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EVENT

2023.12.14

「モダン・タイムス・イン・パリ 1925ー機械時代のアートとデザイン」展の見どころと作品紹介!

12月16日(土)より箱根・ポーラ美術館にて「モダン・タイムス・イン・パリ 1925ー機械時代のアートとデザイン」展が開催されます。

ジョルジョ・デ・キリコ《ヘクトールとアンドロマケー》 1930年頃、ポーラ美術館 ©SIAE,Roma & JASPAR, Tokyo, 2023 B0685

本展覧会は、1920〜1930年代のパリを中心に、ヨーロッパやアメリカ、日本における機械と人間との関係をめぐる様相を紹介します。

本展覧会について

《ブガッティタイプ52(ベイビー)》 1920年代後半-1930年代前半、トヨタ博物館

1920年代、フランスの首都パリをはじめとした欧米の都市では、第一次世界大戦からの復興によって工業化が進み、「機械時代」(マシン・エイジ)と呼ばれる華やかでダイナミックな時代を迎えました。

特に「パリ現代産業装飾芸術国際博覧会」(アール・デコ博)が開催された1925年は、変容する価値観の分水嶺となり、工業生産品と調和する幾何学的な「アール・デコ」様式の流行が絶頂を迎えました。

A.M.カッサンドル《ポスター「ノルマンディー号」》1935年、京都工芸繊維大学美術工芸資料館[AN.4739]©www.cassandre.fr APPROVAL by theESTATE OF A.M.CASSANDRE / JASPAR 2023 B0685

日本では1923年(大正12)に起きた関東大震災以降、東京を中心に急速に「モダン」な都市へと再構築が進むなど、世界は戦間期における繁栄と閉塞を経験し、機械や合理性をめぐる人々の価値観が変化していきました。

コンピューターやインターネットが高度に発達し、AI(人工知能)が人々の生活を大きく変えようとする現代において、本展覧会は約100年前の機械と人間との様々な関係性を問いかけます。

空山基《Untitled_Sexy Robot type II floating》2022年、Courtesy of NANZUKA

見どころ

本展の見どころをいくつかのトピックに分けて紹介します。

AI時代のはじまりに、機械と人間の関係を問いかける

フェルナン・レジェ 《鏡を持つ女性》 1920年、ポーラ美術館

1920年代には、自動車や航空機という人間の力を大きく凌駕する機械が急速に普及します。

レジェやブランクーシ、そしてシュルレアリスムの作家など、この時代のアーティストによる機械への賛美や反発を、AI(人工知能 )が人類の知能を超える「シンギュラリティ」(技術的特異点)が到来しようとする現代と重ね合わせて見なおします。

【第1章 機械と人間:近代性のユートピア】では、芸術家やデザイナーたちが、機械の進化が理想的な新しい時代をもたらすと信じ、機械をモティーフにした作品を制作しています。

一方、【第3章 役に立たない機械:ダダとシュルレアリスム】では、機械の発達による近代化に抵抗する動きを引き起こし、機械時代を支える合理主義を批判的に捉えた作品を生み出した様子が伺えます。

アール・デコを機械時代として捉える:装飾と機械の融合

ルネ・ラリック《香水瓶「ジュ・ルヴィアン」》(ウォルト社)1929年12月2日原型制作、ポーラ美術館/マルク・ラリック《香水瓶「ジュ・ルヴィアン」》(ウォルト社)1952年以降、ポーラ美術館

1920年代を代表する装飾スタイル「アール・デコ」は、異国趣味や古典回帰、現代主義(モダニズム)など、多くの価値観が混在して生み出されました。

この展覧会では多面的なアール・デコのなかでも「モダン」(現代的)な側面に注目し、産業技術や都市の発達という視点から捉えます。

それまで余剰や付随とみなされていた装飾は、機能や実用性を感じさせる幾何学的な造形として流行し、この時代の建築や家具、服飾の分野に広がりました。

【​​第2章 装う機械:アール・デコと博覧会の夢】では、この時代活躍した作家たちが機械や工業製品の美を称揚し、未来を感じさせるイメージを作り出した作品を紹介しています。

ガラス工芸作家ルネ・ラリックは、自動車を飾るカーマスコットをはじめ、幾何学的な建築空間に合わせた室内装飾、香水瓶などのデザインを手掛けました。またグラフィックデザイナーのカッサンドルは、単純化した造形と大胆なグラデーションを活かして豪華客船や鉄道のポスターを制作しています。

日本のモダニズム:モダン都市を彩るアール・デコと機械美

杉浦非水 ポスター「東洋唯一の地下鉄道」 1927年

日本におけるグラフィックデザイナーの先駆けとなった杉浦非水による、アール・デコ様式の影響を受けたポスターや雑誌の表紙を紹介するとともに、レジェに感化された古賀春江や、機械美に魅せられた河辺昌久ら異色の前衛芸術家の作品により、大正末期から昭和初期にかけての日本のモダニズムを検証します。

【第4章 モダン都市東京:アール・デコと機械美の受容と展開】では、機械的なモティーフを採り入れ、新しい時代の高揚感と不安とが交錯するような、絵画作品が多数生み出された様子が伺えます。

展覧会情報

モダン・タイムス・イン・パリ 1925-機械時代のアートとデザイン
Modern Times in Paris 1925: Art and Design in the Machine Age

会期:2023年12月16日(土)〜2024年5月19日(日)
会場:ポーラ美術館 展示室1、2
時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:会期中無休
公式ホームページ:モダン・タイムス・イン・パリ 1925-機械時代のアートとデザイン

【写真7枚】「モダン・タイムス・イン・パリ 1925ー機械時代のアートとデザイン」展の見どころと作品紹介! を詳しく見る
新 麻記子

新 麻記子

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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

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