Facebook Twitter Instagram

EVENT

2023.11.23

仏像の世界に浸る。「初公開の仏教美術 ―如意輪観音菩薩像・二童子像をむかえて―」が半蔵門ミュージアムにて開催

真如苑が所蔵する仏教美術を公開するために設立した文化施設である、半蔵門ミュージアム。今回新たに迎えた、京都醍醐寺伝来の平安仏や、初公開の経典、彫刻、絵画を紹介する「初公開の仏教美術―如意輪観音菩薩像・二童子像をむかえて―」を2023年11月22日(水)より2024年4月14日(日)まで開催いたします。
この記事では本展の見どころについてご紹介します。

新たな平安仏をむかえ常設展示をリニューアル

地下1階の展示室「祈りの世界」エリアに新たに迎えることになった、初公開の仏像をご覧いただけます。

如意輪観音菩薩坐像

如意輪観音菩薩坐像 平安時代 10世紀

平安時代、10世紀後半頃に製作されたとみられる如意輪観音菩薩像。
あらゆる願いを叶え、煩悩を打ち砕くとされる如意輪観音は、醍醐寺にとってきわめて重要な尊格です。醍醐寺の開祖聖宝(832~909)が、上醍醐に結んだ草庵に最初に安置したのは准胝観音菩薩像と如意輪観音菩薩像だったと伝えられています。

如意輪観音菩薩坐像 平安時代 10世紀

きわめてめずらしい点は、右足を左腿の上に跏し、左足を踏み下げて坐っていることです。六臂像は『如意輪菩薩瑜伽法要』に説かれ現図曼荼羅中にも描かれています。

二童子立像(制吒迦童子・矜羯羅童子)

二童子立像(制吒迦童子・矜羯羅童子) 平安時代 11~12世紀

平安時代後期、11世紀末ないし12世紀初め頃に製作されたとみられる二童子立像。
不動明王像の脇に立つ制吒迦と矜羯羅の二童子像で、明治時代には半蔵門ミュージアムが所蔵する不動明王坐像とともに醍醐寺三宝院にあったそうです。
誇張の少ない穏やかな肉どりや静かな動きの把握などに、平安時代後期に都で活躍した一流仏師による美意識がうかがわれます。

初公開となる大日如来坐像の像内納入品原寸模型

本展でのもう一つの見どころとなるのは、大日如来坐像の像内納入品原寸模型。像内納入品とは、仏像の胎内に納められた物品のことです。

大日如来坐像 像内納入品原寸模型*協力:文化庁(ボアスコープ撮影)、東京国立博物館(X線断層撮影)

本展では、重要文化財である大日如来坐像の像内納入品が、X線断層撮影やボアスコープなど科学的調査でえられたデータにもとづき制作され、原寸模型として展示されます。

その他にも初公開の経典・彫刻・絵画が

特集展示には、初公開の初公開の経典・彫刻・絵画をご覧いただけます。

大般涅槃経如来性品十四音義 平安~鎌倉時代 12世紀

光讃般若経 巻第九 中国・隋時代 7世紀

大般涅槃経如来性品十四音義や光讃般若経といった経典のほか、北斉時代の製作と考えられる如来立像の残欠とみられる中国の石仏の展示も。

如来像 中国・北斉時代 6世紀

絵画は、下部に中将姫の姿を加えるのがめずらしい当麻曼荼羅をはじめとし、倶利伽羅不動明王像、刀八毘沙門天像、虚空蔵菩薩像などをご覧いただけます。

当麻曼荼羅 室町時代 16世紀

倶利伽羅不動明王像 鎌倉時代 13~14世紀

刀八毘沙門天像 江戸時代 天保4(1833)年

会期中には仏像や大仏師・運慶に関する講演会や、展示品の見どころを紹介するスライドレクチャーも開催されます。
ほとんどの展示品はガラスケースには入れられておらず、直接鑑賞できる半蔵門ミュージアム。魅力的な仏教美術の数々を堪能してみてはいかがでしょうか。

開催概要

初公開の仏教美術―如意輪観音菩薩像・二童子像をむかえて―

会期 2023年11月22日(水)〜2024年4月14日(日)
会場 半蔵門ミュージアム
住所 東京都千代田区一番町25 Google Map
時間 10時~17時30分(入館は17時まで)
休館日 毎週月曜日・火曜日、年末年始(12月29日~1月4日)
入場料 無料
TEL 03-3263-1752
URL【半蔵門ミュージアム|公式サイト】https://www.hanzomonmuseum.jp
アクセス
・東京メトロ半蔵門線『半蔵門駅』下車 4番出口(地上1階)左すぐ
・東京メトロ有楽町線『麹町駅』下車 3番出口から徒歩5分
・JR『四ツ谷駅』下車 徒歩15分

【写真11枚】仏像の世界に浸る。「初公開の仏教美術 ―如意輪観音菩薩像・二童子像をむかえて―」が半蔵門ミュージアムにて開催 を詳しく見る
イロハニアート編集部

イロハニアート編集部

  • twitter
  • facebook

アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。

アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。

イロハニアート編集部さんの記事一覧はこちら