EVENT
2026.10.7
10月10日~上野の森美術館『シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜』の見どころを一足先に紹介!
東京・上野の上野の森美術館で、10月10日から『シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜』がスタートする。
その見どころを紹介しよう。
①市民が作った「美の百科事典」
オハイオ州のシンシナティ美術館は、アメリカで最も長い歴史を持つ美術館の一つだ。
市民たちが「自分たちの街に本物の文化を根付かせたい」という思いから各々資金を持ち寄り、1881年に開館。その後、地域の女性コレクターたちもまた作品を寄贈し続け、コレクションは着々と増えていった。
その結果、現在の美術館の所蔵品数はなんと7万3000点以上にものぼる。その内容も、西洋絵画からアメリカ彫刻、中世の南アジア彫刻や日本の工芸品まで幅広い。
まさに「美の百科事典」という言葉がふさわしい。膨大なコレクションの中から、今回は選りすぐりの84点が来日する。
②19~20世紀のヨーロッパアートを彩る多様な美術様式とアーティストたち
19世紀から20世紀にかけて、数多くの流派がヨーロッパで生まれた。
目に見た現実をありのままに描くクールベらの写実主義から印象派、そこから独自の道を切り開いたファン・ゴッホやゴーギャンらのポスト印象派、さらには20世紀のピカソまで、ヨーロッパの近代美術史を彩る画家たちの作品が出揃う。
まさに「テキストブック」をめくるように、多種多様な近代ヨーロッパのアートシーンを辿ることができる。
中でも特に見ておきたい作品の一つが、今回の展覧会のポスターにもなっているゴッホの《ポプラ林の中の2人》だ。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《ポプラ林の中の二人》 1890年 シンシナティ美術館
これは1890年夏、ゴッホが生前最後に仕上げたとされる作品の一つだ。横長の画面の中には、緑や黄などで表された草花が繁茂し、上部が画面の端で断ち切られた ポプラの木々が柱のように並んでいる。
一体どこまで続いているのだろう。
真ん中に佇む二人の男女は、どこから来て、どこに行こうとしているのか。
そして全体に漂う不穏な気配は何なのだろう?
その答えを、ぜひ作品と実際に向き合って考えてみたい。
③絵画だけじゃない。彫刻も来る!
今回の展覧会には絵画に加え 5点の彫刻作品も 来日する。その一つがドガのブロンズ像《左脚で立つ第4ポジション》だ。
エドガー・ドガ 《左脚で立つ第4ポジション》 1883–1888年頃 シンシナティ美術館
バレエダンサーはドガの代名詞とも言うべきモチーフだ。動きの中の一瞬を表現することこそが彼のライフワークだった。
ドガはさまざまなポーズをとるダンサーたちを単に観察してデッサンしただけではない。時にはワックスや粘土で立体的な小像を作ることで、形態やポーズの研究を深めようとしていた。
この作品を通して、「踊り子の画家」ドガのストイックな探究精神を感じ取ってほしい。
「作品との対話は常に新しい発見を与えてくれる」
シンシナティ美術館の学芸員ピーター・ベル氏はこう語る。
ーーー今回来日した作品たちと向き合うなかで、私たちは新たにどんなものを見出すことができるだろうか。
展覧会情報
展覧会名:シンシナティ美術館展 ~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~
会期:2026年10月10日(土) ~ 2027年1月10日(日)
休館日:会期中無休(12月31日、1月1日も休まず開館します)
開館時間:10:00~17:00
※入館は閉館の30分前まで ※開館日、開館時間等は変更になる場合があります
会場:上野の森美術館(東京・上野公園)
公式サイト:シンシナティ美術館展 ~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~
画像ギャラリー
あわせて読みたい
-

EVENT
2026.09.04
ゴッホもフェルメールもポップに大変身!SNSで話題の画家・タイチ、初の版画展を有明で開催
イロハニアート編集部
-

EVENT
2026.07.23
【上野・シンシナティ美術館展】81点が日本初公開!瀬戸康史の音声ガイドやミッフィー限定グッズ、お得なチケット情報
イロハニアート編集部
-

EVENT
2026.07.17
【取材レポート!】あべのハルカス美術館『ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち』展覧会の主役は誰?ゴッホ展かと思いきや…
明菜
-

EVENT
2026.06.14
【ポーラ美術館】セザンヌ没後120年記念「セザンヌ・レジェンド」展―ゴッホ、ピカソ、マティスも集結。
イロハニアート編集部
-

EVENT
2026.04.19
「”カフェ”に集う芸術家」展タイアップメニューが6月13日より登場!
イロハニアート編集部
-

EVENT
2026.03.22
「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」東京展が上野で開幕!キタニタツヤがイメージソングを担当
イロハニアート編集部
このライターの書いた記事
-

EVENT
2026.10.01
読者プレゼント実施中!【東京国立博物館】開創700年記念「大徳寺 本朝無双之禅苑」で出会える天皇、名僧、戦国武将、大物茶人たち
ヴェルデ
-

EVENT
2026.09.04
読者プレゼント実施中!【国立新美術館】ルーヴル美術館展 ルネサンスの見どころを解説
ヴェルデ
-

EVENT
2026.09.03
【東京都美術館】「百花繚乱~海を越えた江戸絵画」展 取材レポート!大英博物館の至宝が里帰り
ヴェルデ
-

EVENT
2026.08.25
パナソニック汐留美術館「長谷川潔展」レポート!メゾチントの巨匠が描いた静謐な美の世界
ヴェルデ
-

EVENT
2026.08.13
【取材レポート・国立西洋美術館】『版画家レンブラント』展。彼はなぜ版画家としても重要なのか?
ヴェルデ
-

EVENT
2026.07.29
【2026年夏・新宿】SOMPO美術館『山口華楊展』レポート!花鳥画家が生涯描き続けた「生命の美」とは
ヴェルデ

アート・ライター。大学ではイタリア美術を専攻し、学部3年の時に、交換留学制度を利用し、ヴェネツィア大学へ1年間留学。作品を見る楽しみだけではなく、作者の内面や作品にこめられた物語を紐解き、「生きた物語」として蘇らせる記事を目標として、『Web版美術手帖』など複数のWebメディアに、コラム記事を執筆。
アート・ライター。大学ではイタリア美術を専攻し、学部3年の時に、交換留学制度を利用し、ヴェネツィア大学へ1年間留学。作品を見る楽しみだけではなく、作者の内面や作品にこめられた物語を紐解き、「生きた物語」として蘇らせる記事を目標として、『Web版美術手帖』など複数のWebメディアに、コラム記事を執筆。
ヴェルデさんの記事一覧はこちら

