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EVENT

2023.11.15

グラフィックデザイン本来の楽しさや豊かさを再発見!『もじ イメージ Graphic 展』の見どころ

デザインを通じてさまざまなできごとやものごとについて考え、世界に向けて発信し、提案を行う場として活動を続けてきた21_21 DESIGN SIGHT。11月23日から新たな展覧会、『もじ イメージ Graphic 展』が開かれます。

大原大次郎「黒板」(2009)

そこでは近代のグラフィックデザインの歴史を探りながら、特にパソコン上で出版物や印刷物のデータ制作の多くの過程を行うことが主流となった1990年代以降のデザインを、日本語の文字とデザインの歴史を前提にひも解いていきます。

国内外約50組のグラフィックデザイナーやアーティストによるクリエイションが公開。

菊地敦己「第 18 回グラフィック『1_WALL』展」(2018)

展覧会のディレクターを担うのは、グラフィックやタイポグラフィに関する数々の著書を手がける編集者の室賀清徳、グラフィックデザインの研究を行う後藤哲也、そしてグラフィックデザイナーの加藤賢策の3名です。

北川一成「ロゴ各種」(2009)

展示では国内外約50組のグラフィックデザイナーやアーティストによるクリエイションの数々を公開します。漢字や仮名の使い分けや、縦横自在の書字方法、ルビといった特有の表現方法をもち、文字とイメージの混ざり合いのなかで発展してきた日本のグラフィック文化。

それがグローバルなデジタル情報技術とどう向き合い、何を生み出してきたか、そして今どのような可能性を見せているのかを「造形性」、「身体性」、「メディア」など13の現代的なテーマに分けて紹介します。

『もじ イメージ Graphic 展』の4つの大きな見どころとは?

寄藤文平「東京メトロ マナーポスター『家でやろう』」 (2008)

『もじ イメージ Graphic 展』の見どころは大きく分けて4つです。

1. グローバル時代における日本のグラフィックデザインの可能性について、日本の文字を起点に、国内外約50組のデザイナー、アーティストによるプロジェクトを通じて考えます。

2. デジタル化が進んだ90年代以降を中心に、グラフィックという領域がもつ本来的な創造性に光を当てることを試みます。

3. グラフィックを、印刷物、デジタル、空間といったメディアで区別することなく、歴史的かつ同時代的なテーマで捉え直します。

4. ポスターや書籍、看板の実物展示から、壁面を使った大型出力展示など、さまざまな手法で250点以上のグラフィック作品を展示します。

大日本タイポ組合「トイポグラフィ」(2007)

日々大量のビジュアル情報が飛び交い、つくり手も受け手も効率性を重視せざるを得ないことの多い現代において、グリッドを超えて縦横無尽に浮遊する文字やイメージのあり方、それらの結合や合間にたちのぼるエネルギーを感じることで、あらためてグラフィックデザイン本来の楽しさや豊かさを発見する機会となることでしょう。

ディレクター室賀清徳が展覧会に寄せたメッセージ。

大島依提亜 映画「ヒッチコック/トリュフォー」(2016) イラストレーション:和田 誠

まずギャラリー1の展示テーマは「日本語デザインのパースペクティブ」です。漢字、仮名をはじめ複数の文字が多層的に組み合わさる日本語の書記体系はどのようにデザインされてきたのか。その歴史的展開を紹介するダイアグラムや、近代以降の文字を軸とするグラフィックデザイン作品が紹介されます。

山田和寛 書籍「作字百景 ニュー日本もじデザイン」(2019)

続くギャラリー2では「グローバル時代のオルタナティブ」と題し、日本語のグラフィック文化が現代のグローバルな情報環境のなかでみせている動きを、海外の動向も交えた13のテーマ、約50組のクリエイターの実践を通じて紹介します。13のテーマは以下の通りです。

1. テクノロジーとポエジー
2. 造形と感性
3. メディアとマテリアル
4. 言葉とイラストレーション
5. キャラクターと文字
6. 書物の構造と風景
7. デザイナーと言葉
8. ファッションとカルチャー
9. ヴァナキュラーとリージョナル
10. 文字と身体
11. グローバル性と固有性
12. パブリックとパーソナル
13. 言語を越えて

鈴木哲生「『群像』ロゴの清書」(2019-2023)

ディレクターのひとりである室賀清徳は展覧会に際し、「日本では漢字、ひらがな、カタカナを併用し、表現のモードに応じて併用する、独自の情報空間を発達させてきました。

このような構造は、文字と図像が自在に融合するレイアウトにもつながっています。」として、「文字を横組みで打つことが日常化した時代のなかで、グローバルな情報構造と日本の文字が散らす火花のなかにどのようなデザインの可能性が浮かんでいるのか。ぜひ会場でお確かめください。」とのメッセージを寄せました。

展覧会ポスター

『もじ イメージ Graphic 展』にて、国内外約50組のグラフィックデザイナーやアーティストが生み出す、文字とイメージの創造性に満ちたクリエイションを楽しんでください。

展覧会情報

『もじ イメージ Graphic 展』 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
開催期間:2023年11月23日(木・祝) 〜2024年3月10日(日)
所在地:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
アクセス:都営大江戸線六本木駅、東京メトロ日比谷線六本木駅、東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
開館時間:10:00~19:00
 ※入館は18:30まで
休館日:火曜日(12月26日は開館)、年末年始(12月27日〜1月3日)
観覧料:一般1400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
公式サイト:『もじ イメージ Graphic 展』

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はろるど

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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

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