STUDY
2022.9.13
コロナ禍で変化したシステムも!ヨーロッパ旅行で効率よく美術館巡りをする方法
規制が緩和され、海外旅行をする人が少しずつ増えています。旅先で美術館巡りを計画している人もいるのではないでしょうか。
目次
そこで今回は、先日筆者が訪れたパリとベルリンの美術館を中心に、効率よく巡るコツをご紹介。コロナ禍で生まれた新たなシステムについても解説します。
初心者でも簡単に利用できるので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
コツ①アート好きならミュージアムパスを!
美術館巡りをするなら、1館よりも2館…2館よりも3館…より多くの美術館・博物館を巡りたいですよね。
しかし、パリでは1館約15〜17€、ベルリンでは1館約10〜12€、美術館の入館料を毎回窓口で支払っているとかなりの出費となってしまいます。(1€=139円 2022年9月調べ)
そんなときにとても心強い味方になってくれるのが、お得にたくさんの美術館が巡れるミュージアムパス!
ミュージアムと名の付く美術館や博物館だけでなく、教会や古城などの歴史的建造物も一緒に巡れて、ベルリンでは約30箇所、パリでは約50箇所もの数多くのスポットが楽しめます。
しかも、鑑賞チケットを購入するために混雑している窓口に並ぶ必要がないので待ち時間の短縮になるほか、チケット窓口でやり取りすることもないので語学コミュニケーションに自信がない方も安心。
現地のインフォメーションセンターやパスの販売対象となっている美術館や博物館での購入もいいですが、公式サイトからオンラインで購入しておいてスマートフォンからEチケットを見せるほうが簡単です。
注意点としては、ミュージアムパスを使用しはじめると、有効期間中に通しで使わなければならないため、パリ郊外を訪れる計画があったり、他ツアーに参加したりすると損してしまうので、事前に計画を立ててから購入しましょう。
パリならパリミュージアムパス(2日券・4日券・6日券の3種類販売)
パリ市内(36箇所)と郊外(20箇所)の美術館と博物館に加え、教会や古城などの歴史的建造物の入館料が無料。各施設の常設展のみ入場可能、期間限定の特別展などは入場不可。同一施設の入場は一回限り。
・PARIS MUSEUM PASS | Site Officiel
https://www.parismuseumpass.fr/
ベルリンならベルリンミュージアムパス(発行から3日間有効)
ベルリンにある博物館島にある5つの美術館と博物館の入館料と、博物館島以外の絵画館やユダヤ博物館などの公立の美術館・博物館の入館料が無料。一部の私立美術館は対象外。
・Museum Pass Berlin | visitBerlin.de
https://www.visitberlin.de/en/museum-pass-berlin
コツ②展示壁のキャプションは翻訳アプリで!
Photo by Onur Binay on Unsplash
ヨーロッパの美術館で日本語(もしくは自分がわかる言語)のオーディオガイドを借りられたら御の字ですが、現代アートの作品展示を行っている美術館やギャラリーではオーディオガイドがないことも…!
そんなときに役に立つのが翻訳アプリ。英語はもちろんですが、他言語にも対応しており、フランス語やドイツ語のキャプションにカメラをかざすだけで、日本語(もしくは自分がわかる言語)に翻訳してくれます。
常設展や企画展などは少しでも内容を理解したほうが楽しめます。ただ感覚のままに作品と対峙するのもいいですが、年代、国籍、ジャンルなど鑑賞の助けになってくれるのでぜひ活用してみてくださいね。
また、筆者はGoogle翻訳アプリを利用しましたが、展示壁のキャプションを翻訳する以外にも、「〇〇の作品はどこにありますか?」「〇〇のコーナーに行くにはどうすればいいですか?」など、困ったときにスタッフに尋ねるためのフレーズを複数用意し、活用時にすぐ出せるように保存しておくことができるので便利でした。
コツ③移動するならシェアモビリティを!
今回、筆者が訪れたパリとベルリンは芸術都市と言われるだけあって、一つのスポットに美術館や博物館が比較的集中していたため、徒歩圏内にある他の美術館や博物館を、1日かけて複数巡ることができました。
問題はそのスポットに行くまでの移動や他のスポットへの移動。メトロを使用するのもいいですが乗継ぎやスリが心配、他スポットまで歩いて町中散策もいいですが少し距離があって歩くのが辛い……そんなときにおすすめなのが、シェアモビリティです。
スマートフォンにアプリをダウンロードし、事前に登録したクレジットカードから、乗った分だけ引き落とされるシステムで複雑な手続きがなく、乗りたい自転車やキックボードについているQRコードをアプリで読み込むと、すぐに通信して解錠され、利用がはじめられます。
日本だとポートと呼ばれる駐輪場から借りて、別のポートに乗り捨てることもできますが、必ずポートを探さなくてはなりません。しかし、ヨーロッパではアプリでシェアモビリティを探して、街のどこにでも乗り降りできる便利さを売りにしているので、いろいろな種類の車体が街の歩道に停まっていました。
コロナ禍で生まれた新たな美術館のシステム
Image by freestocks-photos from Pixabay
パリではルーブル美術館、ベルリンではペルガモン博物館など、人気の美術館や博物館が次々と導入し、必須化しているシステムが事前予約制!
新型コロナウイルス感染症の影響からそのシステムの導入が加速しており、事前予約のパスがないと入れないこともあるので十分に注意が必要です。
当日予約でも受け付けてくれる美術館もありますが、前日予約しか受け付けてくれない美術館もあるので、事前に訪問する美術館のホームページを確認しましょう。
筆者は間違って一般鑑賞チケットを購入しそうになりましたが……事前予約制のシステムを利用してチケットを購入する際は、その種類を確認しておくことが大切です。
公共交通機関と一緒になっているウェルカムパスやアクティビティも楽しめるシティパスなど、間違ってチケットを購入してしまうとキャンセルができない場合もあるので、十分に注意を払って購入しましょう。
美術館巡りはゆとりのある計画を
ヨーロッパの芸術都市では一つのスポットに美術館や博物館が比較的集中しています。
とはいえ、OPEN-CLOSEの時間を念頭におき、自分に無理なく鑑賞を楽しむためには、事前に移動時間や巡る順番など計画を立ててシミュレーションしておくと良いでしょう。
また、コロナ禍で導入された事前予約制システムも活用し、「この美術館の滞在時間は◯時間!」と目標を立てておくことや、「時間内に〇〇作品を必ず見つける!」などの目的を設定しておくと鑑賞疲れしませんよ。
ヨーロッパにお出かけする際は今回ご紹介したポイントを参考にして、アート鑑賞を楽しんでみてくださいね。
▼関連記事:初心者でも大丈夫!ヨーロッパで美術館巡りを楽しむコツ・心得
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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
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