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NEWS

2023.8.10

「歌川広重 山と海を旅する」が太田記念美術館で開催中!日本初公開作品を含んだ本展の見どころを紹介。

2023年8月1日(火)~8月27日(日)まで「歌川広重 山と海を旅する」が開催しております。全国公開は日本では初とされる『山海見立相撲』や『六十余州名所図会』など、全20図が集結します。画家たちに新たなアイデアや美学、創造性を与えた歌川広重について「作品の特徴」「展示の特性」の2点を中心にご紹介いたします。

本展のメインヴィジュアル

歌川広重って?

歌川国貞『歌川広重の死絵』(※こちらの作品は本展では展示しておりません), Public domain, via Wikimedia Commons

歌川広重とは、江戸時代後期に活躍した日本の代表的な浮世絵師です。
彼の作品は風景画が中心であり、代表作として『東海道五十三次』シリーズや『名所江戸百景』シリーズがあげられます。当時の人々は旅への関心が強かったため、本シリーズが人気になったとも考えられています。
そんな彼ですが、初めから風景画を描いていたわけではなく、役者絵や美人画なども制作しており、幅広いジャンルで活躍していました。手掛けた作品は約2万点にも及びます。
彼の作品は、特に印象派やポスト印象派の画家たちに大きく影響を与え、西洋の画家であるゴッホやモネもその一人です。

西洋画家のゴッホに影響を与えた歌川広重の作品

なかでもゴッホは、浮世絵の研究のため複数の浮世絵作品を模写するほど、彼の作品は衝撃的で魅了されました。
画家たちに新たなアイデアや美学、創造性を与えた歌川広重について「作品の特徴」「展示の特性」の2点を中心にご紹介いたします。

歌川広重『名所江戸百景 亀戸梅屋舗』(※こちらの作品は本展では展示しておりません), Public domain, via Wikimedia Commons

ゴッホ『花咲く梅ノ木※広重作品模写』(※こちらの作品は本展では展示しておりません), Public domain, via Wikimedia Commons

歌川広重『名所江戸百景 大はしあたけの夕立』(※こちらの作品は本展では展示しておりません), Public domain, via Wikimedia Commons

ゴッホ『雨の大橋※広重作品模写』(※こちらの作品は本展では展示しておりません), Public domain, via Wikimedia Commons

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歌川広重の作品の特徴とは?

彼の作品の多くは、美しい景観と奥行きを感じられる構図が特徴的です。
奥行きを感じられる主な理由は「遠近法」と「俯瞰」が関係しています。

奥行きを感じられる理由1:遠近法

歌川広重『東海道五拾三次之内 原 朝之富士』(※こちらの作品は本展では展示しておりません), Public domain, via Wikimedia Commons

前方には人物などを描いて風景の広がりを表現し、遠くには山々を描くこと視覚的に深さを生み出しています。この前方と遠方の対比は、作品に立体感や遠近感を表現するのに最も効果的な手法だとされています。

奥行きを感じられる理由2:俯瞰・鳥瞰図

歌川広重『名所江戸百景 水道橋駿河台』(※こちらの作品は本展では展示しておりません), Public domain, via Wikimedia Commons

また、歌川広重の作品では、視点の高さを変えて描かれた作品もあります。
普段の生活ではあまりみることのできない、高い場所から俯瞰した構図からは、広大な景色や地形の美しさが強調されています。風景の細部である、自然や建物、人物の小物まで丁寧に描かれており、彼の高い観察力が作品に表れていることが分かります。

その人気は国外にも

歌川広重『名所江戸百景 日本橋雪晴』(※こちらの作品は本展では展示しておりません), Public domain, via Wikimedia Commons

冒頭でもお話した、彼の代表作『東海道五十三次』『名所江戸百景』シリーズでは、美しい自然風景が青い空や水に映えるように描かれています。
海を描いた青色の作品は、欧米では「ヒロシゲブルー」と呼ばれており、日本のみならず、国外でも高い評価を得ています。
日本の伝統的な建築や文化をそのまま作品へ反映しているため、彼の作品は、現代では江戸時代の生活を伝える貴重な資料になっています。

太田記念美術館の「歌川広重 山と海を旅する」展の特徴って?

歌川広重『山海見立相撲 越中立山』

今回開催される展覧会のテーマは「山と海」です。
全国公開は日本で初めてとされる『山海見立相撲』や『六十余州名所図会』など、全20図が集結します。
歌川広重が訪れた名所が描かれた資料や、スケッチなども展示されているため、作品制作の様子やバッググラウンドを知ることができます。

歌川広重『六十余州名所図会 上野 榛名山雪中』

歌川広重が描く絶景の数々に、旅する気持ちになること間違いなしですね。
「歌川広重 山と海を旅する」展、皆さま足を運んでみてはいかがでしょうか。

展示会情報

「歌川広重 山と海を旅する」
会期:2023年8月1日(火)~8月27日(日)
会場:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
開演時間:10:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:月曜日
入館料:一般800円、大高生600円、中学生以下無料
公式サイト:「歌川広重 山と海を旅する」
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

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イロハニアート編集部

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アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。

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