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EVENT

2022.8.25

今なお色褪せないアリスの物語の不思議な世界へ…『特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―』

19世紀から現代にかけて、アート、映画、音楽、ファッション、演劇、写真など様々なジャンルで表現されてきた『不思議の国のアリス』。

アリスにまつわる作品や資料約300点が一堂に会する、森アーツセンターギャラリーにて開催中の『特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―』をご紹介します。

『不思議の国のアリス』とは?

会場風景

『不思議の国のアリス(英: Alice's Adventures in Wonderland)』は、イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンがルイス・キャロルの筆名で書いた児童小説です。

幼い少女アリスが白ウサギを追いかけて不思議の国に迷い込み、しゃべる動物や動くトランプなどのキャラクターたちと出会いながら、その世界を冒険していく様子が描かれています。

キャロルが知人の少女アリス・リドゥルら三姉妹のために即興でつくって聞かせた物語がもとになっており、キャロルはこの物語を手書きの本にして彼女らにプレゼントする傍ら、知人たちの好評に後押しされて出版に踏み切りました。

会場風景

『不思議の国のアリス』とその続編『鏡の国のアリス』(1871年に発表)は、それまでの旧弊な教訓物語から脱し、児童文学の新しい地平を切り開いた作品として評価され、文学史上確固とした地位を築いています。

その物語は、聖書やシェイクスピアに次ぐといわれるほど多様な言語に翻訳され、引用や言及の対象となっている作品となっています。

アリスにまつわる作品や資料約300点が展示!

会場風景


本展覧会は、19世紀から現代にかけて、アート、映画、音楽、ファッション、演劇、写真など様々なジャンルで表現されてきた『不思議の国のアリス』の世界とその広がりを紹介しています。

会場では、英国ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)に所蔵されているジョン・テニエルの挿絵から、私たちにとって馴染み深いディズニー映画のアニメーションのセル画、ティム・バートン監督による実写映画『アリス・イン・ワンダーランド』などの映像作品を展示しています。

会場風景

そして、アリスに影響を受けたサルバドール・ダリなどのシュルレアリスム時代のアーティストをはじめ、草間彌生やオノ・ヨーコなどの今なお現役で活動している現代アーティスト、さらにはバレエやミュージカルなどで使用された舞台衣装、ヴィヴィアン・ウエストウッドなどのファッションなど、海外所蔵作品を中心とした多岐にわたるアリスにまつわる作品や資料約300点が一堂に会します。

また、本展覧会の元となっているロンドン展の演出を手がけたのは、著名な舞台デザイナーであるトム・パイパー(1964~)。原作の世界観に没入できる遊び心あふれる展示演出で、子どもから大人まで「不思議の国のアリス」の世界を心ゆくまで楽しむことができます。

今なお色褪せないアリスの冒険から受け取るメッセージ

会場風景

作者のチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンがある「黄金の午後」にアリス・リドゥルら三姉妹に語った独創的な物語は、文化、政治、科学的知識といった普遍的なテーマを盛り込みながら、グローバル化が進んで変容していく社会と変革の時代を反映したものです。

物語の中で好奇心旺盛なアリスは、行く先々で困難と立ち向かい、ナンセンスなキャラクターや奇妙な世界との出会いを通して、経験を積み重ねるごとに強くなっていきます。

私たちは物語に描かれている成長していくアリスの姿を垣間見ることで、物事を別の角度からみたり、日常にない世界を想像したり、宇宙に対する既成概念を壊そうとしたり、アイデンティティを模索してみることでしょう。

会場風景

新しい世代の中には、アリスを地位向上の象徴と見なし、納得できないことには勇気を出して講義することも、ひとつの方法だと考える人もいるでしょう。

今もアリスの冒険は色褪せず魅力に溢れ、アイデンティティ、権力、そして真実とは何かを改めて考える機会を与えてくれます。

最後に|可愛いアリスの世界を持ち帰ろう!

本展覧会ミュージアムショップ

本展覧会ミュージアムショップでは、多様に表現されている本展のアリスグッズが販売されています。

ジョン・テニエルの挿絵が印字されている本展覧会オリジナルのマグカップやポストカードをはじめ、ディズニーアニメーションのアリスや他キャラクターのバッグやクッションカバー、その他Alice on Wednesdayのピアスやリングといったアクセサリーまで。

THE SUN & THE MOONコラボメニュー アフタヌーンティーセット 一部

また、同フロアのレストラン「THE SUN & THE MOON」では、本展覧会とのコラボレーションメニューとドリンクが登場し、アリスの世界に登場する白うさぎや、チェスや時計のデザートなどに加え、見た目はスイーツなのにセイボリーの“へんてこりん”なメニューをラインナップしたアフタヌーンティーセットや、青いワンピースのアリスと赤のクィーンをイメージした2種のノンアルコールカクテルなどが召し上がれます。

アリスが過ごした時代を想像しながら会場を巡ってみると、まるで不思議の国への冒険のようですね。ぜひ素晴らしいグッズやメニューとの出会いもお楽しみください。


取材・撮影・文:新麻記子

『特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―』

会期:2022.7.16(土)~ 10.10(月)会期中無休
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
開館時間:10:00~20:00(月・火・水曜は18:00まで)
※9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)は20:00まで
※最終入館は閉館30分前まで
※会期・開館時間は変更の可能性があります。ご来館前に必ず本展公式サイトをご確認ください
展覧会公式サイト:https://alice.exhibit.jp/

【写真9枚】今なお色褪せないアリスの物語の不思議な世界へ…『特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―』 を詳しく見る
新 麻記子

新 麻記子

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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

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