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2024.6.5
国立国際美術館で特別展「梅津庸一 クリスタルパレス」を開催
美術家・梅津庸一の2000年代半ばより始まる仕事を総覧する、国公立美術館では初となる大規模個展。特別展「梅津庸一 クリスタルパレス」が大阪府・国立国際美術館で始まります。
この記事では、2024年6月4日(火)より開幕する本展についてご紹介します。
美術家・梅津庸一とは
梅津庸一(うめつよういち)は1982年山形生まれの美術家で、アートの共同体「パープルーム」の主宰です。
画家であり、近年では陶芸や版画の制作でも知られ、多彩な表現が魅力です。さらには私塾の開設や展覧会の企画、非営利ギャラリーの運営、批評テクストの執筆といった、アーティストとしての作品制作に留まらない活動をこれまで展開してきました。
「梅津庸一 クリスタルパレス」展の楽しみ方
梅津庸一 《集団意識》 2021年 紙に水彩、インク、アクリル、油彩、エナメル みそにこみおでん蔵 画像提供:艸居
本展覧会は、梅津の活動の軌跡を追いながら「この国で美術家として生きることはいかにして可能なのか?」という問いかけを起点に、「人がものをつくる」という行為の可能性について再考することを試みます。
一見難しく感じるかもしれませんが、梅津の創作や考え方に触れてみると、意外と誰もが当事者だと気づくはず。「ものをつくる」ことに対して、自分なりの思考を巡らせてみましょう。
梅津の絵画や陶芸を知る!
梅津庸一 《智・感・情・A》 2012-14年 布、パネルに油彩 東京都現代美術館蔵 撮影:大谷一郎
梅津は絵画を描くにあたって、日本の洋画の歴史を参照した裸の自画像を手がけました。この国の「美術」をつくりあげてきた作家たちの営みを参照することで、彼は「この国で美術家として生きること」の可能性を根本から問いなおそうとしたのです。
また、梅津は陶芸にも注目しました。2021年春に滋賀県の信楽へと移住し、いちから作陶を始めて、独創的な作品を生み出しています。
「梅津庸一ってどんな人?」と今まで知らなかった人でも、この展覧会でまずは彼がどのような創作をしているか知ることで、その世界に歩み寄れるはずです。
梅津庸一 《フェンスにもたれかかるパームツリー》 2021年 陶 作家蔵 撮影:今村裕司 画像提供:艸居
パープルームの活動を知る!
梅津庸一 《幻視》 2021年 陶 艸居蔵 撮影:今村裕司 画像提供:艸居
梅津が主宰するアートの共同体「パープルーム」は、彼が2013年に神奈川県相模原市の自宅で立ち上げたものです。私塾にして美術家集団、さらには画廊としての側面も持つその活動をとおして、彼は「制作」と「生活」との架橋を試みました。
美術家として作品制作だけで身を立てることは難しい現実と向き合いながら、梅津がどのように美術の領域に向き合っていったかがわかります。
梅津庸一をきっかけに、「つくる」ことについて考えてみよう
梅津庸一 《勢力図》 2023年 紙にエッチング、手彩色 個人蔵
「つくる」とは、決して絵画や彫刻を手がける美術家だけに関わるものではありません。考えることや話すこと、つまりは生きることそれ自体とも重なり合う、きわめて広い射程をもった営みであるはずです。
誰もが無縁ではない「つくる」行為について、梅津庸一の世界はあらためて考えるきっかけを与えてくれるにちがいありません。問いをもとに自ら考えてみる、そんな鑑賞体験を通じて、世界がもっと豊かに広がっていく喜びを味わってみませんか。
開催概要
「梅津庸一 クリスタルパレス」
会期|2024年6月4日(火)– 10月6日(日)
会場|国立国際美術館 地下3階展示室(〒530-0005 大阪市北区中之島4-2-55)
開館時間|10:00 – 17:00、金曜・土曜は20:00まで
入場は閉館の30分前まで
休館日|月曜日
ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・休)は開館し、7月16日(火)、8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)は休館
主催|国立国際美術館
協賛|ダイキン工業現代美術振興財団
助成|令和6年度 文化庁 我が国アートのグローバル展開推進事業
協力|艸居、Kanda & Oliveira、Taka Ishii Gallery、Kawara Printmaking Laboratory, Inc.
観覧料|一般1,200円(1,000円)大学生700円(600円)
( )内は20名以上の団体および夜間割引料金(対象時間:金曜・土曜の17:00―20:00)
高校生以下・18歳未満無料(要証明)・心身に障がいのある方とその付添者1名無料(要証明)
公式サイト|梅津庸一 クリスタルパレス
※本展覧会会期中は、展示室の整備・修繕のため、コレクション展を開催しません。
画像ギャラリー
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文筆家・アートライター。1994年神奈川生まれ。会社員を経て、2021年よりフリーライターとして独立。アートと日本伝統文化を専門としつつ、現代美術やカルチャーなど幅広いジャンルで執筆している。日本伝統文化検定2級。SNSでも情報を発信する他、Podcastでは伝統芸能にまつわるトークを配信中。
文筆家・アートライター。1994年神奈川生まれ。会社員を経て、2021年よりフリーライターとして独立。アートと日本伝統文化を専門としつつ、現代美術やカルチャーなど幅広いジャンルで執筆している。日本伝統文化検定2級。SNSでも情報を発信する他、Podcastでは伝統芸能にまつわるトークを配信中。
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