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2023.4.26
【5組10名様にチケットプレゼント】生命力あふれる、美しい世界へ。リサ・ラーソンの展覧会が松屋銀座にて開催!
1931年にスウェーデンで生まれた陶芸作家のリサ・ラーソン。明るい色彩によるネコやライオンといった動物フィギュアや人物像、または建物のレリーフの作品などで知られ、日本はもとより世界中の人々から人気を集めています。
目次
『ライオン(マキシ)/アフリカシリーズ』 本モデルは 1968年から製造。本作品は1968〜1980年頃に製造。
そのリサ・ラーソンの国内では4回目となる『リサ・ラーソン展』が、東京の松屋銀座8階イベントスクエアにて開催。「既に知られている」と「まだ知られていない」をキーワードに、約250点もの作品を通じてリサ・ラーソンの創作の全貌に迫ります。見どころをご紹介します。
見どころ①動物フィギュアから丸みを帯びた女性像まで。グスタフスベリ社での仕事をたどる
『立っているネコ/小さな動物園シリーズ』 製造1956〜1978年©Lisa Larson/Alvaro Campo
まず「既に知られている」リサ・ラーソンとは…? それはお馴染みの愛すべき動物や子どもたち、また丸みを帯びた女性の彫像といった、主にグスタフスベリ社で制作されたさまざまな陶芸作品のことです。
『ドーラ/ABC 少女シリーズ』 製造1958〜1973年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
リサ・ラーソンの作品に特徴的なモチーフのひとつとして挙げられるのが、個性豊かで自立した女性たちの彫像です。1950年当時、ヨーロッパのモードではウェストの引き締まった体型が女性の理想とされていましたが、「ABC少女」シリーズに代表されるリサ・ラーソンの女性像はふくよかなすがたを見せています。
力強い筆さばきの装飾もグスタフスべリ社で仕事をしていた頃によく見られた表現です。作品の模様には幾何学的なフォルムや有機的で蔓(つる)の巻きひげのような装飾が施されています。これは歴史的な装飾技法が施された陶器と、紙に描かれたカリグラフィーの両方からインスパイアされました。
『日本女性』 製造1958〜1973年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
このように展示では人物を造形したり、表面に模様を描いたりするなど、大量生産品の素材として粘土を駆使したリサ・ラーソンの卓越した技量を紹介していきます。
見どころ②レアで希少な作品も公開!まだ見たことのないリサ・ラーソンの創作を楽しむ
『文様のあるレリーフ状のミラーフレーム』(ユニークピース) 1953年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
一方で「まだ知られていない」リサ・ラーソンとはどのようなものでしょうか? これはグスタフスベリ社やリサ・ラーソン個人の工房で制作した一点もののこと。いずれも過去の展覧会や出版物に登場する機会の少なかったレアで希少な作品です。
『青いトリ』(ユニークピース) 1955年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
1950年代に制作された鳩をモチーフとした絵画は、リサ・ラーソンが唯一手がけたエナメル画の作品です。また1966年から翌年にかけ、カリフォルニア大学バークレー校でリサ・ラーソンがピーター・ヴォーコスに師事していた時に制作した、キャンドルホルダーも大変に珍しい作品といえるかもしれません。
『初期の人物像』(ユニークピース) 1952年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
このほかにもヨーテボリのデザイン工芸学校で学んでいた時に作られた、有機的かつ幾何学的な文様を使った装飾性豊かなミラーフレームや資料、さらにグスタフスベリ社で制作された初期の炻器(せっき)も出品されます。
またよく知られる動物フィギュアでも、大規模に量産された作品だけでなく、少量の生産だったために希少価値が高く、コレクターたちが探し求めているような作品も展示されます。つまり「まだ見たことのない」リサ・ラーソンを楽しむことができるのです。
見どころ③人生のパートナー、グンナル・ラーソンとの深い関係とは?ふたりの作品を見比べよう
グンナル・ラーソン『無重力の中で上昇』 1950年代 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
1952年にリサは、画家であり版画家のグンナル・ラーソンと結婚し、2020年にグンナルが亡くなるまで、人生の最良のパートナーとしてだけでなく、芸術家としても親密な対話を保ち続けました。
『彫文風景図花器』(ユニークピース) 1970年代 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
そしてリサはグンナルに影響を受けると、グンナルもまたリサからインスピレーションを得ます。実際にグンナルはリサと同じように粘土を用いて彫刻やレリーフを制作していて、ふたりとも風景、人物、抽象的な模様をモチーフに用いました。
グンナル・ラーソン『彫刻花器』(ユニークピース) 1966年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
こうしたグンナルの絵画、陶器、ガラスなどの作品も公開し、両者の作品に見られる類似性などを明らかにします。そこからは70年余りにわたって築かれたふたりのアーティストとしての信頼に満ちた対話を感じ取ることができるのではないでしょうか。
『旧市街』 製造1963〜1978年 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
展示は鹿児島市立美術館(2023年3月24日~5月7日)を皮切りに、松屋銀座(2023年5月17日~6月5日)や滋賀県立陶芸の森陶芸館(2024年3月2日~5月26日)など全国6会場を巡回。関東での開催地は松屋銀座のみとなります。※2023年4月現在。日程・会場は変更になる場合があります。
『ヴィー』誌 1995年21号 ©Lisa Larson/Alvaro Campo
デザインにおいて女性の地位を向上させ、陶芸の可能性を広げることに貢献したリサ・ラーソン。91歳を迎えたいまもなお、自らのペースで楽しみながら一点ものの作品を作り続けています。親しみやすくも独創的なデザインと、生命力にあふれた美しい作品を目にするとともに、長きにわたる創作の軌跡を、『リサ・ラーソン展 知られざる創造の世界―クラシックな名作とともに』にてたどってください。
読者プレゼント
本展のチケットを、アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で「5組10名様」にプレゼント!
締切は5/11(木)まで。
たくさんのご応募をお待ちしております。
https://forms.gle/fSZuAVeogFWsJqhe6
展覧会情報
『リサ・ラーソン展 知られざる創造の世界 ― クラシックな名作とともに』
松屋銀座8階イベントスクエア
開催期間:2023年5月17日(水)~6月5日(月)
所在地:東京都中央区銀座3-6-1
アクセス:東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座駅」A12番出口より直結
開館時間:10:00~20:00
※日曜日は19:30まで。最終日は17:00閉場
※入場は閉場の30分前まで
会期中無休
観覧料:一般・大学生1500(1200)円、高校生・中学生700(500)円、小学生300(200)円、ペア券2500(2000)円
※未就学児無料
※ペア券は一般・大学生の2名が入場可
※( )内は前売り料金。前売券はアソビュー!、ローソンチケットにて4月21日から5月16日まで販売予定
https://lisalarson.jp/
https://www.matsuya.com/ginza/
画像ギャラリー
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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