EVENT
2024.1.12
【京都1/18〜】『進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち』日本画家たちの「進撃」に注目!
京都の福田美術館で『進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち』が開幕します。会期は1月18日(木)〜4月7日(日)です。
見覚えのある漫画作品を思わせる展覧会名に同館の茶目っ気を感じますが、同館によると「進撃」とは「競いながら前進を続ける」という意味とのこと。本展では、京都画壇を代表する画家・竹内栖鳳と弟子たちが、明治・大正・昭和と「進撃」する中で生み出した名品を鑑賞することができます。
彼らの作品は令和の現代人の心にも訴えかけるものがあります。本展の見どころについて紹介していきます。
見どころ①竹内栖鳳の珠玉の絵画
竹内栖鳳(たけうち・せいほう、1864-1942)は、円山四条派の流れを汲みつつ、先人たちの技法に工夫を加えて自身の芸術を完成させた、京都画壇を代表する画家です。ヨーロッパ各地を巡遊し、西洋の光の描き方に感銘を受け、日本画と西洋画を融合した新たな絵画を確立しました。
本展では栖鳳の作品が26点展示されます。それまでの日本美術には珍しい大胆な構図が目を引く《金獅図》などから、日本的な美意識を受け継ぎつつ、西洋の描き方を取り入れて斬新な絵画を打ち立てていったことがわかります。
さまざまな画題に挑んだ栖鳳は、中でも動物画を多く残しています。動物の個性や性格をも自在に表現したような作品は、今も色褪せることなく人々を魅了し続けています。
見どころ②栖鳳の背中を追う弟子たち
「進撃」の流れは栖鳳のみにとどまらず、彼の背中を追う弟子たちによって受け継がれ、日本画は更新されていきました。本展では西山翠嶂の《陽光櫻花》が初出品されるほか、上村松園、西村五雲など弟子たちの優れた作品も展示されます。
一方で、新しい日本画の描き方を模索した彼らの作品は、官展や文展で思うように評価を得られなかった現実もあります。本展には、文展の評価を不服とした小野竹喬、土田麦僊、村上華岳ら新進気鋭の日本画家により結成された国画創作協会の面々の作品も。
文展の審査員でもあった栖鳳は彼らの作風を否定することなく、個性を認めて育んだとのこと。展覧会を通して、若い画家たちの果敢な進撃と、栖鳳の教育者としての一面を知ることができそうです。
見どころ③戦後の進撃と価値観の転換
本展では、小野竹喬、福田平八郎、 池田遙邨など、戦後まで活動した栖鳳の弟子たちの作品も展示されます。戦後の日本画の流れはそれまでと異なり、岩絵具の質感が際立つ厚塗りへと転換していきますが、彼らはその激変を乗り越えて優れた作品を生み出しました。
彼らの作風は、栖鳳の画風をそのまま受け継いだものではありません。師風を受け継ぐことこそが尊いという近世までの価値観を脱し、個性を追求できる時代を生き抜いたのです。
栖鳳と弟子たちの作品を見比べると、必ずしも作風が似ているわけではないことがわかります。その根底には、個性を持って新しい日本画を目指すという進撃の精神が、受け継がれてきた背景があるのかもしれません。
展覧会情報
進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち
会場:福田美術館
会期:2024年1月18日(木)~2024年 4月7日(日)
◎前期:1月18日(木)〜3月4日(月)
◎後期:3月6日(水)〜4月7日(日)
休館日:3月5日(火)展示替え
開館時間:10:00〜17:00(最終入館 16:30)
展覧会ウェブサイト:進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち
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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
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