また氷河の流れに乗って長い年月をかけて一か所に集まってくることがあげられます。その結果、国際隕石学会に登録されている隕石のうち、実に約60%が南極で採取されているのです。

日本の観測隊もまた、1969年以降、これまでに約17,400個もの隕石を採取してきました。会場では、その中から厳選された30点以上もの実物サンプルがずらりと展示されています。大阪・関西万博で話題を呼んだ「さわれる火星隕石(スライス)」の実物も展示されているので、ぜひ間近でじっくり観察してください。


ブリザード体験や地質調査エリアの先にある、昭和基地のリアルな暮らし


ブリザードエリア


南極の強風と視界不良を再現したブリザードエリアで、身をもって過酷な自然環境を体感したら、いよいよラストの「昭和基地エリア」へ。ここでは基地の設備や食事、そして隊員たちの日々の暮らしぶりが、写真や再現展示とともに分かりやすく紹介されています。


「昭和基地エリア」会場風景より、「南極飯」のコーナー


思わず足を止めてしまうのが、食事、つまり「南極飯」のコーナーです。南極における観測隊員の最大の楽しみとされる一方、健康面や精神衛生面を支える重要な要素。毎年2名選ばれる調理隊員が、限られた食材の中で腕によりをかけているといいます。

昭和基地の食料は年に一度、「しらせ」によってまとめて運び込まれ、その量は越冬隊員一人につき約1.4トン、30人規模の隊であれば実に40トン以上にも及ぶとか。さらに、毎週同じ曜日に同じメニューを出すことで曜日の感覚を取り戻すという工夫がされているというエピソードも、思わず「なるほど」とうなずいてしまいます。


南極を知ることは、地球の未来を知ること


「昭和基地エリア」会場風景


南極は、氷や大気、海、生き物たちの変化をありのままに観測できる、いわば地球のバロメーターのような場所。だからこそ、気候変動をはじめとする地球規模のさまざまな課題を理解し、未来を予測するための重要な研究地となっています。南極を知ることは、地球の過去と現在、そして未来までも知ることにつながっているのです。

特別展「大南極展」は、日本科学未来館にて9月27日(日)まで開催中。まだ間に合います。氷にそっと触れ、隊員たちの暮らしに思いを巡らせ、地球の未来を考える。そんな特別な体験を、この夏休み最後の思い出づくりに、ぜひ味わってみてください。


展覧会情報


◆特別展「大南極展」 日本科学未来館 1F 企画展示ゾーン

開催期間:2026年7月1日(水)~9月27日(日)
所在地:東京都江東区青海2-3-6
開館時間:10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:9月1日(火)、9月8日(火)、9月15日(火)
入館料:大人[19歳以上] 2,000円、18歳以下[小学生以上] 1,300円、未就学児[3歳以上] 900円。※2歳以下は無料。

特設サイト:特別展「大南極展」 日本科学未来館


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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

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