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2023.7.28
キュビズム創始者ピカソのスキャンダラスな人生って?作品の特徴と見どころも
スペインを代表する芸術家のピカソは、キュビズムの創始者として知られます。多作な芸術家でも有名で、生涯残した作品の多さでギネスブックに登録されています。
目次
ピカソ『ゲルニカ』, Public domain, via Wikimedia Commons
ピカソの人生は、多くのスキャンダルに溢れていました。現在では彼の私生活の素行の悪さから、作品の価値を疑問視する声も上がっているほどです。
この記事では、ピカソの不思議でスキャンダラスな人生と、作品の特徴、見どころを紹介します。
ピカソのスキャンダラスな人生とは?
ピカソ, 1962年, Public domain, via Wikimedia Commons
ピカソについて:基本情報
パブロ・ルイス・ピカソ(1881-1973年)は、スペイン・マラガに生まれフランスで活動した画家です。キュビズムの創始者であり、絵画だけでなく版画や彫刻など幅広い芸術作品を残しました。ピカソが生涯で残した作品は油絵とデッサン1万3500点、版画10万点、挿絵3万4000点、彫刻と陶器が300点と言われ、ギネス記録に認定されています。
ピカソは幼い頃から絵画の才覚を発揮し、10代からバルセロナやマドリードで芸術を学びました。当時の美術アカデミーでは、伝統的で古典的な美術を学ぶ傾向が強く、新しい芸術の潮流を学びたいと考えていたピカソには物足りなくうつったと言われます。
1900年頃には個展を開くようになり、1900年代にはアール・ヌーヴォーの影響を受けた作品を展示するためパリとバルセロナを行き来していました。この頃のピカソは、風景や静物画、人物がなどを多く残しています。
ピカソがモナ・リザを盗んだ?
ピカソは、1911年にルーブル美術館からレオナルド・ダヴィンチの『モナ・リザ』が盗まれた際、容疑者の1人として逮捕された経歴があります。(のちに冤罪と判明し、釈放)またあまり知られていませんが、パリ周辺で過ごした1917年以降には、バレエ団のために衣装を製作することもありました。
ピカソのスキャンダラスな女性関係
幅広い芸術活動で活躍するかたわら、ピカソは正式な2人の妻以外に複数人の愛人があり、愛人のうち3人との間に4人の子どもがいました。最初の結婚は貴族出身のバレリーナ、オルガ・コクローヴァとで、ピカソはオルガの影響で貴族的社交界に出入りする機会を得ます。その後オルガとの衝突が絶えなくなったものの、財産を分与しないために複数の愛人を持ちつつ結婚生活を続けました。
1955年に最初の妻オルガが死去し、1961年には新しい愛人ジャクリーヌ・ロックと結婚しました。ピカソがジャクリーヌ・ロックと結婚したのは自分を捨てた愛人フランソワーズ・ジローへの嫌がらせだった可能性があるといわれます。このようなピカソの私生活における素行の悪さは、現在では批判の対象となっています。
ピカソ作品の特徴は「キュビズム」
ピカソ『女性の頭』, Public domain, via Wikimedia Commons
ピカソはキュビズムの創始者であり、20世紀の芸術に多大な影響を与えました。キュビズムとは、視点を1つに限定せずさまざまな角度から見た対象物の形状を表現する芸術です。
1907年にピカソが発表した『アビニョンの娘たち』がキュビズムの原点と言われます。すでに1つの絵画のなかに複数の視点を含めていたセザンヌの作品から影響を受けつつ、周囲の批判的な反応にさらされながらもキュビズムの基礎を固めていきました。1909年頃からはもう1人のキュビズムの創始者ジョルジュ・ブラックと共同で研究を始めます。
キュビズムの主なポイントは、ルネッサンス以降西欧芸術の伝統であった遠近法の放棄と、対象物の極端な解体・抽象化です。遠近法を無視した絵画内の世界であっても、視点を1点に決めずに複数混在させることで、対象物の存在の立体感を維持する点が特徴です。
キュビズムは理論的な難解さを含んでいるものの、前衛的で奇妙な画風に惹かれた多くの芸術家に影響を与えました。
ピカソ作品の見どころは「平和への意志」
ピカソ『ゲルニカ』, Public domain, via Wikimedia Commons
ピカソは第一次世界大戦、スペイン内戦、第二次世界大戦を経験したものの、常に戦争から距離をとり、芸術を通して戦争やファシズムに反対する意思を示しました。とくに代表作である『ゲルニカ』を通して発信されたメッセージは強烈で、パリ万博のスペイン館で公開された際は大きな反響を呼びました。
ゲルニカは、スペイン内戦中にスペイン・ファシズム政権のフランコの依頼でドイツ空軍が爆撃したスペインの小都市です。ピカソはのちにドイツ将校から「ゲルニカを描いたのはあなたか」と聞かれ、「いいえ、あなたたちだ」と答えた逸話が残っています。
ピカソはゲルニカ制作時の声明として、「私は『ゲルニカ』と名付ける現在制作中の作品において、スペインを苦痛と死の中に沈めてしまったファシズムに対する嫌悪をはっきりと表明する。」と述べ、ファシズムに対抗する姿勢を貫きました。
ピカソについて:まとめ
ピカソは、3つの大きな戦争に見舞われ芸術を通して平和を唱える一方、たくさんの愛人を作りたくさんの女性を不幸にした人物でした。
ピカソのスキャンダラスな人生は、作品の価値を下げるでしょうか?
芸術家の人格・私生活と、作品の価値に相関関係はあるでしょうか。
ピカソ作品を鑑賞する際は、そんなことを考えてみるのも面白いかもしれません。
以上、ピカソの人生と作品の特徴、見どころについてでした!
【関連記事】
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イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
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