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2023.3.1
【3月のおすすめ展覧会5選】ルーヴル美術館展から春の江戸絵画まつり、重要文化財の秘密まで
関東では暖かい日も続き、日差しに春の気配を感じるようになってきました。そして春の展覧会シーズンも開幕! 今月も見逃せない展覧会が少なくありません。
目次
ここでは国立新美術館の『ルーヴル美術館展 愛を描く』や府中市美術館の『春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室』、それに国立西洋美術館の『憧憬の地 ブルターニュ —モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷』など、おすすめの展覧会を5つご紹介します。
ルーヴル美術館のコレクションにてたどる西洋における愛の概念
フランスが誇る美の殿堂、ルーヴル美術館。過去にも日本にて度々、コレクションが紹介されてきましたが、古代以来、西洋美術の根幹をなすテーマの一つである「愛」に着目するのが、国立新美術館にて開かれる『ルーヴル美術館展 愛を描く』です。16世紀から19世紀半ばまでの画家の作品74点によって、 西洋における愛の概念がどのように絵画として表現されたのかをたどっていきます。
一口に愛といっても古代の神々の愛、キリスト教の愛、恋人や家族の愛、それに悲劇の愛などさまざま。そこで展覧会ではプロローグ「愛の発明」から「愛の神のもとに」、「キリスト教の神のもとに」、「人間のもとに」、「19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇」と4つの章に分け、誰もが知る名作から日本初公開を含めた隠れた愛の名画を展示します。ブーシェ、ヴァトー、メツー、ドラクロワ、ジェラールといった粒揃いの作品が並び、18世紀フランス絵画の至宝、フラゴナールの『かんぬき』が26年ぶりに来日を果たします。
『ルーヴル美術館展 愛を描く』 国立新美術館
開催期間:2023年3月1日(水)~6月12日(月)
所在地:東京都港区六本木7-22-2
アクセス:東京メトロ千代田線乃木坂駅青山霊園方面改札6出口より直結。東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分。都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20時まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日。ただし3月21日(火・祝)、5月2日(火)は開館。3/22(水)は休館
観覧料:一般2100円、大学生1400円、高校生1000円、中学生以下無料
https://www.nact.jp/
https://www.ntv.co.jp/love_louvre/
※京都市京セラ美術館へと巡回。会期:2023年6月27日(火)〜9月24日(日)
▼関連記事:「ルーヴル美術館展 愛を描く」が待ちきれない!【第4回】『かんぬき』徹底解説
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今年で20回目!府中市美術館の恒例企画『春の江戸絵画まつり』が開催!
春到来! 今年もやって来ました、府中市美術館の春の恒例企画「江戸絵画まつり」。実に20回目となる今回のテーマは「お絵かき教室」です。これまでの展覧会では美術史の観点からさまざまな江戸絵画を紹介してきましたが、「お絵かき教室」では「描く」ということに着目し、画材や技法の基礎知識から描き方のコツまで、さまざまな側面から江戸絵画の「描く」に迫ります。
展示では「四大テーマに挑戦」、「画材・技法・表具」、「江戸時代の画家はどうやって学んだのか?」、「江戸絵画はヒントの宝庫」をテーマに、円山応挙や伊藤若冲、それに曽我蕭白から歌川国芳、さらに近年美術ファンの間でひそかな人気を集める徳川家光の作品などを公開。また「画材・技法・表具」では、江戸絵画の制作に用いられた絵具をはじめ、墨、筆、紙、絹といった画材とともに、その使い方を紹介します。
『春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室』 府中市美術館
開催期間:2023年3月11日(土)〜5月7日(日)
所在地:東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内
アクセス:京王線東府中駅北口より徒歩17分。京王線東府中駅北口よりバス「ちゅうバス府中駅」行きにて「府中市美術館」下車すぐ
開館時間:10:00~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
観覧料:一般700円、大学・高校生350円、小・中学生150円
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
明治以降の重要文化財が一堂に。『東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密』
2022年度に開館70周年を迎えた東京国立近代美術館。それを記念して開かれるのが『東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密』です。展示では明治以降の絵画、彫刻、工芸のうち、東京国立近代美術館所蔵の重要文化財全17点をはじめ、2022年11月現在で重要文化財に指定されている68点のうちの51点が展示されます。かつてなかったオール重要文化財の豪華な展覧会です。
ただの名作展ではない点にも注目です。いまでこそ重要文化財の作品も、発表された当初は問題作とされ、すぐに評価されたわけではありませんでした。「狩野芳崖の『悲母観音』における観音と赤子に託されたものとは?」、「誰もが知る名作、黒田清輝の『湖畔』が一度、重要文化財の選定から漏れていた?」。展示ではそれぞれの作品がどのような変遷を経て、重要文化財に指定されるに至ったのかについて解き明かしていきます。
『東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密』 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
開催期間:2023年3月17日(金)~5月14日(日)
所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1
アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口より徒歩3分
開館時間:9:30〜17:00
※金・土曜は20:00まで開館
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日。ただし3月27日、5月1日、8日は開館
観覧料:一般1800円、大学生1200円、高校生700円
https://www.momat.go.jp/am/
https://jubun2023.jp/
関東初の本格的な回顧展。江戸後期の画家、椿椿山の画業とは?
江戸時代後期を代表する文人画家、椿椿山(つばきちんざん)を知っていますか?江戸に生まれ、はじめは幕府の下級役人を勤めながら絵師の金子金陵に師事すると、のちに渡辺崋山に学びました。まじめで努力家、また温和な人物だったと伝えられ、瑞々しい色彩による花鳥画の制作に取り組む一方、崋山から陰影法などを採り入れた表現を受け継ぎつつ、肖像画にも新たな境地を開きました。
その椿山を関東で初めて本格的に取り上げるのが『椿椿山展 軽妙淡麗な色彩と筆あと』です。ここではともに重要文化財に指定されている『久能山真景図』や『渡辺崋山像』といった代表作をはじめ、『玉堂富貴・遊蝶・藻魚図』や『蔬果之図』などの優品を通し、これまで華山の弟子という視点で語られがちだった椿山の画業の真髄を明らかにします。「板橋に椿山あり」。江戸絵画展で定評のある同館ならではの展覧会となります。
『椿椿山展 軽妙淡麗な色彩と筆あと』 板橋区立美術館
開催期間:2023年3月18日(土)~4月16日(日)
所在地:東京都板橋区赤塚5-34-27
アクセス:都営三田線西高島平駅下車徒歩約14分
開館時間:9:30~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
観覧料:一般650円、高校・大学生450円、小・中学生200円
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/
モネ、ゴーガン、黒田清輝まで。フランス、ブルターニュに惹きつけられた日欧の画家たち
フランス北西部に位置し、ケルトの文化を残すブルターニュ地方は、ロマン主義の時代を迎えると芸術家たちの注目を集め、新たな風景や主題を求めて多くの画家らが訪ねました。そして19世紀末にはポール・ゴーガンをはじめとしたポン=タヴェン派やナビ派といった画家グループの誕生を促すと、明治から大正時代にかけて渡仏した日本の画家もブルターニュへと足を伸ばして絵画を描きました。
国立西洋美術館にて開催される『憧憬の地 ブルターニュ —モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷』では、19世紀後半から20世紀はじめにブルターニュへ惹きつけられたヨーロッパと日本の画家に着目。国内の30か所を超える所蔵先と海外2館から集められた約160点の絵画や素描、版画などから、ブルターニュが画家らにどのようにインスピレーションを与え、また描かれていたのかについてひも解きます。度重なるブルターニュ滞在においてゴーガンが制作した12点の作品も見どころとなります。
『憧憬の地 ブルターニュ —モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷』 国立西洋美術館
開催期間:2023年3月18日(土)〜6月11日(日)
所在地:東京都台東区上野公園7-7
アクセス:都営三田線西高島平駅下車徒歩約14分
開館時間:9:30~17:30
※金・土曜、および5月1日(月)、2日(火)、3日(水・祝)、4日(木・祝)は20:00まで開館
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
※3月27日(月)と5月1日(月)を除く
観覧料:一般2100円、大学生1500円、高校生1100円、中学生以下無料
https://www.nmwa.go.jp/jp/
https://bretagne2023.jp/
【5組10名様に本展のチケットプレゼント!】
締切は2023年3月13日(月)まで。
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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