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2022.11.19
【読者プレゼント】森美術館にて『六本木クロッシング2022展』が開催。人・文化・自然のカラフルな交差を現代アートが映し出す
2022年12月1日 (木)から2023年3月26日 (日)まで、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」が森美術館にて開催されます。
目次
SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD 《ロードワーク》2017年 工事用照明器具、単管、チェーン、カラーコーン、ヘルメット、作業着、ビデオ、ほか サイズ可変 撮影:後藤秀二 画像提供:リボーンアート・フェスティバル2017(宮城)
「六本木クロッシング」とは?
今年は第7回目の開催
青木野枝 《ふりそそぐものたち/長崎》 2019年 鉄、ガラス 580×1,370×1,500 cm 展示風景:「ふりそそぐものたち」長崎県美術館2019年 撮影:山本 糾 画像提供:ANOMALY(東京) ※参考図版
森美術館が3年に一度、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として、 2004年以来共同キュレーション形式で開催してきたシリーズ展です。
第7回目となる今回は、 1940年代~1990年代生まれの日本のアーティスト22組を紹介します。 既に国際的な活躍が目覚ましいアーティストたちから今後の活躍が期待される新進気鋭の若手まで、 創造活動の交差点となる展覧会です。
サブタイトル「往来オーライ!」に込められた思いとは?
AKI INOMATA 《彫刻のつくりかた》 2018年- インスタレーション サイズ可変 Courtesy:公益財団法人 現代芸術振興財団(東京) 展示風景:「彫刻のつくりかた」公益財団法人 現代芸術振興財団 事務局(東京)2021年 撮影:木奥惠三
サブタイトル「往来オーライ!」には、歴史上、 異文化との交流や人の往来が繰り返され、複雑な過去を経て、現在の日本には多様な人・文化が共存しているという事実を再認識しつつ、コロナ禍で途絶えてしまった人々の往来を再び取り戻したい、という思いが込められています。
このような文脈において、日本の現代美術やクリエーションとは何かをあらためて広い視野から検証し、先の見えない明日を鑑賞者も一緒に考えていく内容となっています。
『六本木クロッシング2022展』を紐解く3つの鍵とは
①新たな視点で身近な事象や生活環境を考える
市原えつこ+ ISIDイノラボ 《都市のナマハゲーNamahage in Tokyo》 2017年 VRゴーグル、ドローン、防毒マスク、電子パーツ、プラモデル、ミノ、ほか サイズ可変 ※参考図版
コロナ禍により、 私たちは身近な事象や生活環境をより強く意識するようになりました。 これは、 東日本大震災を経た日本で、 自然や環境について関心が高まったことの延長線上にあると言えるでしょう。 そんな意識を通じて、 私たちは未来を考えることが求められています。
本展では、AKI INOMATAによるビーバーにかじられた木材を基に 制作された立体作品シリーズ、 コロナ禍での生活環境の変化を起点 に奇想天外な未来を志向する市原えつこ、 身近な環境を変容させるインスタレーションを発表する玉山拓郎、 青木野枝による自然現象に 想を得た大型立体作品、 竹内公太が福島県の放射能汚染による立入制限区域で撮影した写真を含むインスタレーションなどを紹介します。
② さまざまな隣人と共に生きる
金川晋吾 《長い間》 2011年 インクジェットプリント 28.3×35.7 cm
今、遠隔のコミュニケーションにより働き方の選択肢が増えたり、多拠点生活が可能になっています。 このようにコロナ禍がもたらした変化は、個々人の属性や家庭環境、社会的状況によりさまざまであり、多様な隣人がいることに気づかされました。
本展では、変わりゆく世界を見つめながら、さまざまな隣人たちを描くO JUN の絵画、失踪していた伯母と再会し、その後の姿を撮影し続けた金川晋吾によるポートレート写真、キュンチョメによるトランスジェンダーを主題とした映像作品などを紹介します。
「ダイバーシティ」や「LGBTQ+」という言葉を意識した取り組みが加速度的に増える一方で、そうした言葉の影に隠されてしまうもっと見えにくい差異も含めて、さまざまな人たちが共に暮らす今日の社会の姿を考察します。
③日本の中の多文化性に光をあてる
呉夏枝 (オ・ハヂ) 《空白いろのきおくに浮かぶ海女の家/船(えぶね)》 2018 金沢で集めた古着や布(麻長襦袢 木綿晒など)、亜麻、 陶器重り、釣針、サイアノタイププリント サイズ可変 展示風景: 「東アジア文化都市2018 金沢 変容する家」 金沢 21世紀美術館 撮影 : 木奥惠三 ※ 参考図版
コロナ禍で海外からの人流が途絶えたにもかかわらず、 海外にルーツを持ちつつ日本で生活している人たちの姿を日常的に目にします。インバウンド・ブームの陰で見えにくくなっていた、この国には多様な民族が共生しているという事実がより見えやすくなったといえるでしょう。顧みれば現在の日本は、アイヌや沖縄、 中国系、コリア系といったさまざまな人々が、政治的変化や複雑な歴史を経て共に暮らす場となっています。昨今、世界中で民族・文化的に周縁とされてきたものに対する再評価の動きがあるなかで、連綿と続いてきた日本の中の文化的多様性に光をあて、新しい時代を共に考える必然性があるのではないでしょうか?
本展では、池田宏によるアイヌの人々を主題とした映像インスタレーション、 住み慣れた場所を離れる最後の時間を撮影した石内都の写真作品、海路による人々の往来を主題にテキスタイルで物語を紡ぎ出す呉夏枝や潘逸舟による移住・移転をテーマにした作品、 石垣克子と伊波リンダという沖縄出身のアーティストによる作品などを紹介します。
開催概要
展覧会名: 「六本木クロッシング 2022展: 往来オーライ!」
主催 : 森美術館
企画:天野太郎 (東京オペラシティアートギャラリーチーフ・キュレーター)、
レーナ・フリッチュ (オックスフォード大学アシュモレアン美術博物館 近現代美術キュレーター)、
橋本 梓(国立国際美術館主任研究員)、
近藤健一(森美術館シニア・キュレーター)
入館料:〔平日〕当日窓口
一般1800円、高校・大学生1200円、子供600円、シニア1500円。
(オンライン 一般1600円、高校・大学生1100円、子供500円、シニア1300円)
〔土・日・祝〕当日窓口
一般2000円、高校・大学生1300円、子供700円、シニア1700円。
(オンライン 一般1800円、高校・大学生1200円、子供600円、シニア1500円)
会期: 2022年12月 1日 (木)-2023年3月26日 (日)
会場: 森美術館 (東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
開館時間: 10:00-22:00 (火曜日のみ 17:00まで、 ただし 1月3日[火] 3月21日 [火・祝] は 22:00まで)
*入館は閉館時間の30分前まで *会期中無休
*当館の新型コロナウイルス感染症対策への取り組みについてはウェブサイトでご確認ください。
https://art-view.roppongihills.com/jp/info/countermeasures/index.html/
読者プレゼント
本展のチケットを「5組10名様」にプレゼント!
締切は2022年11月30日まで。
※当選は発送をもって代えさせていただきます。
応募はこちら
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アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
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