EVENT
2024.7.2
京都7/13〜『嵯峨嵐山かちょうえん』鳥の声を聞きながら絵画鑑賞!
京都の嵯峨嵐山文華館にて企画展『嵯峨嵐山かちょうえん』が開催されます。会期は7月13日(土)〜10月1日(火)です。
「花鳥園」は、自然の中のような屋内の空間で、放たれた鳥や植物と自由に触れ合える場所です。「花鳥風月」など、日本の伝統的な価値観を意識して作られているそうです。
「花鳥風月」といえば、日本の美術において古くから愛されてきたテーマでもあります。本展は、ともに日本の美意識を大切にする「美術館」と「花鳥園」の融合を目指した展覧会になるとのこと。
美術館にいるのに、耳をすませば鳥の鳴き声が聞こえてきそう。夏から秋にかけての京都で、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
見どころ①季節を感じさせる多様な花と鳥たち
日本の絵画には、季節とともに花と鳥がいきいきと描き出されてきました。本展ではその種類に注目し、マガモやコサギなど水辺に生息する鳥や、キンケイ、オウムなど外来種、ハト、スズメ、シジュウカラなど市街地でも見かける鳥、さらにはタカやワシなど猛禽類まで、さまざまな鳥を自然と共に鑑賞できます。
円山応挙《黄蜀葵鵞鳥小禽図》1773年 福田美術館 通期展示
写実を重視した円山応挙の《黄蜀葵鵞鳥小禽図》には、リアルなタッチで立派なガチョウが描かれています。後ろには黄蜀葵(おうしょっき、トロロアオイ)の花が大きく咲き、見応えのある作品です。
一方、長沢芦雪《喜雀図》では、小さなスズメたちが集まっている可愛らしい場面が描かれています。食べ物でも見つけて喜んでいるのかな、と微笑ましく見ていたら、何羽かのスズメがこちらを見ていることに気づいて、ハッとします。
一口に「花鳥画」と言っても、画家によって着眼点はさまざまです。画家が花や鳥に向けた眼差しを通して、自然の美しさに触れてみてはいかがでしょうか?
見どころ②絵画に描かれた想像上の鳥たち
望月玉渓《鳳凰図屏風》1928年 右隻 福田美術館 通期展示
絵画には実在する鳥だけでなく、想像上の鳥も描くことができます。鳳凰が描かれた望月玉渓《鳳凰図屏風》にも注目してみましょう。
鳳凰は吉兆の知らせと言われる想像上の鳥です。尾のハート模様は左隻と右隻で色違いに描かれています。
望月玉渓《鳳凰図屏風》1928年 左隻 福田美術館 通期展示
このハートのような形は「猪目(いのめ)」といい、古来より日本で使われている伝統的な模様です。イノシシの目に由来し、魔除けなどの意味を持ちます。
想像上の鳥もリアルかつ美しく描き出した望月玉渓は、明治から昭和にかけて活躍した四条派の画家。大作である本作が展示される120畳の畳ギャラリーでは、他にもさまざまな花鳥画を堪能できます。
見どころ③QRコードを読み込んで鳥の鳴き声を聞こう
本展は「花鳥園」さながら、作品解説のみならず鳥の生態を学べるパネルも展示されるそうです。パネル内のQRコードを読み取ると、その鳥の鳴き声を聞くことも。本物の声を聞きながら名品を鑑賞する、おもしろい体験ができそうです。
また、夏休みには特別イベントが企画されています。特に注目したいのが、鷹匠イベント「文華館に鷹匠がやってくる!」です。鷹匠をお招きし、鷹匠にまつわるお話を聞き、鷹を飛ばす実演を間近で見ることができるそうです。
『文華館に鷹匠がやってくる! ~鷹匠によるお話&鷹狩り実演~』
開催日時:7月28日(日) 13:30〜14:30
ほかにも興味深いイベントが予定されています。ぜひ美術館公式ウェブサイトをご覧ください。
展覧会情報
『嵯峨嵐山かちょうえん』
会場:嵯峨嵐山文華館
会期:2024年7月13日(土)~2024年 10月1日(火)
◎前期:7月13日(土)~8月26日(月)
◎後期:8月28日(水)~10月1日(火)
開館時間:10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日:8月27日(火)、9月10日(火)、9月26日(木)
美術館公式ウェブサイト:嵯峨嵐山文華館
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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
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