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2022.10.13
日本初公開作品を100点以上展示!「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」展
マリリン・モンローやキャンベルのスープ缶のアート作品でお馴染みのアンディ・ウォーホル。
そのポップでキュートな作風は多くの人々に親しまれ、さまざまなアパレルブランドとのコラボレーションを果たし、一度はその作品を目にしたことのある方もいらっしゃるはず。
現在、ポップ・アートを牽引したアンディ・ウォーホルの大回顧展「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」展が京都市京セラ美術館にて開催中!
そちらの会場の模様も合わせてご紹介します。
アンディ・ウォーホルってどんな人?
アンディ・ウォーホルは、画家・版画家・芸術家としてポップ・アートを牽引しただけでなく、ロックバンドのプロデュースや映画制作なども手掛けたマルチ・アーティストです。
そんな彼は、スロヴァキア出身のアメリカ移民の父と母の三男として、1928年8月6日にアメリカのペンシルベニア州ピッツバーグに生まれ、本名はアンドリュー・ウォーホラといいます。
アンディ・ウォーホルは高校卒業後、カーネギー工科大学に進学し、絵画デザインについて学びました。1949年大学卒業後は商業デザイナーとして、ニューヨークでキャリアをスタートさせ、『ヴォーグ』や『ハーパース・バザー』などの雑誌広告やイラストを手掛け成功を収めます。
注文主からのさまざまなリクエストに応えるなかで、イラストの複製に適したトレースと転写を用いる版画技法「ブロッテド・ライン」を確立しました。
アンディ・ウォーホル《ウィリアム・ジョン・ケネディ》2021年
そんな彼は30代でイラストレーションの世界を捨て、アーティストとして本格的に制作を開始。
1960年代以降はニューヨークに「ファクトリー」と称するスタジオを設け、版画技法のシルクスクリーンを用いた「大量生産」のアジテーション(扇動)とも呼べる作品を次々と発表しました。
アンディ・ウォーホルは、目覚ましい経済成長のさなかにあったアメリカの大量消費社会を背景に、アートに大衆的なものを取り込むことで、アートをそれまでの伝統的な縛りから解放しました。
そして、大衆的なモチーフを反復することにより、これまでの芸術に対する価値観を反覆し、またアートをビジネスに変える大きな役割を果たしました。
ポップ・アートとは?
上:アンディ・ウォーホル《キャンベル・スープ》1968年、下:アンディ・ウォーホル《ブリロの箱》1964年
ポップ・アートとは、1950年代半ばにイギリスではじまり、アメリカで花開いた芸術運動のひとつ。以前からの主流であった抽象表現主義の模範的なイメージを脱却すべく起こった前衛運動とされています。
大量生産・大量消費を繰り返す現代社会をテーマに表現しており、雑誌や広告、報道写真、コミックなどを素材とし、作品内に大衆に共通するシンボリックなイメージが多く用いられました。
また、当時広く普及していた人気商品や数多くの有名人をモチーフに、ポピュラーカルチャーを積極的に取り込む姿勢から、新たなポップ・カルチャーを定義し、アートのみならず音楽、ファッション、マスメディアなど、さまざまなジャンルの表現に今尚影響を与えつづけています。
初期から晩年の作品を包括的に鑑賞できる本展覧会
会場風景 背景作品:アンディ・ウォーホル《最後の晩餐》1986年
本展覧会はアメリカ・ピッツバーグにあるアンディ・ウォーホル美術館のコレクションのみで構成されています。
門外不出の《三つのマリリン》や大型作品の《最後の晩餐》のほか、日本初公開の100点以上を含む約200点の絵画や彫刻作品などが展示されています。
会場では、第1章「ピッツバーグからポップ前夜のニューヨークへ」、第2章「ウォーホルと日本そして京都」、第3章「『ポップ・アーティスト』ウォーホルの誕生」、第4章「儚さと永遠」、第5章「光と影」と、大きく5つの章で紹介されています。
商業イラストレーターとして活躍していた初期作品から、ムーブメントの中心に存在した彼の代表作が並ぶ中期作品、宗教的なテーマを主題とした最晩年の作品まで包括的に展示され、時代背景と照らし合わせながらあらゆる視点で労作を楽しめます。
アンディ・ウォーホルが愛した日本、そして京都!
本展覧会は、全国各地への巡回展がなく、京都会場のみの開催となります。
どうして京都なんだろう? と疑問を感じた方もいらっしゃるはず…その理由は、1956年、1974年、2度に渡り、アンディ・ウォーホルが京都の地を訪れているからです。
第1章「ピッツバーグからポップ前夜のニューヨークへ」では、商業イラストレーターとして一躍評判となった時期の作品が紹介され、モノタイプの版画技法「ブロッテド・ライン」を用いたイラストを中心に、京都での旅からの影響ともいわれている金箔の技法を使用した作品も展示されています。
また、第2章「ウォーホルと日本そして京都」では、知られざる京都とのゆかりを示す作品や資料をご覧になることができます。僧侶や舞妓を描いたイラストやお土産で購入した2着の着物、そして葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を元につくられた作品から日本愛を感じられることでしょう。
また、今回の展示に向けて調べられた、ウォーホルが辿ったとされている京都各地での足取りも紹介されています。
最後に…
本展覧会公式ウェブサイトではトークプログラムのレポートをはじめ、ウォーホルの魅力を改めて解き明かすインタビューコラム、そして展覧会のテーマソングになっているDaiki Tsuneta Millennium Parade の「Mannequin」に合わせたPR映像がご覧になれます。
また会場では特設ミュージアムショップもオープンし、京都の老舗とのコラボレーションによるグッズをはじめ、ステーショナリー、アパレルなどの充実したさまざまなオフィシャルグッズが店頭に並んでいます。
本展覧会を盛り上げてくれる公式ウェブサイトやミュージアムショップからもアンディ・ウォーホルの息遣いを感じてみてください。
取材・撮影・文:新麻記子
展覧会情報
「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」
会期:2022年9月17日~2023年2月12日
会場:京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」
京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館)、12月28日~1月2日
画像ギャラリー
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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
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