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2022.9.1
【9月のおすすめ展覧会5選】ヴィンテージライターから、イッタラ、フィンレイソンまで
夏休みはいかがお過ごしでしたか? 今年は以前にご案内した全国各地でのアートフェスなど、遠くへと足を伸ばしてアートを楽しまれた方も多いかもしれません。
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目次
『ヴィンテージライターの世界』の会場となるたばこと塩の博物館。常設展示室「たばこの歴史と文化」展示風景。特別展とあわせても入館料が100円と大変にお得です。
9月に入って新たな展覧会がいくつも始まります。ここでは知られざるヴィンテージライターをはじめ、新版画の決定版、それに2つの北欧ブランドといったおすすめの展覧会をご紹介します!
男らしさ、女らしさとは一体…?異性装の日本史から考える多様な性のあり方
いわゆる女装や男装といった、社会的・文化的に区別された性規範に属さない服を身にまとう異性装。日本でも古くは古事記の記述にまで遡ることができる異性装は、近世にかけても能や歌舞伎、また読み物などにも登場し、近代以降、異性装者を罰則の対象とする時期があったものの、現代にまで消えることはありませんでした。
そうした異性装に着目し、性の越境を可能とする「装いの力」について考察するのが、渋谷区立松濤美術館で開かれる『装いの力―異性装の日本史』です。展示では絵画、衣裳、写真、映像、漫画などの幅広い作品を通して、古代から近代、または現代までも視野に入れて異性装の諸相を明らかにしていきます。男らしさ、女らしさとは一体…? 既存の性の規定を取り払い、多様な性のあり方について再考を促すような展覧会となるかもしれません。
『装いの力―異性装の日本史』 渋谷区立松濤美術館
開催期間:2022年9月3日(土)~10月30日(日)
所在地:東京都渋谷区松濤2-14-14
アクセス:京王井の頭線神泉駅下車徒歩5分。JR線、東急線、東京メトロ渋谷駅下車徒歩15分
開館時間:10:00~18:00
※毎週金曜日は20時まで開館
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし9月19日、10月10日を除く)、9月20日、10月11日
料金:一般1000円、大学生800円、高校生・60歳以上500円、小中学生100円
※土・日曜日、祝休日は小中学生無料
※毎週金曜日は渋谷区民無料
※土・日曜日、祝日・最終週は日時指定予約制
https://shoto-museum.jp
『ヴィンテージライターの世界』でひも解くライターの知られざる歴史
主に喫煙に使うためにヨーロッパで誕生したライター。現在でもありふれた日用品として身近に利用されていますが、その歴史をさかのぼると、着火の仕掛けや造形、また加工などにおいてさまざまな機能美と装飾美が追求されてきたことがわかります。そして1920年代の欧米ではアール・デコの特徴を取り入れたライターが流行するなど、外観を重視した銘品が多く生み出されました。
そうしたライターの知られざる歴史と魅力をひも解くのが、たばこと塩の博物館で開催される『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』です。ここでは館蔵の資料よりライターの前身である着火具をはじめ、ダンヒルやエバンスといったメーカーの銘品、並びにユニークなかたちをしたテーブルライターなど約200点を公開。また戦後間もない時期の国産ライターも展示し、日本におけるライターの産業の歩みを紹介します。
『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』 たばこと塩の博物館
開催期間:2022年9月10日(土)~12月25日(日)
所在地:東京都墨田区横川1-16-3
アクセス:東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅より徒歩8分。都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩10分
開館時間:10:00~17:00
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし9月19日、10月10日は開館)、9月20日(火)、10月11日(火)
料金:大人100円、小・中・高校生・65歳以上50円
https://www.tabashio.jp
質量ともに新版画展の決定版!『新版画 進化系UKIYO-Eの美』が見逃せない
江戸時代の浮世絵の技や美意識を継承すべく、大正から昭和のはじめにかけて隆盛した新版画。欧米でも人気を博した川瀬巴水や吉田博はもとより、近年はこれまであまり知られて来なかった笠松紫浪や小原古邨といった新版画家にも注目が集まり、各地で展覧会が次々と開かれてきました。またそれに合わせて画集や書籍も刊行されるなど、新版画への再評価の機運はとどまるところを知りません。
千葉市美術館にて開かれる『新版画 進化系UKIYO-Eの美』では、橋口五葉の『浴場の女』や伊東深水の『対鏡』といった初期の名作から、川瀬巴水や吉田博の描いた日本や外国の風景、また山村耕花や吉川観方による役者絵を経て、昭和初期のモガ(モダンガール)を描いた小早川清の『近代時世粧』など190点のコレクションにて、新版画の成立から発展への歴史をたどります。
『新版画 進化系UKIYO-Eの美』 千葉市美術館
開催期間:2022年9月14日(水)~11月3日(木・祝)
所在地:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
アクセス:JR線千葉駅東口から徒歩約15分。京成バス(バスのりば7)から大学病院行または南矢作行にて中央3丁目または大和橋下車徒歩約3分。千葉都市モノレール葭川(よしかわ)公園駅下車徒歩5分
開館時間:10:00~18:00
※金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日:10月3日(月)、10月11日(火)
料金:一般1200円、大学生700円、高校生以下無料
※ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は共通チケットが半額
https://www.ccma-net.jp/
人気のイッタラのデザインの美学とは?『イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき』
1881年にフィンランドのガラス工場からスタートし、同国を代表するライフスタイルブランドとして世界中に愛され続けるイッタラ。国内でも各地の直営店や百貨店などで取り扱いがあり、ガラス製品だけでなく、食器や調理器具などで幅広い人気を集めて、日々の暮らしに彩りを添えています。自宅でも愛用している方も少なくないかもしれません。
そのイッタラの140年にも及ぶ軌跡を紹介するのが、Bunkamura ザ・ミュージアムにて開かれる『イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき』です。会場では20世紀半ばのクラシックデザインのガラスを中心に、陶器や磁器、映像やインスタレーションなど約450点を通して、イッタラの技術と哲学、デザインの美学を明らかにします。また知られざる日本の影響や日本人デザイナーの仕事にも迫ります。
『イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき』 Bunkamura ザ・ミュージアム
開催期間:2022年9月17日(土)~11月10日(木)
所在地:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
アクセス:JR線渋谷駅ハチ公口より徒歩7分。東京メトロ銀座線、京王井の頭線渋谷駅より徒歩7分。東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線渋谷駅A2出口より徒歩5分
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は21:00まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日:9月27日(火)
料金:一般1700円、高校・大学生100円、小・中学生700円
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_iittala/
首都圏では初の開催!創業200周年を迎えたフィンレイソンの魅力のすべて
北欧の自然や植物、文化に着想を得たデザインで人気のフィンレイソン。1820年にフィンランドの小さな紡績工場で生まれ、2020年には創業200周年を迎えるなど、同国最古のテキスタイルブランドとしての地位を築いてきました。歴史を重ねても古びることのない、革新的でありつつ質の高い製品は、いつも多くの人々の心を引きつけています。
京王百貨店新宿店での『創業200周年記念 フィンレイソン展』では、創業の地であるタンペレの歴史博物館、およびフィンレイソンの本社などとの協力により、貴重な歴史資料や色鮮やかなデザイン原画、また当時の製品やテキスタイルなど250点を公開。あわせて近年の環境問題の取り組みなどにも触れ、フィンレイソンの活動や魅力を余すことなく紹介します。
展覧会は昨年の新潟市新津美術館を皮切りに、京都文化博物館や福岡市博物館など全国にて開かれてきた巡回展で、首都圏では京王百貨店新宿店が初めての開催となります。
『創業200周年記念 フィンレイソン展 ─フィンランドの暮らしに愛され続けたテキスタイル─』 京王百貨店新宿店 7階大催場
開催期間:2022年9月21日(水)〜10月3日(月)
所在地:東京都新宿区西新宿1-1-4
アクセス:京王線新宿駅京王百貨店口より徒歩1分。JR線新宿駅中央西口(京王口)より徒歩1分。小田急線新宿駅地下西口改札より徒歩1分
開館時間:10:00~20:00
※入場は閉館の30分前まで
※最終日は17時まで
休館日:会期中無休
料金:大人1000円、大学・高校生800円、中学生以下無料
http://www.finlayson.jp/new/www.finlayson.jp/html/page15.html
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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