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2024.6.7
フィリップ・パレーノ:この場所、あの空ーフランス現代芸術家の国内最大規模個展
2024年6月8日(土)~12月1日(日)まで、箱根のポーラ美術館にて「フィリップ・パレーノ:この場所、あの空」が開催されます。
今日最も注目されるアーティストの一人であり、現代のフランス美術を代表するアーティスト、フィリップ・パレーノの展覧会に足を運んでみては?
目次
《私の部屋は金魚鉢》2018年 展示風景:グロピウス・バウ、ベルリン、2018年 Courtesy of the artist; Pilar Corrias, London; Gladstone Gallery, New York and Brussels; Esther Schipper, Berlin/Paris/Seoul Photo © Andrea Rossetti
フィリップ・パレーノとは?
フィリップ・パレーノは、1964年にアルジェリアのオランで生まれ、現在はパリに在住しながら活動しています。
1980年代末以降、映像や音、彫刻、オブジェ、テキスト、ドローイングなど多岐にわたる作品を制作し、先進的なテクノロジーを積極的に作品に取り入れながら、さまざまなアーティスト、建築家、音楽家と共同で作品を生みだしてきました。
また、映画『ジダン 神が愛した男』(ダグラス・ゴードンとの共同監督、2006年)や、日本のアニメ・キャラクター「アン・リー」の作品などでも知られています。
本展について
《エコー2》2022年 展示風景:ブルス・ドゥ・コメルス-ピノー・コレクション、パリ、2022年 © Tadao Ando Architect & Associates, Niney et Marca Architectes, agence Pierre-Antoine Gatier Courtesy of the artist and Bourse de Commerce – Pinault Collection Photo © Andrea Rossetti
パレーノの表現は多岐にわたり、その意識は現実/フィクション/仮想の境界へと向けられるとともに、「芸術」や「作者性」の概念にも疑問を投げかけています。
また、AIをはじめとする先進的な科学技術を作品に採り入れながら、ピアノやランプ、ブラインドやバルーンといった見慣れたオブジェを操り、ユーモアと批評性が交錯する詩的な状況を生みだします。
現代のフランスを代表するアーティスト、国内最大規模の大型個展
パレーノは、ニューヨーク近代美術館やポンピドゥー・センター(パリ)、テート・モダン(ロンドン)など欧米の主要美術館で数多くの個展を開催しています。
日本でも2025年の岡山芸術交流のアーティスティック・ディレクターに選任されるなど、今日もっとも注目される作家のひとりです。
国内最大規模の個展となるポーラ美術館での展覧会では、作家の代表作である映像作品《マリリン》(2012年)をはじめ、ドローイングから立体、映像、大規模なインスタレーションまで、パレーノのユニークな作品の数々を国内最大規模で紹介します。
空飛ぶ魚の群れや巨大なスクリーン。照明と音に彩られた、壮大な「映画」の中に迷い込む。
展示風景:パーク・アヴェニュー・アーモリー、ニューヨーク、2015 年 Courtesy of the artist and Esther Schipper, Berlin/Paris/Seoul Photo © Andrea Rossetti
パレーノは自身の展覧会を、「カメラのない映画」と形容しています。
大規模な舞台装置のような会場に足を踏み入れると、空間を自由に漂うバルーンの魚の大群や、超大型スクリーンに投影された神秘的な映像が、私たちをも飲み込んでしまいそうになります。
展覧会そのものをメディアとして捉えるパレーノが構築する空間はまるでシンボルの迷宮のようです。
何者かの気配、声、光、暗闇、隠されたメッセージ。ドラマティックな構成に導かれ、私たちはまるで演者のように、新鮮な驚きとともに混乱をともなう体験の中へと身を投じることになるでしょう。
いくつもの場所と空間をめぐる旅へ。あなたの世界はどこ?
展示風景:カイエ・ダール、パリ、2023年 Courtesy of the artist and Cahiers dʼArt Photo © Andrea Rossetti
お気に入りの音楽や本、映画の世界に没頭するとき、私たちはどこにいるのでしょうか? 私たちは無意識に別世界を旅をするのと同時に、どのくらい現実世界と結びついているのでしょうか?
マリリン・モンローが住んでいたホテルのスイートルームから、森を眺める水槽の中へ。輝く雲が浮かぶ部屋から、海の底へ、漆黒の庭へ、そして宇宙へ。
この展覧会は、いくつもの場所と空間をめぐる精神と感覚の旅です。本展覧会は撮影が許可されているので、実際に作品に入り込んだ様子を撮影しながら、その作品世界を楽しんでみてください。
箱根の森の中へ。唯一無二のプレゼンテーション
展示風景:リュマ・アルル、2021年- Courtesy of the artist and LUMA Arles Photo © Andrea Rossetti
パレーノは世界各地で、その場所の特性や建築を活かした展示を構成してきました。
本展では、箱根の豊かな自然を背景に太陽を追跡する大型のミラー作品などを展開するそうです。
また、色とりどりの魚たちが漂う展示室の大窓は、仙石原の深い森に臨みます。優雅にたゆたう魚たちとともに、 会期を通して新緑から紅葉、冬景色へと木々の姿が移り変わり、季節や時間によって異なる光景が出現します。
展覧会情報
フィリップ・パレーノ:この場所、あの空
会期:2024年6月8日(土)〜2024年12月1日(日)
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話番号:0460-84-2111
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日:会期中無休
料金:大人・65歳以上 2200円 / 高校・大学生 1700円 / 中学生以下無料
ホームページ:フィリップ・パレーノ:この場所、あの空
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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
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