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2022.4.1
モディリアーニと北斎、それに「ふくらみ」のボテロまで。4月に見たいおすすめ展覧会5選
依然としてコロナ禍が続くものの、一部の地域に適用されていたまん延防止等重点措置も解除され、今年の春は遠くへのお出かけを考えている方も多いかもしれません。またすでに東京は見ごろを過ぎましたが、全国各地にて桜の満開のたよりが続々と伝えられています。
目次
4月も見ておきたい展覧会が目白押しです。東京、神奈川、そして大阪の美術館よりおすすめの5つの展覧会をご紹介します!
祝・開館20周年!自然豊かな環境に囲まれたポーラ美術館で楽しむ珠玉のコレクション
「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに2002年、神奈川県箱根町の仙石原に誕生したポーラ美術館。国立公園の豊かな自然に囲まれた建物には、西洋絵画、日本の洋画や版画、東洋陶磁、それにガラス工芸や化粧道具のコレクションがおさめられ、箱根はおろか東日本でも有数の美術館として人気を集めています。
そして2022年、ポーラ美術館の開館20周年を記念して行われるのが、『モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に』です。「光」をテーマに、ポーラ創業家2代目の鈴木常司が約40年かけて収集した、19〜20世紀を中心とする西洋と日本の近代絵画を紹介。あわせて従来のコレクションに含まれていない、近代と現代を結ぶ作家の作品が公開されます。
今回は館内の5つの展示室に加え、ギャラリー、ロビー空間、さらに屋外の森の遊歩道にまで作品が並ぶ、開館以来の最大スケールの展覧会です。アニッシュ・カプーアやゲルハルト・リヒター、それに杉本博司といった現代美術家らの作品にも要注目ですが、ポーラ美術館のコレクションの新たな可能性を探るまたとない機会となりそうです。
『ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に』 ポーラ美術館
開催期間:2022年4月9日(土)〜9月6日(火)
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
アクセス:箱根登山鉄道強羅駅より観光施設めぐりバス「湿生花園」行きに乗車、「ポーラ美術館」下車すぐ。小田急線・箱根登山鉄道箱根湯本駅より箱根登山バス「ポーラ美術館」(桃源台線)行きに乗車、「ポーラ美術館」下車すぐ。(所要時間約40分)
開館時間:9:00~17:00
※入場は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休。
料金:大人1800円、65歳以上1600円、大学・高校生1300円、中学生以下無料。
https://www.polamuseum.or.jp
国内外から作品が集結。エコール・ド・パリの画家、モディリアーニの創作のすべて
1983年に設立構想が発表されて約40年。今年2月に大阪市北区に開館した大阪中之島美術館は、真っ黒な直方体のユニークな建物でも人気を呼び、オープニングを飾った『Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―』は大盛況。地元の大阪だけでなく、全国から多くの美術ファンが詰めかけました。
この春、大阪中之島美術館にて開かれるのが、『モディリアーニ─愛と創作に捧げた35年─』です。イタリア出身のエコール・ド・パリの画家、アメデオ・モディリアーニの画業を紹介。フランスやイギリス、アメリカといった海外の作品から、国内の美術館が所蔵する油彩画や水彩、素描など約40点が公開されます。いずれも貴重な作品ばかりですが、スウェーデン生まれのハリウッド女優、グレタ・ガルボの愛蔵した『少女の肖像』の世界初出品にも注目が集まるかもしれません。
またモディリアーニに加えて、エコール・ド・パリの画家として交流したピカソやシャガール、それに藤田嗣治の作品も展示されます。わずか35歳で夭折したモディリアーニの芸術を、大阪に新しくできた真新しい美術館にて存分に味わいましょう。
『モディリアーニ─愛と創作に捧げた35年─』 大阪中之島美術館
開催期間:2022年4月9日(土)〜7月18日(月・祝)
所在地:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
アクセス:京阪中之島線渡辺橋駅2番出口より徒歩約5分。Osaka Metro四つ橋線肥後橋駅4番出口より徒歩約10分。
開館時間:10:00~17:00
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。※ただし5月2日、7月18日は開館。
料金:一般1800円、大学・高校生1500円、中学・小学生500円。
https://nakka-art.jp
世界の「HOKUSAI」を大英博物館のコレクションで楽しもう!『大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』展
江戸後期を代表する浮世絵師の葛飾北斎。国内でも屈指の人気を誇るだけでなく、すでに海外でも「HOKUSAI」として高い評価を得ていて、世界で最も有名な日本の芸術家と呼んでも過言ではありません。よって過去には何度も北斎の画業を紹介する展覧会が行われてきました。
サントリー美術館にて開催される『大英博物館 北斎 ―国内の肉筆画の名品とともに―』では、イギリスの大英博物館が所蔵する北斎の作品を中心に、国内の肉筆画などを公開。とりわけ還暦を迎えた60歳より90歳で亡くなるまでの30年間に注目して、北斎の芸術の真骨頂を浮き彫りにします。80歳を超えても旺盛に活動した北斎は、最晩年までに至るまで衰えを見せませんでした。
世界最大級の博物館として知られる大英博物館には、これまで複数のコレクターから入手した北斎の優品が多く収蔵されてきました。実に19世紀にまでさかのぼるという、北斎の作品を収集したイギリスのコレクターたちの「審美眼」も明らかになりそうです。
『大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』 サントリー美術館
開催期間:2022年4月16日(土)~6月12日(日)
所在地:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
アクセス:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結。東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結。東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩約3分。
開館時間:10:00~18:00
※金・土曜、および4月28日(木)、5月2日(月)~4日(水・祝)は20時まで開館
※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日。※ただし5月3日、6月7日は開館。
料金:一般1700円、大学・高校生1200円、中学生以下無料。
https://www.suntory.co.jp/sma/
西洋絵画の歴史をスコットランドの画家の作品とともにたどる。『スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち』展
イギリス、スコットランドのエディンバラにあるスコットランド国立美術館。1859年に開館して以来、名士による寄贈や作品の購入によって、世界でも有数の西洋絵画をコレクションする美術館として知られてきました。
東京都美術館で開催される『スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち』では、スコットランド国立美術館が誇る油彩画、水彩画、素描など全90点を公開。ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、スーラ、ルノワールなど、ルネサンスから19世紀後半までの西洋絵画の歴史をたどっていきます。
今年は『メトロポリタン美術館展』や『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』など、海外のコレクションによる充実した西洋絵画展が行われていますが、この展覧会ではゲインズバラ、レノルズ、ターナーといったイングランドの画家に加え、日本では見る機会の少ないレイバーン、グラントなどスコットランド出身の画家の作品も紹介されます。思わぬ魅力的な画家との出会いにも期待がもてるのではないでしょうか。
※神戸市立博物館:2022年7月16日(土)~ 9月25日(日)、北九州市立美術館:2022年10月4日(火)~11月20日(日)へと巡回予定。
『スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち』 東京都美術館
開催期間:2022年4月22日(金)~7月3日(日)
所在地:東京都台東区上野公園8-36
アクセス:JR線上野駅(公園口)から徒歩7分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅(7番出口)から徒歩10分。京成線京成上野駅(正面口)から徒歩10分。
開館時間:9:30~17:30 ※入場は17:00まで
休館日:月曜日。※ただし5月2日(月)は開館。
料金:一般1900円、大学・専門学生1300円、65歳以上1400円、高校生以下無料。
※日時指定予約制。
https://www.tobikan.jp
https://greats2022.jp
国内では26年ぶりの回顧展!「ふくらむ画家」、フェルナンド・ボテロの魅力とは?
「なぜこんなに丸々とふくらんでいるの?」と思わず声が出そうなほど、一目見て忘れられないユニークな作品を描くコロンビア出身の美術家、フェルナンド・ボテロ(1932年〜)。人物も動物も静物もふくらんでいるようなボリュームのある絵画を制作し続け、1950年代後半から欧米で高く評価されてきました。
すでにヨーロッパやアジアでも大規模な展覧会が開かれ、多くの人々の心を捉えているボテロですが、実に国内では26年ぶりの展示となるのが、Bunkamura ザ・ミュージアムでの『ボテロ展 ふくよかな魔法』です。今年生誕90年を迎えたボテロ本人の監修のもと、初期から近年までの油彩画、水彩画、素描など約70点の作品が展示されます。なお作品のほとんどは日本初公開となります。
ボテロの名が特に注目を集めたのは、1963年のメトロポリタン美術館にてレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』が公開された時のこと。ちょうど同じ時期にニューヨークの近代美術館にボテロの『12歳のモナ・リザ』が展示されて話題を呼びました。そして今回のチラシ表紙を飾る『モナ・リザの横顔』は2020年の作品です。「どうしてボテロはふくらんだ作品を描き続けてきたのか?」そうした謎も明かされるかもしれません。
『ボテロ展 ふくよかな魔法』 Bunkamura ザ・ミュージアム
開催期間:2022年4月29日(金・祝)~7月3日(日)
所在地:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
アクセス:JR線渋谷駅ハチ公口より徒歩7分。東京メトロ銀座線、京王井の頭線渋谷駅より徒歩7分。東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線渋谷駅A2出口より徒歩5分。
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は21:00まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日:5月17日(火)
料金:一般1800円、高校・大学生1100円、小・中学生800円。
※会期中の土日祝はオンラインによる入場日時予約制
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_botero/
※新型コロナウイルス感染症の状況等により、各展覧会の会期や時間の変更、事前予約など入場の方法が変わる可能性があります。最新の状況は各館のウェブサイト、公式Twitterアカウントなどでご確認ください。
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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