EVENT
2026.4.29
【京都市京セラ美術館】『浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展』約200点でたどるエンターテイナーの画業
ユニークな作風ゆえに「奇想の絵師」とも呼ばれる歌川国芳。妖怪や猫などを描いた作品はユーモアに満ち、見る人をクスッと笑わせます。
幕末に活躍した浮世絵師・歌川国芳(1797~1861)を特集する大規模な展覧会『浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展』が、京都市京セラ美術館にて開催されます。会期は7月18日(土)~9月23日(水・祝)です。
妖怪や猫の絵はもちろん、武者絵、美人画、風景画など、国芳の活動は多岐に渡りました。本展では約200点の作品を通し、絵で江戸っ子たちを沸かせた国芳のマルチな才能に迫ります。
見どころ①超有名作品を含む約200点の作品を一挙に公開!
「本朝水滸伝豪傑八百人一個 天眼礒兵衛 夜叉嵐」天保2年(1831)頃 個人蔵
江戸日本橋で染物屋を営む家に生まれた国芳は、幼い頃から画才を発揮し15歳で初代歌川豊国に入門しました。
不遇の時代を経て、30代で発表した「水滸伝」シリーズの浮世絵は大ヒットを記録。以降、確かな画力と奇抜なアイデアを活かし、美人画や役者絵、戯画などさまざまな領域で独自の道を切り拓きます。
特に有名なのが、「相馬の古内裏」ではないでしょうか? 山東京伝の読本『善知安方忠義伝』を題材とした作品で、読本では大勢の骸骨が現れて戦いが始まるところ、国芳は巨大な骸骨1体に置き換えて表現。大胆なアレンジによって見映えを増した絵作りは大成功し、国芳の代表作として広く知られることとなりました。
また、人を集めて人の顔を作った「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」や、東海道の宿場の名前を猫で表現した「其まゝ地口猫飼好五十三疋」も、見たことある方が多いのでは。国芳は人を笑わせるコミカルな作品も得意としました。
本展ではこれらの「国芳といえばこの絵!」という超有名作品を含む約200点を展示。国芳ファンも初心者の方も楽しめる、充実した展覧会になりそうです。
見どころ②6つのジャンルでわかる国芳の「オールラウンダー」ぶり
「十賢女扇 祇園梶」弘化元-4年(1844-47)頃 個人蔵
そんな国芳の活動は幅広いジャンルに渡り、武者絵や美人画、戯画、風景画などあらゆる分野で一流の手腕を発揮しました。本展は以下の6幕の構成で画業を捉え直します。
第1幕:KUNIYOSHI’s アクション!
第2幕:KUNIYOSHI’s モンスター!
第3幕:KUNIYOSHI’s ビューティー!
第4幕:KUNIYOSHI’s ハンサム!
第5幕:KUNIYOSHI’s ヴィジョン!
第6幕:KUNIYOSHI’s アイデア!
イマーシブ(没入型)アート映像公開
各幕のタイトルでは、「武者絵」「美人画」といった美術用語は封印。「アクション」や「モンスター」などわかりやすい言葉が並び、字面からも展覧会の楽しそうな雰囲気が感じられます。
「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」弘化元-2年(1844-45)頃 個人蔵
展覧会主催によると、「映画や芝居を見るように、スーパークリエイター・歌川国芳の世界を楽しんでもらおうと、6幕で構成しています」とのこと。当時の江戸っ子たちと同じように、国芳の作品をエンターテインメントとして楽しむ機会となりそうです。
見どころ③イマーシブアート映像で国芳ワールドに没入
さらにイマーシブ(没入型)アート映像も展開し、多才・多彩な国芳ワールドを体感できるとのこと。江戸と現代のエンターテインメントが交差する企画で、続報が待たれます。
「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」嘉永4年(1851) 個人蔵
本展では国芳の作品を紹介するとともに、その人となりも感じ取れる解説もあるそう。国芳自身を知ることで、作品はより味わい深いものとなるのではないでしょうか?
展覧会情報
浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展
会場:京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階
会期:2026年7月18日(土)~9月23日(水・祝)
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日 ※ただし7月20日(月・祝)、9月21日(月・祝)は開館
展覧会サイト:浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展
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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
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