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2022.8.8
記憶にある風景や出来事を呼び覚ます『平塚市制90周年 工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』
工藤麻紀子は、現代の絵画表現を紹介するグループ展でも継続的に取り上げられるなど、日本のアートシーンを語るうえで欠かせない画家のひとりに数えられます。
そんな彼女の国内美術館で初個展となる『平塚市制90周年 工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』が平塚美術館にて開催中です。
同時開催中の『気になる!大好き!これなぁに?こどもたちのセレクション』もあわせて、展覧会の内容をご紹介します!
工藤麻紀子とは?
工藤麻紀子(1978-)は、青森県に生まれ、2002年に女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻を卒業。
2014年から5年間平塚市内にアトリエを構え、現在は神奈川県を拠点に活動を行っています。
工藤は、体が弱く孤独だった幼少期に置かれた自然環境や動物、小説や漫画、アニメ(特に宮崎駿)、そして後期印象派に影響を受けたマティス、ボナール、ムンクなどに感銘を受けたそうです。
季節や時間による光の変化をはじめ、いつもの散歩道が“急に光って見える”瞬間、ふと頭に思い浮かぶ訪れたことがある場所、煌めく水辺、草花の匂い、虫の羽音、靡く風、思春期の少年少女、夜にみた夢など。
日常生活の中で見逃しがちな何気ない事柄を独特な感受性で受け止め、実際にみた光景などが合わさった現実と心象をコラージュのように再構築させ、鮮やかな夢のような世界観をキャンバスに描いています。
身近な出来事に対する思いを作品に投影!
今回、国内美術館で初個展となる工藤麻紀子の『平塚市制90周年 工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』では、約120点の作品により彼女の現在までの活動を紹介しています。
会場では、鮮やかな色彩とポップなイメージを強調した作風で脚光を浴びた活動初期から、絵画作品から抜け出したモチーフを立体にしたインスタレーション作品を含む最新作品まで、工藤の世界観を楽しむことができます。
視点を混在させた構図やコラージュのようなモチーフの配置など、画面の構成力には卓越した技術があり、鮮やかな色彩と装飾性を兼ね備えた作品が国際的にも高く評価されている工藤麻紀子。
そんな彼女は、初期から一貫して“身近な出来事に対する思いを作品に投影させている”そうです。
その画面には普段の生活で見聞きしたもの、住む土地や記憶が一体となり、夢の中のような混沌とした風景が広がっています。また同時に、鑑賞者自身の記憶にある風景や出来事を呼び覚ます、親密さとストーリー性も有しています。
実際に作品を実際にじっくりと見れば、現代の絵画表現に馴染みのない人でも、イメージの中に身をゆだねる楽しさや発見をともなう鑑賞体験になるでしょう。
同時開催中の『気になる!大好き!これなぁに?こどもたちのセレクション』も鑑賞しよう!
また、平塚美術館にて同時開催中の『気になる!大好き!これなぁに?こどもたちのセレクション』では、過去に実施した展覧会鑑賞ツアーで子どもたちが興味や反応を示した所蔵品を紹介しています。
2012年から定期的開催された乳幼児とその保護者向けの展覧会鑑賞ツアーにおいて、純粋に作品と向き合い鑑賞している乳児の反応や言葉、保護者のコメントを紹介するパネルから、子どもたちの新鮮な反応とともに改めて美術作品を鑑賞する楽しさを実感することができるでしょう。
子ども独自の視点では、カラフルな作品や動物の作品など子どもが喜びそうな作品に反応を示すだけでなく、大人が難しくてとっつきにくいと感じる抽象画や地味な印象を受ける作品を受け入れて反応を示しています。
文字を読むことのできない小さな子どもは、作品そのものから何かを感じ取り、それに対しリアクションを取っています。そして、その言葉や態度は、案外作品の本質をついていることもあり、思わずパネルを読んでハッとさせられることでしょう。
また、そういった子どもの反応から、私たち大人は先入観を無くし、自由にそして純粋に作品と向き合って、知識に偏るのではなく想像力を膨らませ、鑑賞を楽しむべきだと学ぶことができました。
ぜひ『平塚市制90周年 工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』 とあわせて、こちらの展覧会もご覧になってみてください。
最後に…
この夏、平塚市美術館では子どもももちろん大人も楽しむことができる2つの展覧会が企画されています。
会期中には、工藤麻紀子展にて対話による美術鑑賞ボランティア「ひらビあーつま~れ」のメンバーによる作品鑑賞会や、こどもたちのセレクションにて担当学芸員によるギャラリーツアーなどが予定されています。
さまざまなプログラムに参加して、アートの楽しさを再発見してみてはいかがでしょうか。
取材・撮影・文:新麻記子
『平塚市制90周年 工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』
会期:2022年7月9日(土曜日)~9月11日(日曜日)
会場:平塚市美術館
開館時間:9時30分~17時(入場は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし7月18日は開館)
HP:https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/page14_00286.html
『気になる!大好き!これなぁに?こどもたちのセレクション』
会期:2022年7月2日(土曜日)~9月19日(月曜日・祝日)
開館時間:9時30分~17時(入場は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし、7月18日、9月19日は開館)
HP:https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/20162006_00019.html
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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
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