Facebook X Instagram Youtube

EVENT

2021.6.24

日本美術からデジタルアートまで!7月から開催される 東京都内のおすすめ展覧会5選 | イロハニアート

東京都内の美術館や博物館では、7月も数多くの新たな展覧会がスタートします。さまざまなジャンルの中から、イロハニアート編集部おすすめの展覧会を5つピックアップしてみました。

パッケージデザインを通して知る日本の美意識と自然観

『包む-日本の伝統パッケージ』

木、竹、笹といった自然素材や陶器や和紙を用いた日本の伝統的パッケージ。その1つ1つには作り手の細やかな心づかいや手わざが込められています。

目黒区美術館で開催される『包む-日本の伝統パッケージ』では、戦前からアートディレクターとして活躍した岡秀行氏の収集したパッケージコレクションを紹介。食品や菓子、酒類などの包装や容器などが約400点公開されます。

一連のコレクションは2011年に同館の所蔵作品展として公開され、美術ファンの間で大変な評判を呼びました。それから10年。何かと簡易包装が推奨される昨今、改めて「包み」に込められた日本の美意識を再発見する機会となりそうです。

『包む-日本の伝統パッケージ』 目黒区美術館
開催期間:2021年7月13日(火)~2021年9月5日(日)
所在地:東京都目黒区目黒2-4-36
アクセス:JR山手線・東京メトロ南北線・都営三田線・東急目黒線「目黒駅」徒歩約10分。
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日。但し8月9日(月・休)は開館し、8月10日(火)は休館
料金:一般800(600)円、大高生・65歳以上600(500)円、中学生以下無料
 ※( )内は20名以上の団体料金
https://mmat.jp

まるで週刊誌の吊り広告?!チラシにもびっくりの『ざわつく日本美術』

ざわつく日本美術

サントリー美術館史上、最も珍奇な広告ビジュアルかもしれません。大変なインパクトのチラシに、思わず「えっ?」と声をあげた方も少なくないのではないでしょうか?

そうした「えっ?」、「おっ!」などといった「心のざわめき」に着目して日本美術品の魅力を探るのが『ざわつく日本美術』。通称『#ざわ美』です。各章にも 「ちょきちょきする」や「はこはこする」と風変わりなタイトルが名付けられています。

とはいえ、展示は良質として定評のあるサントリー美術館のコレクションを中心に構成。ユニークな視点から名品や珍品を紹介する、かつてなく面白い日本美術展になることでしょう。

なお同館では当日券価格よりもお得な事前料金を設定しています。前もってチケットをオンラインで購入してからお出かけください。

『ざわつく日本美術』 サントリー美術館
開催期間:2021年7月14日(水)~8月29日(日)
所在地:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンガレリア3階
アクセス:都営地下鉄大江戸線「六本木駅」出口8、及び東京メトロ日比谷線「六本木駅」より地下通路にて直結。
開館時間:10:00~18:00
 ※毎週金曜と土曜日、及び7月21日(水)、22日(木・祝)、8月8日(日・祝)は20時まで開館(入館は閉館の30分前まで)
休館日:火曜日。(8月24日は18時まで開館)
料金:一般1300円(1500円)、大学・高校生800円(1000円)、中学生以下無料
 ※オンライン購入料金。( )内は当日券価格
https://www.suntory.co.jp/sma/

「画家宣言」より40年。現代美術家、横尾忠則の全貌を目の当たりにする

GENKYO 横尾忠則  原郷から幻境へ、そして現況は?

1936年に生まれ、グラフィックデザイナーやイラストレーターとして脚光を浴びた後、画家としても世界的に評価される横尾忠則。その過去最大規模の展覧会が、東京都現代美術館にて開催されます。
今回注目したいのは、「作家による自伝」をテーマに企画された愛知県美術館の『GENKYO 横尾忠則』を自らリミックスして構成していることです。いわゆる巡回展ながらも、出品作品も半分も入れ替わり、新たな展覧会として立ち上がりました。

総出展数は実に500点以上。さらにコロナ禍の中、アトリエにこもって制作したという新作も20点公開されます。
横尾忠則の東京都現代美術館での個展は2002年の『森羅万象』展以来。当時は画家の熱気が美術館に乗り移ったかのような展示に圧倒されました。時代を切り開いてきた美術家の凄みのある作品世界を全身で体感してみてください。

『GENKYO 横尾忠則  原郷から幻境へ、そして現況は?』 東京都現代美術館
開催期間:2021年7月17日(土)〜10月17日(日)
所在地:東京都江東区三好4-1-1
アクセス:東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」B2番出口より徒歩9分。都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3番出口より徒歩13分
開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日。但し8月9日と9月20日は開館し、翌8月10日、9月21日は休館
料金:一般2000円、大学生・専門学校生・65歳以上1300円、中高生800円、小学生以下無料
 ※予約優先チケットあり
https://www.mot-art-museum.jp

クリエイターらが築く東京の新たなランドスケープ。『パビリオン・トウキョウ2021』

パビリオン・トウキョウ2021

1年延期され、開催が間近に迫った東京2020オリンピック・パラリンピック。 そのメインスタジアムである新国立競技場を中心に、旧こどもの城前や代々木公園パノラマ広場など都心9か所にて開かれるイベントが『パビリオン・トウキョウ2021』です。

イベントでは藤森照信や妹島和世、会田誠、草間彌生といった建築家や美術家らが、茶室や雲のパビリオンから焼杉を用いた庭園などを配置し、新たな都市のランドスケープを提案します。かつて見たことのない「トウキョウ」の光景が現れるのではないでしょうか。

さらに関連イベントとして、神宮前のワタリウム美術館では『パビリオン・トウキョウ2021展』が開催され、参加クリエイターのパビリオン制作時の図面やコンセプト映像が公開されます。回遊型のイベントですから、東京の魅力を再発見するべく町歩きを兼ねて楽しむのも良いかもしれません。

『パビリオン・トウキョウ2021』 新国立競技場周辺エリアを中心に都内9カ所
開催期間:2021年7月1日(木)~9月5日(日)
開館時間:10:00~18:00
 ※浜離宮恩賜庭園は9:00~17:00、高輪ゲートウェイ駅は初電から終電まで
休館日:なし
料金:一部パビリオンの鑑賞には入場料等が必要
https://paviliontokyo.jp

デジタルアートで体感!江戸時代を代表する5人の絵師たちの魅力

巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界

近年特に人気の高い伊藤若冲をはじめ、葛飾北斎や歌川広重など江戸時代に活躍した絵師たち。彼らの描いた浮世絵や金屏風などを圧倒的映像美で紹介する展覧会が、大手町の三井ホールで開催されます。

『巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界』では、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」や伊藤若冲の「仙人掌群鶏図」といった傑作を、3面ワイド45mスクリーンの巨大映像空間に投影。デジタル技術と映像演出を用いてスペルタクルに展開します。俵屋宗達と尾形光琳が描いた2つの「風神雷神図屏風」の競演も見どころです。

映像では浮世絵の繊維一本一本や屏風の素材の違いまでを再現し、作品のディテールにまで徹底的に踏み込みます。映像だからこそ楽しめるコンテンツとなりそうです。
上映は奇数日と偶数日で作品が変わるダブルプログラム。すでにスケジュールも公式サイトにて公開中です。日本の伝統と最新技術が融合した新感覚の展示として期待しましょう。

『巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界』 大手町三井ホール
開催期間:2021年7月16日(金)~9月9日(木)
所在地:東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One 3F
開館時間:10:30〜19:30(入館は閉館の60分前まで)
休館日:なし
料金:一般2000円、大学生・専門学生1500円、中高生1000円、小学生以下無料
https://faaj.art/2021tokyo/


日本美術や現代美術といったジャンルを問わず、美術館以外のイベントまでを幅広くセレクトしてみました。日頃の忙しい生活の中で、5つの全ての展覧会を追いかけるのは難しいかもしれませんが、きっと心を掴み取られるような美術との出会いがあるはず。お出かけの参考にして下されば嬉しいです。

なお今後、新型コロナウイルス感染症の状況等により、各展覧会の会期や時間の変更、また事前予約など入場の方法が変わる可能性があります。最新の状況は各館のウェブサイト、公式Twitterアカウントなどでご確認ください。

【写真6枚】日本美術からデジタルアートまで!7月から開催される 東京都内のおすすめ展覧会5選 | イロハニアート を詳しく見る

むらいさきの個展「Spring has come」南青山イロハニアートスタジオにて開催!2025.2.22(土)-2.24(月・祝)11時〜18時

はろるど

はろるど

  • twitter
  • homepage

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

はろるどさんの記事一覧はこちら