EVENT
2025.2.6
太田記念美術館で「生誕190年記念 豊原国周」が開催!
2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」にちなみ、あちこちで開かれている浮世絵の展覧会。そんな中で、浮世絵を専門とする東京都・渋谷区の太田記念美術館でも、さまざまな魅力ある企画展がラインナップされています。
その一つとして、幕末から明治にかけての浮世絵師である豊原国周に注目した「生誕190年記念 豊原国周」が、2025年2月1日(土)から2025年3月26日(水)まで開催中です。
目次
豊原国周(とよはらくにちか)とは
豊原国周は1835年に生まれて1900年に没するまで、江戸後期の浮世絵師として活躍した人物です。迫力のある役者絵や、繊細な雰囲気を湛える美人画などを描き、同時期の絵師である月岡芳年や小林清親らと並んで人気を博しました。
しかしながら、国周は今までの展覧会では紹介される機会が少なかった、知られざる巨匠ともいえます。
「生誕190年記念 豊原国周」の楽しみ方
本展では、国周の生誕190年に合わせて、彼の画業を初期から晩年まで俯瞰します。明治浮世絵師の中でも随一の作品数を手掛けた国周の浮世絵、約210点が彩る過去最大級の回顧展です。
最新の研究成果による新たな国周像を楽しむ!
これまで、豊原国周の紹介で取り上げられたのは主に役者絵でした。そこで、本展では最新の研究成果を踏まえ、国周のもう一つの画業の柱である美人画も多数展示します。
さらに、初期に手掛けた武者絵、風景画、最晩年の子供絵など、国周の絵画ジャンルは幅広い!それらを時代に偏りなく選定し、新たな国周像を紹介することを試みています。
また、貴重な肉筆画にもご注目を。艶やかな着物や月の描写が美しい肉筆美人画「遊女とほととぎす」(前期、個人蔵)は、本展が初公開です。
代表作の大首絵シリーズ12点を楽しむ!
国周の代表作といえるのが、「具足屋版役者大首絵」シリーズです。本展ではその12点を一挙公開します。大首絵の迫力を楽しめるのはもちろん、国周の人間の描き方がよくわかる作品群です。
国周をめぐる数々のエピソードを楽しむ!
豊原国周「開化三十六会席 代地 巴屋」(太田記念美術館蔵)後期展示
国周の生涯は、にわかには信じがたいようなエピソードに満ちています。大酒飲み、破産宣告、引っ越し魔……さらには数々の有名人たちとの大喧嘩など、その逸話には事欠きません。
展示では作品とともに、パネルなどで国周の人物像を紹介します。浮世絵とともに国周の波乱万丈の人生を知れば、国周のイメージがより一層くっきりとしてくるはずです。
豊原国周という浮世絵師の、作品と人物を知る!
知られざる明治浮世絵の巨匠、豊原国周の過去最大級の回顧展。従来の国周のイメージを形作ってきた役者絵の名品はもちろん、美人画や肉筆画などの貴重な作品を通して、激動の時代を生き抜いた国周作品の魅力を伝えています。
なお、同時期には東京都・丸の内の静嘉堂文庫美術館でも「豊原国周生誕190年 歌舞伎を描く―秘蔵の浮世絵初公開!」(2025年1月25日(土)~3月23日(日))で豊原国周を特集しています。今まで豊原国周を知らなかった人も、この機会に展示を通してその魅力に触れてみませんか。
開催概要
【タイトル】
生誕190年記念 豊原国周
【英タイトル】
Toyohara Kunichika
【会期】
2025年2月1日(土)~3月26日(水)
前期 2月1日(土)~2月24日(月・祝)
後期 3月1日(土)~3月26日(水)※前後期で全点展示替え
【開館時間】
午前10時30分 ~ 午後5時30分(入館5時まで)
【休館日】
月曜日(2/24は開館)、2/25-28(展示替えのため)
【入館料】
一般 1200円 大高生 800円 中学生以下無料
リピーター割引 会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて200円割引(他の割引との併用不可)
静嘉堂文庫美術館⇔太田記念美術館 入館料相互割引を実施します。詳細は公式サイト『生誕190年記念 豊原国周』をご確認ください。
【アクセス】
JR山手線 原宿駅(表参道口)より徒歩5分
東京メトロ千代田線・副都心線 明治神宮前駅(5番出口)より徒歩3分
【問合せ】
050-5541-8600(ハローダイヤル)
【公式サイト】
生誕190年記念 豊原国周
【公式X(旧Twitter)】
@ukiyoeota
【会場・主催】
太田記念美術館 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-10-10
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文筆家・アートライター。1994年神奈川生まれ。会社員を経て、2021年よりフリーライターとして独立。アートと日本伝統文化を専門としつつ、現代美術やカルチャーなど幅広いジャンルで執筆している。日本伝統文化検定2級。SNSでも情報を発信する他、Podcastでは伝統芸能にまつわるトークを配信中。
文筆家・アートライター。1994年神奈川生まれ。会社員を経て、2021年よりフリーライターとして独立。アートと日本伝統文化を専門としつつ、現代美術やカルチャーなど幅広いジャンルで執筆している。日本伝統文化検定2級。SNSでも情報を発信する他、Podcastでは伝統芸能にまつわるトークを配信中。
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