EVENT
2026.10.1
【東京国立博物館】開創700年記念「大徳寺 本朝無双之禅苑」で出会える天皇、名僧、戦国武将、大物茶人たち
京都・紫野にある洛北随一の巨刹、大徳寺。1326年の開創以来、後醍醐天皇をはじめ、織田信長や豊臣秀吉ら多くの歴史上の人物たちと関わってきた、まさに歴史の目撃者だ。
また「本朝無双の禅苑」と後醍醐天皇からも讃えられた大徳寺には、禅宗文化の中心として、優れた美術作品も蓄積されている。
10月14日から東京国立博物館でスタートする「開創700年記念 特別展 大徳寺」の見どころを紹介しよう。
①天皇に名僧、さらには戦国武将や大物茶人まで!錚々たる面々を見よ!
大徳寺は宗峰妙超(大燈国師)によって鎌倉時代末期に開かれた。以来、その法灯を受け継ぎ、朝廷や室町幕府の庇護のもと、多くの名僧を輩出した。その中には、「一休さん」でお馴染みの一休宗純や、江戸時代の沢庵禅師も含まれる。
重要文化財「一休宗純像」自賛、宗辨禅人請 室町時代・15世紀 京都・酬恩庵蔵【前期展示】
大徳寺を篤く信仰したのは、天皇や公家だけではない。堺の裕福な商人たち(堺衆)や、戦国三英傑に数えられる織田信長や豊臣秀吉、九州の大友宗麟らが名を連ねている。
本能寺で死した信長の葬儀が秀吉によって大徳寺で盛大に行われたエピソードは名高い。狩野永徳による信長の肖像画も今回展示される。
「織田信長像」狩野永徳筆 安土桃山時代・天正12年(1584)大徳寺蔵【後期展示】11/10(火)〜12/6(日)
また、千利休ら茶人たちとの縁も深い。利休切腹につながる事件の舞台となったのも大徳寺だ。こうして列挙しただけでも、錚々たる名前ばかりだ。彼らとの関わりは、大徳寺の700年の歴史を語る上で欠かせない。
②大徳寺に伝わる美の至宝たち!
禅宗は、鎌倉時代に宋(中国)から伝えられた。以来、室町時代にかけて最先端の中国文化の入り口であり続けた。
実際に茶道や水墨画、書院造りなど日本文化を形作るものは、禅宗寺院との関わりが深い。まさに禅宗文化は日本文化の礎の一つと言っても過言ではあるまい。
そして「無双の禅苑」と謳われた大徳寺には中国や日本の美術の名品が数多く伝わり、その中には国宝に指定されたものもある。
例えば、南宋の画家・牧谿の〈観音猿鶴図〉。
国宝「観音猿鶴図」 牧谿筆 中国 南宋時代・13世紀 大徳寺蔵 前期展示 10/14(水)~11/8(日)
桃山時代の絵師・長谷川等伯が心酔し、多くを学んだ作品として名高い。展覧会後期には、等伯のライバルでもあった狩野永徳の襖絵〈琴棋書画図襖〉も展示予定だ。
国宝「琴棋書画図襖」(部分)狩野永徳筆 室町時代・16世紀 京都・聚光院蔵【後期展示】11/10(火)〜12/6(日)
また、〈曜変天目〉や〈青磁刻花龍鳳文大花瓶〉など、茶の湯において「唐物」として珍重された品々も見逃せない。
重要文化財「油滴天目」中国北方 金時代・12〜13世紀 京都・龍光院蔵 11/25(水)〜12/6(日)展示
③大徳寺山門の世界、東博に再現!
数百年の歴史の中で大徳寺の伽藍は焼失を繰り返しては、その度に復興がなされてきた。
特に桃山時代、千利休によって上層部が造営され、「金毛閣」と名付けられた三門は、今では大徳寺の象徴となっている。
この三門は、通常は非公開となっているが、今回の展覧会の最終章では三門楼上に安置されている釈迦三尊像と、明治時代に寄贈された千利休像を展示することで、三門の世界を再現する。
普段は見ることのできない三門の世界をこの機会にじっくりと味わいたい。
大徳寺の宝は、書、仏像、絵画、そして茶器などの工芸品に至るまで幅広い。それらがこのように一堂に会する展覧会は41年ぶりであり、東京では初となる。
今回の展覧会を通して、日本文化の源流の一つとも言える禅の世界を体感してみてはいかがだろうか。
展覧会情報
◆開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」
会場:東京国立博物館 平成館
会期:2026年10月14日(水)〜12月6日(日)
開館時間:午前9時30分〜午後5時
※毎週金・土曜、11月1日・2日・22日は午後8時まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし、11月2日・23日・30日は開館)、11月24日
※11月30日は大徳寺展のみ開館(東博コレクション展は休館日のため観覧不可)
観覧料:一般2,300円、大学生1,300円、高校生900円(前売券は各200円引き)
※チケットの詳細はチケットページをご確認ください。
【公式】開創700年記念 特別展 大徳寺|東京国立博物館
https://daitokuji2026.exhn.jp/
画像ギャラリー
あわせて読みたい
-

EVENT
2026.07.09
【京都国立博物館・東京国立博物館】特別展「源氏物語 王朝のかがやき」両館が総力を挙げる大規模展が開催!
明菜
-

EVENT
2026.06.05
東京国立博物館 法隆寺宝物館で、佐々木蔵之介の声に導かれるサウンドイマーシブ体験『水と祈りの追憶』が開催
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.12.28
【ミュージアムシアター】約400年前の京の世界をのぞいてみませんか?VR作品『洛中洛外図屛風 舟木本』を上演
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.11.06
【国宝】「源氏物語絵巻」10年ぶりの全点公開!徳川美術館90周年記念展の見どころと国宝の歴史
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.06.27
特別展「江戸☆大奥」』が東京国立博物館にて開催!女性たちの栄枯盛衰の向こうに、もうひとつの江戸が見えてくる。
はろるど
-

EVENT
2025.05.23
大阪中之島美術館『日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!』縄文土器に若冲・応挙、現代美術まで…隠れた名品が集う
明菜
このライターの書いた記事
-

EVENT
2026.09.04
読者プレゼント実施中!【国立新美術館】ルーヴル美術館展 ルネサンスの見どころを解説
ヴェルデ
-

EVENT
2026.09.03
【東京都美術館】「百花繚乱~海を越えた江戸絵画」展 取材レポート!大英博物館の至宝が里帰り
ヴェルデ
-

EVENT
2026.08.25
パナソニック汐留美術館「長谷川潔展」レポート!メゾチントの巨匠が描いた静謐な美の世界
ヴェルデ
-

EVENT
2026.08.13
【取材レポート・国立西洋美術館】『版画家レンブラント』展。彼はなぜ版画家としても重要なのか?
ヴェルデ
-

EVENT
2026.07.29
【2026年夏・新宿】SOMPO美術館『山口華楊展』レポート!花鳥画家が生涯描き続けた「生命の美」とは
ヴェルデ
-

EVENT
2026.07.16
【取材レポート】三菱一号館美術館『“カフェ”に集う芸術家』展の見どころを写真とともに解説!
ヴェルデ

アート・ライター。大学ではイタリア美術を専攻し、学部3年の時に、交換留学制度を利用し、ヴェネツィア大学へ1年間留学。作品を見る楽しみだけではなく、作者の内面や作品にこめられた物語を紐解き、「生きた物語」として蘇らせる記事を目標として、『Web版美術手帖』など複数のWebメディアに、コラム記事を執筆。
アート・ライター。大学ではイタリア美術を専攻し、学部3年の時に、交換留学制度を利用し、ヴェネツィア大学へ1年間留学。作品を見る楽しみだけではなく、作者の内面や作品にこめられた物語を紐解き、「生きた物語」として蘇らせる記事を目標として、『Web版美術手帖』など複数のWebメディアに、コラム記事を執筆。
ヴェルデさんの記事一覧はこちら





