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2026.3.25
【新宿】SOMPO美術館『ウジェーヌ・ブーダン展 ー 瞬間の美学、光の探求』若き日のモネを導いた「印象派の先駆」とは?
戸外制作を重視し、空や雲、海景など、移ろいゆく自然の瞬間を瑞々しい色彩と軽快な筆致で描き出した画家ウジェーヌ・ブーダン。彼は、若きモネを導いた師でもある。
そんなブーダンに焦点を当てた展覧会『ウジェーヌ・ブーダン展 ー 瞬間の美学、光の探求』が、SOMPO美術館で開催される。会期は、4月11日〜6月21日まで。
ウジェーヌ・ブーダン 《ベルク、出航》 1890年 油彩/カンヴァス 79×110.2cm ランス美術館 (inv.907.19.34) C. DEVLEESCHAUWER©
印象派誕生から150年、そしてブーダン誕生から200年を迎えるこの2026年。ブーダンが美術史上で果たした役割を改めて見直したい。
見どころ①日本では約30年ぶりの回顧展!
ウジェーヌ・ブーダンは、戸外制作の重視や、空や雲、海など自然の中の「瞬間」に目を向ける姿勢から、「印象派の先駆者」の一人としてしばしば名前が挙げられる。
特に、若きモネを風景に開眼させ、導いたエピソードは有名だ。印象派関連の展覧会では、序章として作品が展示されることが多いが、ブーダンが主役となる本格的な展覧会は、日本では約30年ぶりとなる。
油彩画を中心に、素描やパステルも含めた約100点がフランスから来日し、初期から晩年までの画業全体を見渡すことができる。
ウジェーヌ・ブーダン 《ドーヴィル》 1888年 油彩/カンヴァス 50×75.3cm ランス美術館 (inv.907.19.32) C. LE GOFF©
この〈ドーヴィル〉は、ノルマンディーの海水浴場として名高く、ブーダンの終の棲家ともなった場所でもある。観光客が去ったオフシーズンの海辺は静かで、爽やかな空気感が画面全体に満ちている。
見どころ②「空の王」の実力を見よ!
ブーダンは、17世紀オランダ絵画やミレーやコロー、ドービニーらバルビゾン派から多くを学び、自らの作品へと活かしていった。
展覧会では、そんな彼の画業を「海」「空」、「建築」など8つのキーワードのもと、多角的に紹介する。
特に注目したいのが、ブーダンの作品の最重要モチーフである「海」と「空」だ。
ウジェーヌ・ブーダン《干潮》1884年 油彩/カンヴァス 117×161cm サン=ロー美術館 ©Musée d’art et d’histoire de Saint-Lô, Pierre-Yves Le Meur
〈干潮〉は、ブーダン60歳の作品で、国家買い上げとなった作品だ。画面の大部分を占める空の描写は、まさに同時代人から「空の王」と称えられたブーダンらしさが表れている。
見どころ③素描にも注目!
今回、注目したいのは、油彩画だけではない。8つのキーワードの一つにも入っている「素描」だ。
素描は多くの画家にとって、構図の実験やモチーフの持つ雰囲気の再確認など、しばしば作品制作の準備のために利用される。
ブーダンも例外ではない。
「素描をしなさい、素描を。絵画で重要なのはそれだけだ」
という言葉に集約されているように、素描はブーダンにとって、制作のインスピレーションを掻き立てる重要なツールだった。この〈トルーヴィルの海岸の貴婦人(トルーヴィルの海岸のメッテルニヒ夫人)〉でも、素早く簡素な線で、即興的に女性たちや水平線が捉えられ、その場の空気感も伝わってくる。
そして、そんなブーダンの素描に、印象派世代の画家たちも魅了されたと言われている。
小品の中に込められた技をぜひ、この機会に見ておきたい。
ウジェーヌ・ブーダン 《トルーヴィルの海岸の貴婦人(トルーヴィルの海岸のメッテルニヒ夫人 )》 1863年 水彩・鉛筆/紙 17×24.3cm 個人蔵 ノルマンディー
展覧会情報
開館50周年記念「ウジェーヌ・ブーダン展─瞬間の美学 、光の探求」
会 期:2026年4月11日(土)~6月21日(日)
会 場:SOMPO美術館(〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1)
SOMPO美術館アクセス
休館日 :月曜日(ただし5/4は開館)、5/7
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)※最終入館は閉館30分前まで
観覧料(税込)※年齢は入場時点
一般(26歳以上)/事前購入券1,800円、当日券2,000円
25歳以下/事前購入券1,100円、当日券1,200円
高校生以下無料
主 催:SOMPO美術館、朝日新聞社、テレビ朝日
特別協賛:SOMPOホールディングス
特別協力:損保ジャパン
協 力:日本航空
後 援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、新宿区
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
画像ギャラリー
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アート・ライター。大学ではイタリア美術を専攻し、学部3年の時に、交換留学制度を利用し、ヴェネツィア大学へ1年間留学。作品を見る楽しみだけではなく、作者の内面や作品にこめられた物語を紐解き、「生きた物語」として蘇らせる記事を目標として、『Web版美術手帖』など複数のWebメディアに、コラム記事を執筆。
アート・ライター。大学ではイタリア美術を専攻し、学部3年の時に、交換留学制度を利用し、ヴェネツィア大学へ1年間留学。作品を見る楽しみだけではなく、作者の内面や作品にこめられた物語を紐解き、「生きた物語」として蘇らせる記事を目標として、『Web版美術手帖』など複数のWebメディアに、コラム記事を執筆。
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