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EVENT

2021.12.13

アート×音楽 ユーモアなアプローチで世界を読み解く! 『クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]』展

アートと音楽…近いようで遠い…遠いようで近い…そんな2つのジャンルをつなぐさまざまな作品を発表し、革新的な活動をつづけているクリスチャン・マークレー。

展示風景より《シャッフル》(2007)の一部展示風景より《シャッフル》(2007)の一部

現在、国内初の美術館での大規模な個展として、東京都現代美術館では「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」展が開催中です。

そんな彼の多岐にわたる活動の全貌がご覧になれる会場の様子をご紹介します。

音楽とアートをつなぐ最重要作家のクリスチャン・マークレー

展示風景より 奥:「ボディ・ミックス」シリーズ(1991-92)、手前:《つづく》展示風景より 奥:「ボディ・ミックス」シリーズ(1991-92)、手前:《つづく》

1955年、アメリカ・カリフォルニア州に生まれ、スイス・ジュネーヴで育ったクリスチャン・マークレー。スイスとアメリカの異なる言語・文化圏を行き来しながら成長し、その経験からアーティストになるという決断をすることになったそうです。

彼は「私は言語をあまり信用しておらず、視覚的言語や音楽など、異なる記号や認識に頼る他のタイプのコミュニケーションに興味がありました* 」と語っています。
*Jan Estep, “Words and Music: Interview with Christian Marclay,” New Art Examiner , Sept./Oct. 2001, pp. 78-83.

展示風景より《ラップトップ・プレイヤーズ(デュエット)》(2005)、《ミクスト・レビューズ》(1999-)展示風景より《ラップトップ・プレイヤーズ(デュエット)》(2005)、《ミクスト・レビューズ》(1999-)

70年代末から、ニューヨークでヒップホップとは違う文脈でレコードとターンテーブルを演奏し、そのパフォーマンスで音の実験を始めて以降、前衛的な音楽シーンのミュージシャンとして一躍知られるようになりました。

80年代以降は、音や音楽にまつわる視覚美術の制作活動に重点を移して、聴覚と視覚の結びつきを探る作品で美術の分野でも活躍し、最も人気があり影響力を持った作家とみなされてきました。

アート、音楽、映画、漫画を用いたさまざまな表現手段

展示風景より「叫び」シリーズ(2018-19)展示風景より「叫び」シリーズ(2018-19)

マークレーは、レコード、CD、コミック、映画、写真など、幅広いファウンドメディアを再利用し、パフォーマンス、コラージュ、インスタレーション、ペインティング、写真、ビデオなどの手法により、さまざまな作品を生み出してきました。

会場では、コンセプチュアル・アートやパンク・ミュージックに影響を受けた初期作品から、イメージと音の情報のサンプルを組み立てた大規模なインスタレーション、さらには現代社会に蔓延する不安を映し出した最新作までがご覧になれます。

“翻訳”という営みのなかにある創造的な可能性と矛盾

展示風景より《サラウンド・サウンズ》(2014-15)展示風景より《サラウンド・サウンズ》(2014-15)

視覚と聴覚の経験の等価性を追求し、ある感覚を別の感覚に置き換え、世界を読み解こうとするマークレーは、その“翻訳”という営みのなかにある創造的な可能性と矛盾について探求。

そして、人間のコミュニケーションがいかに不確かなものであるかを明らかにし、彼は鋭い観察眼(耳)と控えめなユーモアをもって、私たちが日ごろ当たり前のものとしている感覚や認識へと光を当てていきます。(展覧会リリースより引用)

音と視覚、情報と物質、日常の事物と芸術、そして異文化の間を行き来する作品に圧倒される本展。

会期中には、日本在住の音楽家が彼の「グラフィック・スコア(図案楽譜)」を翻訳し、演奏する関連イベントも開催するので、そちらも合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか?

マークレーだけじゃない!その他企画展にも足を運んでみて!

Viva Video! 久保田成子展 展示風景より《韓国の墓》(1993)Viva Video! 久保田成子展 展示風景より《韓国の墓》(1993)

現在、東京都現代美術館では本展以外にも、さまざまな面白い企画展が開催中!

企画展示室 3Fでは、アメリカを拠点に日本人女性アーティストとして活動し、映像と彫刻を組み合わせた「ヴィデオ彫刻」で知られている久保田成子の展覧会『Viva Video! 久保田成子展』が開催され、 地下2Fでは、国際的評価が高まっている新進気鋭の現代アーティスト、EUGENE STUDIO(ユージーン・スタジオ)の国内美術館における初個展『ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow』もご覧になれます。

ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow 展示風景より《善悪の荒野》(2017)ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow 展示風景より《善悪の荒野》(2017)

その他にも「MOTコレクション」展では、「Journals 日々、記す vol.2」と題して、さまざまな作品がご覧になれます。その中では、今年(2021年)7月に急逝したクリスチャン・ボルタンスキーの所蔵作品も追悼展示されているので、そちらもぜひ足を運んでみてくださいね。

取材・撮影・文:新麻記子

クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]
会期:2021年11月20日〜2022年2月23日
会場:東京都現代美術館 企画展示室1F
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(展示室入場は閉館30分前まで)※最新情報は、美術館または展覧会ウェブサイトにて要確認
休館日:月(1月10日、2月21日は開館)、年末年始(12月28日〜1月1日)、1月11日
料金:一般 1800円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1200円 / 中高生 600円 / 小学生以下無料
HP:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/christian-marclay/

新 麻記子

新 麻記子

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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。