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NEWS

2023.9.13

【青森】松⼭智⼀の⽇本初となる⼤規模個展が開催!『松⼭智⼀展:雪⽉花のとき』

弘前れんが倉庫美術館では、2023年10⽉27⽇(⾦)から2024年3⽉17⽇(⽇)まで、2023年度秋冬プログラムとして、現代美術家 松⼭智⼀(まつやま ともかず)の⽇本初となる⼤規模な個展が開催します。

松⼭智⼀(1976年⽣まれ)は、ニューヨークを拠点に活動し、鮮やかな⾊彩と精緻な描線による絵画や、⼤規模なパブリック・アートとしての彫刻など、⼤胆さと繊細さを併せ持った作品を発表しています。

松⼭智⼀《Hello Open Arms》2023 年 個⼈蔵

そんな注目を浴びる松⼭智⼀の⽇本初となる⼤規模個展『松⼭智⼀展:雪⽉花のとき』をご紹介します。

現代美術作家、松⼭智⼀(まつやま ともかず)とは?

Photo: Akira Yamada (プロフィール画像)

松⼭智⼀は、1976年岐⾩県⽣まれ、上智大学卒業後の2002年に渡米し、アメリカの名門美大であるNY Pratt Instituteに入学。


これまでにニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどのアメリカ主要都市をはじめ、日本、香港、台北、ドバイ、ルクセンブルクなど、世界各地のギャラリー、美術館、大学施設などで個展や展覧会を開催しています。


また、かつてキースヘリングやバンクシーも描いたアメリカで最も有名なバワリーミューラルでの壁画制作や、⼤規模なパブリックアートプロジェクトなども手がけているほか、ファッション企業とのコラボレーションも行っています。


彼の作品は、東洋と西洋、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素が見られ、複雑に組み合わされた⼤量のイメージ群は、これは日本とアメリカの両国で育ち、世界の多様性を実践してきた、松山自身の経験が反映されています。

本展覧会『松⼭智⼀展:雪⽉花のとき』について

松⼭智⼀《People With People》2021 年 セーニャ・アンド・カンパニー蔵

本展は、松⼭がコロナ禍を前後する時期に制作した近作と本展で初めて発表される新作を中⼼に、アーティストとしての進化と深化の過程を紹介し、作家の新たな魅⼒を発⾒する機会となることでしょう。

作家にとって初の⼤規模個展で近年の代表作を⼀望の下に紹介

松⼭智⼀《20 Dollar Cold Cold Heart》2019 年 個⼈蔵

2009年、ニューヨークのギャラリーで開催された初個展から14年、本展は年々活動の幅を広げながら、精力的に作品発表を続ける、松⼭の作品を紹介する⽇本初の美術館での個展です。


出品作品には、⼤⼈数のスタッフと制作を⾏ってきた松⼭が、コロナ禍でスタジオ制作ができなくなった際、遠隔でスタッフたちとの制作を試みた作品、松⼭がたったひとりで制作した作品、コロナ禍を通じて松⼭が創作活動の意味を問い続けている近年の作品群も展示します。


また、ミュージシャンのゆずからの呼びかけで実現した絵画作品など、松⼭の活動を代表する作品が含まれており、本展は松⼭の代表作を⼀望できる機会となります。

初公開の新作、および⽇本未公開の作品を多数展⽰

松⼭智⼀《Cluster 2020》2020 年 個⼈蔵

本展では、初公開の新作9点を含む⽇本初公開作品23点に加え、近年の絵画や彫刻、計30件を展示。


東⻄や時代を超える多種多様なイメージ群のコラージュから生み出された緻密な絵画、パブリック・アートとして屋外設置されることも多いステンレス・スチール製の⽴体作品など、松⼭の代表的な作品がご覧になれます。


また、嵌⽟眼(かんぎょくがん)や京都の截⾦職⼈(きりがねしょくにん)による截⾦⽂様などの伝統技法と、FRP(繊維強化プラスチック)にポリウレタン塗装という新旧の彫刻技法が融合した、極彩⾊の⽴体作品2点が日本初出品します。

制作の背景を知ることのできる展⽰構成

松⼭智⼀《This is What It Feels Like ED.2》2023 年 個⼈蔵

松⼭の制作は、作家が日常的におこなっている伝統的な美術に関するリサーチと、日常生活の中で収集した⼤量のイメージ群とが⾃在に組み合わされることで⽣まれます。


1枚の絵画作品や1体の彫刻には、10〜20にも及ぶような古今東⻄のイメージの参照があり、それらを松⼭自身が取捨選択をし、自身の手で組み合わせて表現します。


本展では、普段⽬にすることのできない制作の過程で引用した、資料やスケッチなども紹介し、松⼭の作品世界の⼀端を解き明かしていきます。

タイトル「雪⽉花のとき」について

松⼭智⼀《Wheels of Fortune》2020 年 個⼈蔵

タイトルの「雪⽉花のとき」とは、中国の唐代中期の詩⼈である⽩居易(⽩楽天・772-846 年)が著した詩の⼀節からの引用です。同詩は、官吏として各地を転々としながら詩作を続けた⽩居易が、遠く離れた⼟地にあるかつての部下で友⼈でもある殷協律を、季節が変わっても思いつづける気持ちを詠ったもの。


そこに込められた思いは、⽇本とアメリカという⾃らのルーツとなった⼟地と、中国やヨーロッパなど世界の視覚芸術の歴史を形作ってきた⽂化、そしてハイアートとカウンター・カルチャーやポップ・カルチャーまで、等しく⾃らのフィールドとして向き合っていこうとする松⼭の姿勢に重なります。


加えて、英語のタイトル「Fictional Landscape」は、松⼭の代表的なシリーズ作品です。⾝近なもののようでありながら「ここにはないどこか」へと通じる、想像⼒によって⽣まれるもう⼀つの世界を表します。

最後に…

会期中には、展覧会のオープニングに際して出展作家の松⼭智⼀⽒と地元の若者のトークセッションを「アーティスト×ユーストークセッション」開催します。


さらに当館学芸スタッフが⼀緒に館内を巡りながら展覧会の⾒どころを紹介する学芸スタッフによるギャラリーツアー 、本展の出品作品のうち1点を当館学芸スタッフとともにじっくりと鑑賞する「じっくりと作品をみる会」など、さまざまな関連プログラムが企画されています。

ぜひ足を運ぶ際にはそちらの関連プログラムも合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか?

展覧会情報

弘前れんが倉庫美術館 2023 年度 展覧会[秋冬プログラム]
松⼭智⼀展:雪⽉花のとき

会期:2023 年 10 ⽉ 27 ⽇(⾦)− 2024 年 3 ⽉ 17 ⽇(⽇)
会場:弘前れんが倉庫美術館(⻘森県弘前市)
時間:9:00−17:00(⼊館は閉館の 30 分前まで)
休館日:⽕曜⽇、年末年始[2023 年 12 ⽉ 25 ⽇(⽉)−2024 年 1 ⽉ 1 ⽇(⽉)]
    ※ただし、2024 年 1 ⽉ 2 ⽇(⽕)、1 ⽉ 3 ⽇(⽔)は開館
ウェブサイト:松⼭智⼀展:雪⽉花のとき

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新 麻記子

新 麻記子

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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

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