EVENT
2022.10.18
4期に分かれた展示をさくっと紹介!「国宝 東京国立博物館のすべて」東博の国宝が集結!
2022年の秋の展覧会の本命の一つとされる展覧会。東京国立博物館が所蔵する全89件、すべての国宝が展示されます。これは、東博がはじまって以来、150年目で初めてのこと。次回は50年後とも言われています。
今回の展示には、国宝だけでなく、お馴染みの重要文化財なども含まれます。展覧会は概ね4期に分かれますが、時期によって展示品も違ってきますので、期ごとの主な展示品、27件をさくっと紹介していきます。チケットを取る時の参考になればと思います。
全出品リスト(国宝以外も含む)※PDF
http://tohaku150th.jp/pdf/list_jp_1007.pdf
国宝89件リスト ※PDF
http://tohaku150th.jp/pdf/list.pdf
目次
10月18日〜30日にだけ見られる作品
予約開始日時:10月4日午前10時から
【国宝】松林図屛風/長谷川等伯
安土桃山時代の絵師、長谷川等伯の代表作。勢いのある筆の動きと墨の濃淡だけで、靄のなかに浮かび上がる松林を表現。息子の久蔵が亡くなった悲しみを、依頼でなく自分自身のために描いたとも言われます。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)「国立文化財機構所蔵品統合検索システム」(https://colbase.nich.go.jp/)を加工して作成
【国宝】平治物語絵巻 六波羅行幸巻
平治の乱を題材とする軍記物語『平治物語』を描いた絵巻。かつて、十数巻あったとされる絵巻で現存するのは、ボストン美術館、静嘉堂文庫、そして東京国立博物館と諸所。期間限定ながら、場面入れ替えなしで、全長9m50cmの全場面が展示されます。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
10月18日〜11月13日にだけ見られる作品
予約開始日時:10月4日午前10時から、10月18日午前10時から
【国宝】孔雀明王像
正面向きで孔雀の背に乗る仏様。明王は怒ることで人々を導くとされる仏様ですが、この孔雀明王はいつくしみ、あわれむ慈悲の表情を浮かべています。現存する孔雀明王像の中でも最高傑作とも言われます。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
【国宝】鷹見泉石像/渡辺崋山
渡辺崋山は、江戸時代後期の武士であり画家。蘭学の先輩でもある鷹見泉石を描いた崋山45歳の作。微妙な陰影法による写実的な顔の描写とおおらかな着衣の表現とが渾然ととけ合った傑作です。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
【国宝】秋冬山水図/雪舟等楊
室町時代の禅僧画家、雪舟によって描かれた山水画の傑作。日本と明で様々な絵画様式を学び、その結果、独自の構築性と力強い筆致を持った画風を確立させ、以後の山水画に大きな影響を与えました。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)「国立文化財機構所蔵品統合検索システム」(https://colbase.nich.go.jp/)を加工して作成
【国宝】円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書/小野道風
醍醐天皇の命を伝えるこの勅書は、藤原博文が文を起こし、小野道風が清書したとされます。日本的な和風の書を生み出した三跡(三蹟)の一人、小野道風の数少ない真筆の一つ。
【国宝】紅白芙蓉図/李迪
芙蓉は、華やかに栄えるという、めでたい意味を持つ花として古くから愛されてきました。日本には室町時代15世紀には伝来しており、現在まで大切に伝えられてきた、中国宮廷花鳥画の名品です。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)「国立文化財機構所蔵品統合検索システム」(https://colbase.nich.go.jp/)を加工して作成
【国宝】舟橋蒔絵硯箱/本阿弥光悦
本阿弥光悦は、江戸時代初期の書家、陶芸家、蒔絵師、芸術家、茶人。蓋を山形に高く盛り上げた、光悦独特の形の硯箱。豪華でありながら簡潔な印象を与える、光悦の蒔絵の中でも最も洗練された作行の名品です。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
【国宝】納涼図屛風/久隅守景
久隅守景は江戸時代初期の画家で、狩野探幽の高弟で探幽の四天王の一人。この時代に家族の情景を描いた珍しい画題、父のそばに坐る子の表情は穏やかで、その子を思う親の心が強く感じられます。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
【重要文化財】風神雷神図屛風/尾形光琳
右側に風神、左側に雷神が描かれた2曲1双。俵屋宗達が描いた「風神雷神図屏風」(建仁寺蔵)を、尾形光琳が忠実に模写。宗達版と比べると、風神と雷神を一体として捉え、調和性を重視して描いているのが特徴です。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)「国立文化財機構所蔵品統合検索システム」(https://colbase.nich.go.jp/)を加工して作成
【重要文化財】三代目大谷鬼次の江戸兵衛/東洲斎写楽
東洲斎写楽は、江戸時代中期の浮世絵師。短い活動期間ののち、忽然と姿を消した謎の絵師。舞台「恋女房染分手綱」に取材して制作した本作は、蔵が演じる奴一平の用金を奪おうと襲いかかる江戸兵衛を描いたもの。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
見返り美人図/菱川師宣
江戸時代の画家、菱川師宣が描いた肉筆の浮世絵。緋色の衣裳をまとった美人がふと見返る一瞬を描いています。縫箔師であった師宣の描く艶やかな衣装の女性像は「師宣の美女こそ江戸女」と賞賛され人気を博しました。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏/葛飾北斎
葛飾北斎は、江戸時代後期の浮世絵師。日本の絵画の中でも、最も世界的に知られた一枚ではないでしょうか。大きく動きのある波と遠く安定した三角形の富士山の対比が、遠近感を生み出しています。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
11月1日〜13日にだけ見られる作品
予約開始日時:10月18日午前10時から
【国宝】一遍聖絵 巻第七/法眼円伊
時宗の開祖一遍の伝記を描いた最古の絵巻。この絵巻は一遍の弟とも甥とも言われる聖戒という人物が、一遍の没後十年目に物語の部分をまとめ、円伊という名の絵師に絵を描かせたことが知られます。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
11月1日〜27日にだけ見られる作品
予約開始日時:10月18日午前10時から、11月1日午前10時から
【国宝】檜図屛風/狩野永徳
天正18年に落成した八条宮邸を飾った襖絵であったとされ、永徳の最晩年作と考えられています。豪壮な武家文化が花開いた安土桃山時代を代表する、華やかで力強い作品です。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
11月15日〜12月11日にだけ見られる作品
予約開始日時:11月1日午前10時から、11月15日午前10時から
雪舟は室町時代の水墨画を代表する画家の一人。本作は、輪郭線を用いず墨をはね散らし、墨の濃淡を面的に用いているにもかかわらず、確かな骨組みであり、雪舟固有の安定感と構築性を示します。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
【国宝】洛中洛外図屛風(舟木本)/岩佐又兵衛
京都の市中と郊外。京都の中心部だけを南から見て描いた作品。滋賀の舟木家に伝来し、舟木本の名で親しまれています。作者の岩佐又兵衛は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて京都、福井、江戸で活躍した画家。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)「国立文化財機構所蔵品統合検索システム」(https://colbase.nich.go.jp/)を加工して作成
【国宝】楼閣山水図屛風/池大雅
南宗画が日本で発展したものを「南画」とよびますが、池大雅はその代表的な画家。中国には行ったことのない大雅でしたが、憧れの世界を、想像力で描ききったのがこの作品。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
【国宝】八橋蒔絵螺鈿硯/尾形光琳
江戸時代中期の画家、工芸意匠家、尾形光琳の硯箱。光琳には、八橋の情景を描いた屏風の名品も知られ、古典文学にちなんだモチーフを、洗練された感覚でとらえなおす点が特徴です。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
【重要文化財】夏秋草図屛風/酒井抱一
江戸時代後期、琳派を代表する絵師の一人、酒井抱一。抱一が尾形光琳版「風神雷神図屏風」の裏に描き加えたもの。金と銀、天上の世界と地上の世界といった対比から、光琳の作品に応えようとしたことがうかがえます。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)「国立文化財機構所蔵品統合検索システム」(https://colbase.nich.go.jp/)を加工して作成
婦女人相十品 ポッピンを吹く娘/喜多川歌麿
美人画を得意とした江戸時代後期の浮世絵師・喜多川歌麿による版画作品。赤い着物を身にまとった女性が、ポッピンを吹く様子が描かれている。歌麿による版画シリーズ『婦女人相十品』のうちのひとつ。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
会期中いつでも見られる作品
予約開始日時:10月4日午前10時から、10月18日午前10時から、11月1日午前10時から、11月15日午前10時から
【国宝】埴輪 挂甲の武人
埴輪 挂甲の武人、東京国立博物館の誇る国宝の埴輪です。古墳時代の中でも身分の高い権力者がモデルで、国宝では唯一の人物埴輪です。6世紀の東国の武人のいでたちを知ることができる貴重な資料でもあります。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
【国宝】太刀 銘 安綱(名物 童子切安綱)
伯耆安綱は平安時代を代表する刀工。その名は、凶賊退治の名刀が酒呑童子伝説などと結びついたと考えられ、天下五剣の一つとして足利将軍家、徳川将軍家から越前松平家、津山松平家に伝来しました。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
【国宝】太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)
作者の宗近は、平安時代の後半に京都の三条というところに住んでいたとされる刀工で、現存する作品はごくわずか。豊臣秀吉の妻、通称・北政所の遺品として江戸2代将軍の徳川秀忠へ伝わり、長く徳川将軍家に伝来しました。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
【重要文化財】一休和尚像/没倫紹等賛
体を斜めに向け、視線をこちらに送る人物は、室町時代の禅僧、一休宗純。肖像画の上に書かれた文は、「自分以外に禅を語れるものはいない」と宣言。肖像画のふてぶてしい表情は、その宣言を反映しているかのようです。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
遮光器土偶
教科書でもおなじみの遮光器土偶。独特な目の表現がスノーゴーグルに似ていたことから遮光器土偶と名付けられましたが、現在では、目を誇張した表現だと考えられています。
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
金剛力士立像
数少ない平安時代末期の金剛力士像で、約2.8メートルの像高は、東博が所蔵する仏像のなかでも最大級。「仁王像」が最新の所蔵品として初めて展示される展覧会となります。
さいごに
最後まで読んでいただきありがとうございました。今回ご紹介した中で、久隅守景の納涼図屛風という絵があります。守景は狩野派四天王に数えられながら、このような脱力系の絵を描くに至った理由として、家族内のごたごたがあった中での家族の理想像を描いたという資料を見つけました。このように絵一枚一枚には、それぞれに物語があり、それを知って絵を見るとまた違ったとらえ方ができると思いました。この記事がそのきっかけになればと思います。
展覧会情報
東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
会場:東京国立博物館 平成館(上野公園)
会期:2022年10月18日(火)~12月11日(日)
所在地:東京都台東区上野公園13-9
アクセス:
JR上野駅「公園口」・鶯谷駅「南口」より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅 より徒歩15分
東京メトロ千代田線 根津駅 より徒歩15分
京成電鉄京成上野駅 より徒歩15分
開館時間:
火〜木曜・日曜日:9:30~17:00
金曜・土曜日:9:30~20:00
休館日:月曜日
料金:
一般:2,000円
大学生:1,200円
高校生:900円
中学生以下は無料
※本展は事前予約制(日時指定)です。
公式サイト:http://tohaku150th.jp/
画像出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)
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東京美術館巡りというSNSアカウントの中の人をやっております。サラリーマンのかたわら、お休みの日には、美術館巡りにいそしんでおります。もともとミーハーなので、国内外の古典的なオールドマスターが好きでしたが、去年あたりから現代アートもたしなむようになり、今が割と雑食色が強いです。
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