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2022.11.29
【読者プレゼント】「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー 」展が東京都庭園美術館にて開催!
1910-30 年代のヨーロッパと日本において、芸術家たちが国もジャンルも越えてさまざまに交流し、装飾芸術・モダンデザインが展開した様子をを紹介する「機能と装飾のポリフォニー」展が、2022年12月17日(土)から2023年3月5日(日)まで、東京都庭園美術館にて開催されます。
本展は豊田市美術館・島根県立石見美術館・東京都庭園美術館による共同企画。東京都庭園美術館では、同時代の建築である旧朝香宮邸の空間とのコラボレーションも見どころの一つとなります。
ピエール・シャロー「ホール」『フランス室内装飾』1925年|豊田市美術館
国やジャンルを超えた共鳴から生まれる、いくつものモダンの形
1910年代から30年代は、西欧を中心に日本を含む世界各地で様々なモダンの形が現われた時代でした。
機能主義に基づく「モダニズム」は、いまなお当時の中心的な動向とみなされていますが、一方で、大衆消費社会が進展したこの時代は、常に新しくあるために装飾することに価値が置かれた、儚き「モダニティ」の時代でもありました。実際、この対立的に捉えられることの多い二つの「モダン」はいくつものモダンの形をうちに含み、それらは複雑に関係しながら濃密な時代を作り上げていたのです。
アトリエ・マルティーヌ/ロジーヌ《香水瓶「本物のオー・デ・コロン」》1912年頃|海の見える杜美術館
当時の作家たちは、時間差なく情報を共有し、国やジャンルを越えて同期し合い、その範囲は、絵画、彫刻から、家具、食器、洋服、さらにそれらを収める建築や都市まで、いわば、私たちの生活空間、身体活動全般におよんでいます。
エドゥアール・ベネディクトゥス『ルレ』1930年|東京都庭園美術館
ウィーン工房は、フランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレと刺激し合い、一方で、ロベール・マレ=ステヴァンなど同国のモダニストにも影響を与えました。その生活全般への眼差しはまた、日本の森谷延雄や斎藤佳三にも共有されるものです。同時性絵画で知られるソニア・ドローネーはファッションの仕事に専心し、ルネ・エルブストらモダニストは都市を彩るショーウィンドウデザインに大きな関心を払いました。そして、バウハウスでは女性作家が織物に新たな光を当て、また同校を離れた作家たちが、ブルク・ギービッヒェンシュタイン美術工芸学校を舞台に応用芸術教育に取り組むことになります。
マルセル・ブロイヤー《クラブチェアB3(ヴァシリー)》1925年|豊田市美術館
1914年に勃発した人類史上初の世界大戦が象徴するように、この時代の最大の出来事は世界が一気に同期したということでした。その急速に変化する社会のなかで、作家たちがときに交わり、共鳴しながら探求したいくつものモダンの形を、本展覧会では紹介していきます。
展示構成
Chapter1:1900-1913
ドイツ応用芸術とウィーン工房の転換期
ポワレとウィーン工房
ポワレとフランスファッションの新傾向
フランスにおける室内装飾の新傾向
Chapter2:1914-1918
ダゴベルト・ペッヒェと大戦期ウィーン工房
フランツ・チゼックとウィーン美術工芸学校
Chapter3:1919-1925
女性作家たちのウィーン工房
日本における生活改善運動
フランスにおける新旧室内装飾
戦後フランスファッションの展開
装飾と抽象
都市芸術-通りの芸術
初期バウハウス
Chapter4:1926-1938
デッサウ以降のバウハウス
バウハウスから離れて
UAM:フランスにおけるモダンデザインの動向
ファッションのモダニズム
日本におけるモダンデザインの動向
展覧会概要
交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー
(英 文 Modern Synchronized and Stimulated Each Other The Polyphony of Function and Decoration)
会 期 2022年12月17日(土)–2023年3月5日(日)
開館時間 10:00–18:00 *入館は閉館の30分前まで
休 館 日 毎週月曜日(ただし1/9は開館)、年末年始(12/28-1/4)、1/10
会 場 東京都庭園美術館(〒108-0071 東京都港区白金台五丁目21-9)
入 館 料 一般=1,400(1,120)円/大学生(専修・各種専門学校含む)=1,120(890)円
中・高校生=700(560)円/65歳以上=700(560)円
本展はオンラインによる事前予約制です。
※( )内は20名以上の団体料金 ※小学生以下および都内在住在学の中学生は無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者2名は無料
巡回情報
本展は以下国内三会場を巡回します。
(1)豊田市美術館 2022年6月7日(火)~9月4日(日)※会期終了
(2)島根県立石見美術館 2022年9月17日(土)~11月28日(月)※会期終了
(3)東京都庭園美術館 2022年12月17日(土)~2023年3月5日(日)
※本展では、会場ごとに展示替えを予定しております。
作品保護の観点から当館には巡回しない作品もございます。
悪しからずご了承ください。
読者プレゼント
本展のチケットを「5組10名様」にプレゼント!
締切は2022年12月14日(水)15時まで。
※当選は発送をもって代えさせていただきます。
応募はこちら
画像ギャラリー
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アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
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