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2021.7.30

映像×音楽がコラボ!新感覚の日本美術エンターテインメント『巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界』展

7月16日、東京の「大手町三井ホール」にて新感覚のデジタルアートエキシビション『巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界』がスタートしました。イ・ロ・ハ・ニの4つのポイントから見所をご紹介します!

巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界

▲『巨大映像で迫る五大絵師』メイン会場。迫力ある映像と音楽が約20分続きます。

イ:まず知りたい!五大絵師、そして巨大映像とは?

桃山時代から江戸時代の間に活躍した、葛飾北斎、歌川広重、俵屋宗達、尾形光琳、伊藤若冲の5名の絵師たち。宗達の『風神雷神図屏風』や北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』といった作品は、CMなどで用いられる機会も少なくなく、実物を見ていなくとも、誰もが作品のイメージが頭に浮かぶはずです。そして近年、特に人気の高い伊藤若冲は、代表作『動植綵絵』(どうしょくさいえ)が国宝に指定されることが事実上決定するなど、いずれも日本美術史に燦然(さんぜん)と輝く存在として知られてきました。

そうした5名の絵師の作品から豪華絢爛な金屏風など全42作品を上映するのが、『巨大映像で迫る五大絵師』です。会場には縦7メートル、横45メートルの超大型3面ワイドスクリーンを設置。先進デジタル技術と高輝度4Kプロジェクターを複数台用いて作品を投影します。これまでに体験したことない圧倒的な映像美を味わいましょう!

巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界

▲メイン会場と同じく着席制の【解説シアター】。


ロ:超高精細デジタル画像の【解説シアター】で学びたい。五大絵師の作品の魅力

巨大映像を体感する前に見ておきたいのが、最初のスペースに設置された【解説シアター】です。ここでは上映作品の見どころを約20分の映像にて解説。作品の緻密な部分を超高精細デジタル画像にて拡大表示するため、例えば浮世絵では原作和紙の繊維の質感も目の当たりにできます。肉眼では分からないような絵師たちの筆の息遣いも肌で感じられることでしょう。

また宗達と光琳の2点の『風神雷神図屏風』の比較も面白いかもしれません。宗達が描き、約80年後に光琳が模写した屏風の違いとは何でしょうか? そうした疑問も、本格的な美術展のナレーションに初挑戦という、光浦靖子さんのソフトな語り口にて楽しく学べるのです。

巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界

▲横45メートルの超大型3面ワイドスクリーン。会場中央の少し後ろ辺りの座席もおすすめです。


ハ:絵画の世界へ入り込む。巨大映像と音楽が生み出す前代未聞のアートスペクタクル!

【解説シアター】の次にいよいよ登場するのが、巨大3面ワイドスクリーンが広がるメイン会場です。オープニングに「FIVE GREAT PAINTERS」と表示されると、いよいよ映像がスタート。光琳の『菊図屛風』や北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』、それに伊藤若冲の『仙人掌群鶏図』(さぼてんぐんけいず)といった作品が次々とスピーディーに映し出されます。また単に作品を拡大して映すのではなく、映像ならではの華やかな演出があるのも見どころです。例えば宗達と光琳の2点の『風神雷神図屏風』では、大胆にも風神と雷神を交互に並べて投影。実物を鑑賞するのとは全く違う観点から作品の面白さを引き出しています。

さらに数々の音楽番組をプロデュースした板谷栄司氏によるBGMも大変な迫力! ピアノや三味線、和太鼓などの楽器によってドラマティックな音楽が展開します。絵画の中に入り込むというよりも、もはや呑み込まれると表現した方が良いかもしれません。まさに新感覚のアートスペクタクル! 熱気に満ちたライブを前にしているかのようでした。

巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界

▲【Digital北斎 × 広重コーナー】。1台のモニターにてそれぞれ3〜5作品を鑑賞できます。撮影もOK。


ニ:記念撮影を楽しんだ後は【Digital北斎 × 広重コーナー】へ

約20分の映像スペクタクルが終わるとフォトタイムへ。上映作品をバックに自由に記念撮影を楽しめます。また出口のグッズ売り場へ続く【Digital北斎 × 広重コーナー】では、20億画素にデジタルリマスターされた『冨嶽三十六景』と『東海道五拾三次』から58作品を12台の4Kモニターで鑑賞できます。それぞれ描かれた場所を表すマップも展示されているのも分かりやすいです。

巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界

▲メイン会場。フォトタイムにて撮影。


美術鑑賞の常識を覆すような体験ができる『巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界』。監修は美術史家で岡田美術館館長の小林忠氏が担い、アンバサダーに歌舞伎俳優の尾上松也さんが就任しました。この夏、最もホットな映像と音楽による日本美術のエンターテインメントと言って良いでしょう。なお上映は作品が毎日入れ替わるダブルプログラムです。まずは公式サイトから「開催カレンダー」と「ダブルプログラム上映作品一覧」をチェックしてください!

巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界

【※9月17日20:00追記】2021年12月3日(金)より開催予定だった大阪巡回展は、新型コロナウイルス感染拡大のため開催中止となりました。今後の開催時期・会場などについては決定し次第公式サイトなどで発表されます。


『巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界』 大手町三井ホール

開催期間:2021年7月16日(金)~9月9日(木)
所在地:東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One 3F
アクセス:東京メトロ千代田線・丸ノ内線・半蔵門線・東西線、都営地下鉄三田線「大手町」駅C4出口直結。JR線「東京」駅徒歩12分。
開館時間:10:30~19:30
※最終入館は閉館の60分前まで
休館日:なし
料金:一般2000円、大学生・専門学生1500円、中高生1000円、小学生以下無料。
https://faaj.art/2021tokyo/

【写真6枚】映像×音楽がコラボ!新感覚の日本美術エンターテインメント『巨大映像で迫る五大絵師-北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界』展 を詳しく見る

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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

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