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EVENT

2024.12.27

『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』東京・六本木で開催!知られざる古代エジプトの人々の営みが明らかに。

現在から遡ること5000年以上前、紀元前3000年頃よりナイル川の流域を中心に高度な文明を発展させた古代エジプト。

ブルックリン博物館の古代エジプトコレクションから選りすぐりの名品が公開される『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』が、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーにて2025年1月25日から開催されます。

『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』

アメリカ最大規模の古代エジプト美術コレクション。ブルックリン博物館とは?

ブルックリン博物館外観 Photo: Brooklyn Museum, Danny Perez

まず貴重なコレクションを数多く出品するブルックリン博物館についてご紹介しましょう。ニューヨーク市ブルックリン区に位置し、1895年に開館したブルックリン博物館は、アメリカ国内でも長い歴史を持つ博物館です。

ニューヨークではメトロポリタン美術館に次いで2番目に大きい美術博物館として知られ、収蔵品は実に150万点を超え、モネやドガ、シスレー、ルノワールなど印象派の絵画や、浮世絵のコレクションなどが充実しています。

《王の頭部》前2650〜前2600年頃

そしてアメリカで最大かつ最も質の高い古代エジプト美術コレクションは、彫刻、レリーフ、絵画、土器、パピルスなど、1200点を超える貴重な作品を含み、最大の見どころとして世界中から注目されています。

中でも実物のミイラや埋葬の儀式に関連する品々が並ぶ「ミイラの間」は、永遠の命を確実にするために体の保存を必要とするという古代エジプトの信仰心を探求する展示として、多くの人々が訪れる博物館の人気のスポットとなっています。

『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』の見どころ

本展の見どころとは?3つのステージからご案内します。

【1st Stage 古代エジプト人の謎を解く】

《ニカーラーとその家族の像》前2455〜前2350年頃

これまでも日本国内ではさまざまな古代エジプト展が開かれてきました。しかしそこに生きる人々の営みについては、意外にも多く語られることはありませんでした。

《貴族の男性のレリーフ》前1292〜前1075年頃 ※東京展のみ出展

最初のステージでは、今から5000年以上も前から高度な文明があったことを物語る資料をはじめ、古代エジプト人の日々の暮らしが垣間見える作品の数々を展示します。

《ベス神の顔をかたどった壺》前522〜前332年

また当時の住居環境、食生活、仕事事情、身だしなみ、出産や子育てなどにも着目して、現代の生活へもつながる身近な謎を掘り起こします。

【2nd Stage ファラオの実像を解明】

《ひざまずくペピ1世の小像》前2338〜前2298年頃

古代エジプトで絶対的な権力を持っていたファラオ(王)。現在に残されたピラミッドや神殿など壮大な建築物や装飾の数々からは、当時の彼らの威光を垣間見ることができます。

《ラメセス2世の石碑》前1279〜前1213年頃

ここでは、クフ王やラメセス2世など、 先王朝時代からプトレマイオス朝時代まで3000年の王朝史を通じて活躍した12人の王に関する作品を紹介し、王の姿と王朝の変遷をたどります。

《クフ王の名前が彫られた指輪》前664〜前404年

また最新の研究を元に、巨大なピラミッドの建築方法や建てられた当初の姿を解き明かします。

【Final Stage 古代エジプト人のユニークな死生観にまつわる謎を紹介】

《カバの像》前1938〜前1539年頃

古代エジプトの世界では、人は死後、来世で復活し永遠の命を得ることができると信じられていました。最後のステージでは、人や動物のミイラをはじめ、数多くの美しい副葬品や葬儀のための道具、さらに神々の姿をあらわしたレリーフなど、葬送儀礼に関する作品を紹介します。

《人頭の鳥で表されるバーの護符》おそらく前305〜前30年

ミイラはなぜ、どのように作られたのでしょうか?そうした古代エジプト人の独自の死生観に迫ります。

またベールに包まれた古代エジプト語の真の音声を再現。現存最古の葬送文書である 『ピラミッド・テキスト』を読み上げる声によって、会場を厳かな空間に演出します。

いま注目を集める気鋭のエジプト考古学者、河江肖剰が監修を担当。

《カノプス壺と蓋》(4体)前664〜前525年またはそれ以降

本展の監修を務めるのは、気鋭のエジプト考古学者として注目を集める河江肖剰(かわえゆきのり)です。1972年に兵庫県で生まれた河江は、1992年から2008年の間までカイロに在住します。そしてカイロ・ アメリカン大学エジプト学科卒業。2012年には名古屋大学で歴史学博士号を取得しました。

河江はサッカラの階段ピラミッド、ギザの3大ピラミッドとスフィンクス、アブシールのピラミッド群の3D計測調査、また「ピラミッド・タウン」やシンキの小型ピラミッドの発掘など、様々な考古学調査に20年以上にもわたって従事しました。

《ビーズの襟飾り》前1390〜前1352年頃

2016年には、ナショナル ジオグラフィック協会のエマージング・ エクスプローラーに選出されています。またNHKスペシャルなどのメディアにも多く出演するほか、著書として『ピラミッド - 最新科学で古代遺跡の謎を解く』(新潮社)などを刊行。

YouTubeチャンネル『河江肖剰の古代エジプト』を開設し、チャンネル登録者数が30万人に迫るなど、エジプト文明についての知見を広めています。

人間やネコのミイラも!彫刻、棺、宝飾品、土器、パピルスなど約150点を公開。

《神官ホル(ホルス)の カルトナージュとミイラ》(部分)前760〜前558年頃

大迫力のピラミッド調査映像も見どころの一つです。2nd Stageでは、名古屋大学との共同調査にて、現地のエジプトで測量した精巧な解析データと、実写映像を織り交ぜたピラミッド調査映像を公開。普段は見られないピラミッドとその内部の貴重な映像をはじめ、リアルな3Dデータと最新の解析データによって明らかになった新発見を紹介します。

人々は何を食べ、何を畏れ、またどんな言語を話し、何を書き残したのか。さらにピラミッドはなぜ、どのようにして造られたのか。ミイラに託されたメッセージや死後の世界とは?

《ネコの棺とミイラ》前664〜前332年

これまでのエジプト展で見過ごされてきたような「知っているようで知らない事実」から、最新技術を使ったピラミッドの研究成果を交えて紹介する『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』。

彫刻、棺、宝飾品、土器、パピルス、そして人間やネコのミイラなど約150点の遺物を通じて、驚くべき技術力と深い精神性を持った古代エジプトの人々の営みを体感してください。

※作品の所蔵元は全てブルックリン博物館蔵。Photo: Brooklyn Museum

展覧会情報

『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』 森アーツセンターギャラリー
開催期間:2025年1月25日(土)〜4月6日(日)
所在地:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
アクセス:東京メトロ日比谷線「六本木駅」1C出口、徒歩3分(コンコースにて直結)。都営地下鉄大江戸線「六本木駅」3出口、徒歩6分。
開館時間:10:00〜18:00(金・土・祝前日は10:00〜20:00)
※入館は閉館の30分前まで
会期中無休
観覧料:前売券 一般/大学・専門学生 平日:¥2,300 土日祝:¥2,400、高校・中学生 平日:¥1,600 土日祝:¥1,700、小学生 平日:¥1,000 土日祝:¥1,100
当日券 一般/大学・専門学生 平日:¥2,500 土日祝:¥2,600、高校・中学生 平日:¥1,800 土日祝:¥1,900、小学生 平日:¥1,200 土日祝:¥1,300
※土・日・祝日は日時指定制。
展覧会HP:『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』 森アーツセンターギャラリー
巡回会場:2025年4月19日(土)〜6月15日(日)静岡会場:静岡県立美術館(予定)、2025年6月28日(土)〜9月7日(日)愛知会場:豊田市博物館、ほか各地へと巡回予定

【写真15枚】『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』東京・六本木で開催!知られざる古代エジプトの人々の営みが明らかに。 を詳しく見る
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

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