Facebook Twitter Instagram

NEWS

2024.3.6

【3月のおすすめ展覧会5選】福田平八郎からカール・アンドレ、そして北欧の絵画まで。

3月は多くの展覧会がスタートする時期です。京都で活躍した日本画家の福田平八郎や、アメリカのミニマル・アートを代表する彫刻家、カール・アンドレの回顧展、それにノルウェー、スウェーデン、フィンランドといった北欧の絵画を紹介する展覧会など、おすすめの5展をご紹介します。

①「ほとけの国」で生まれた作品を一挙公開!今年も見逃せない『春の江戸絵画まつり』。

「春の〇〇祭り」と聞いて何を思い浮かべますか?もちろん美術ファンにとって馴染み深いのは、府中市美術館の恒例の『春の江戸絵画まつり』!今年のキーワードは「仏教」です。


江戸時代の当時の画家や絵を見る人たちの多くは、仏教と密接な暮らしをしていました。ゆえに伊藤若冲が描いたユニークな白象の絵も、円山応挙や長沢蘆雪の無邪気でかわいい子犬も、仏教がなければ生まれなかった美術といえます。


府中市美術館の『春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術』では、昨年修理を終えたばかりの室町時代の仏画の大作、京都市・二尊院の『二十五菩薩来迎図(らいごうず)』全17幅をはじめ、江戸時代の伊藤若冲の『石峰寺図』や曽我蕭白の『雪山童子図』、また鈴木其一の『荼枳尼天像』など、「ほとけの国」から着想を得て生まれた作品を展示します。


さらに子犬の絵の名手として円山応挙と並ぶ人気を得た長沢蘆雪による、ゆるくて、少しセクシーで、ひたすらやんちゃな蘆雪犬の魅力が詰まった「蘆雪の子犬いっぱい屏風」が初めて公開されます。

『春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術』 府中市美術館
開催期間:2024年3月9日(土)~5月6日(月・休)
所在地:東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内
アクセス:京王線東府中駅北口より徒歩17分。京王線東府中駅北口よりバス「ちゅうバス府中駅」行きにて「府中市美術館」下車すぐ
開館時間:10:00~17:00
 ※入館は16:30まで
休館日:月曜日(4月29日、5月6日は開館)
観覧料:一般700円、大学・高校生350円、小・中学生150円
公式サイト:『春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術』

② 関西では17年ぶり!日本画家、福田平八郎の回顧展が大阪中之島美術館にて開催。

大分市に生まれ、大正から昭和にかけて京都で活躍した日本画家、福田平八郎(1892〜1974年)は、近代日本画の新境地を拓いたとされる『漣』をはじめ、色や形、視点や構成に工夫を凝らした数々の作品を発表すると、独自の芸術を確立しました。


また色鮮やかな菖蒲を描いた『花菖蒲』や、ポツポツと瓦に落ちては消える雨の様子を表した『雨』など、モダンで、カラフルで、研ぎ澄まされていながら、チャーミングで親しみやすい平八郎の作品は、現代の人々にも深く愛されてきました。


大阪中之島美術館での『没後50年 福田平八郎』では、『漣』(大阪中之島美術館蔵) や『竹』(京都国立近代美術館蔵) 、『雨』(東京国立近代美術館蔵) などの代表作をはじめ、初期から晩年までの作品約120件以上を展示し、平八郎の画業を幅広く紹介します。


さらに「写生狂」を自称した画家の瑞々しい感動やユニークな目線を伝える写生帖や素描も多く展示されるほか、福田平八郎の関係者宅に長年保管されていた作品で、これまで存在を知られていなかった新発見作品『水』が初めて一般に公開されます。

『没後50年 福田平八郎』 大阪中之島美術館
開催期間:2024年3月9日(土)~5月6日(月・休)
 ※会期中展示替えあり
所在地:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
アクセス:京阪中之島線 渡辺橋駅(2番出口)より南西へ徒歩約5分。Osaka Metro四つ橋線 肥後橋駅(4番出口)より西へ徒歩約10分。
開場時間:10:00~18:00 ※入場は17:30まで
休館日:月曜日(4/1、4/15、4/22、4/29、5/6は開館)
観覧料:一般1800円、高大生1000円、中学生以下無料。
公式サイト:『没後50年 福田平八郎』 

③ 彫刻と詩という離れた表現で展開する、カール・アンドレの作品世界とは?

アメリカ・マサチューセッツ州に生まれ、詩を共通の趣味とする両親のもとに育ったカール・アンドレ(1935〜2024年)。1957年にニューヨークに居を移すと、翌年よりコンスタンティン・ブランクーシに影響を受けた、鑿で木に切れ込みを入れる彫刻を制作します。


その後は同一の形と大きさに加工した木、金属、石を床に直接置き、規則的に広がる彫刻作品などを手がけ、1960年代後半のアメリカを中心に興隆したミニマル・アートを代表する彫刻家として評価されてゆきました。


DIC川村記念美術館で開かれる『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』では、「スクエア」や「カーディナル」をはじめとする代表的な床置きの大型彫刻13点に加え、日本では紹介されることが稀な小さな彫刻を8点、また約70ページの詩という構成で、アンドレの制作を多角的に紹介します。


展示では約400㎡の企画展示室を仮設壁で区切らず開放的に使用。順路はなく、上を歩くことができる作品も含まるなど、アンドレ彫刻があることで、日常とは異なる重力を備えるような空間を全身で体感できる機会が実現します。

『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』 DIC川村記念美術館
開催期間:2024年3月9日(土)~6月30日(日)
所在地:千葉県佐倉市坂戸631
アクセス:京成佐倉駅南口「シロタカメラ」前より無料送迎バス (約30分)。JR佐倉駅南口「DIC川村記念美術館バス停」より無料送迎バス(約20分)。
開場時間:9:30~17:00(最終入場時間 16:30)
休館日:月曜日(ただし4月29日、5月6日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)。
観覧料:一般1800円、学生・65歳以上1600円、高校生以下無料。
公式サイト:『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』 

④ 兵庫県立美術館の『スーラージュと森田子龍』で見たい「白黒の仲間」の競演。

「前衛書」の旗手として世界的に知られた書家、森田子龍(もりた・しりゅう、1912〜1998年)。1950年から60年代にかけて海外で開催された展覧会に次々と出品されると、世界から大きな注目を集めました。

また森田は雑誌編集者としても精力的に活動し、師の上田桑鳩のもとで1939年頃から『書道芸術』、戦後の1948年からは『書の美』の編集に携わります。そして1951年『墨美』を創刊、1981年に終刊するまで「書芸術雑誌」として幅広い内容を取り上げました。


その『墨美』を通じて森田と深く交流したのが、戦後の抽象絵画を代表する画家のひとりであるフランスのピエール・スーラージュ(1919〜2022年)です。兵庫県立美術館の『スーラージュと森田子龍』では、「黒の画家」ピエール・スーラージュと、1952年に4名の同志とともに「墨人会」を結成し、新しい書のあり方を追い求めた森田子龍の作品を紹介します。


『墨美』を通じて交流が始まった「白黒の仲間」の競演を見ることができるのは、兵庫県立美術館だけ。戦後まもない時期、海外の抽象画と日本の前衛書が、国境やジャンルをこえて、同時代性を示していたことが明らかにされます。

『スーラージュと森田子龍』 兵庫県立美術館
開催期間: 2024年3月16日(土)~5月19日(日)
所在地:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1[HAT神戸内]
アクセス:阪神電車岩屋駅(兵庫県立美術館前)から南へ徒歩約8分。JR神戸線灘駅南口から南へ徒歩約10分。
開館時間:10:00~18:00
 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館、4月30日(火)、5月7日(火)は休館。
観覧料:一般1600円、大学生1000円、高校生以下無料。
公式サイト:『スーラージュと森田子龍』

⑤ 未だかつて見たことのない北欧絵画の新たな魅力が明らかに!【SOMPO美術館】

洗練されたデザインのテキスタイルや陶磁器、機能性に優れた家具の制作地として知られる北欧は、同時に優れた芸術作品を生み出す土壌を持っています。


19世紀のナショナリズムの興隆を背景に、それまでのヨーロッパ大陸諸国の美術に範をとっていた北欧の画家たちは、母国の自然や歴史、文化に高い関心を寄せると、自然の美しい風景、北欧神話や民間伝承の物語などを絵画や書籍の挿絵に描くようになりました。


SOMPO美術館での『北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画』では、北欧5カ国のうちノルウェー、スウェーデン、フィンランドに焦点を定めて、各国で活躍した19世紀から20世紀初頭の画家たちの作品を展示。それぞれの国立美術館から約70点の作品が集結し、日本で初めて北欧の絵画を本格的に紹介します。


ノルウェーからはムンクに加えて、森にすむ動物や怪物の登場するおとぎ話の世界を描いたテオドール・キッテルセン、 そしてスウェーデンからは劇作家・小説家アウグスト・ストリンドバリによる絵画なども出品され、未だかつて見たことのない北欧絵画の新たな魅力が明らかにされます。

『北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画』 SOMPO美術館
開催期間:2024年3月23日(土)~6月9日(日)
所在地:東京都新宿区西新宿1-26-1
アクセス:JR線新宿駅西口から徒歩5分、東京メトロ丸ノ内線新宿駅から徒歩5分
開館時間:10:00~18:00
 ※毎週金曜日は20:00まで
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。ただし4月29日、5月6日は開館。
観覧料:一般1600(1500)円、大学生1100(1000)円、高校生以下無料
 ※当日券料金。()内は事前購入券料金。
公式サイト:『北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画』

【写真5枚】【3月のおすすめ展覧会5選】福田平八郎からカール・アンドレ、そして北欧の絵画まで。 を詳しく見る
はろるど

はろるど

  • twitter
  • homepage

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

はろるどさんの記事一覧はこちら