EVENT
2022.3.10
ヨーロッパ×日本 交差する文化 共鳴する表現 『めぐるアール・ヌーヴォー展 モードのなかの日本工芸とデザイン』
ヨーロッパと日本…遠く離れているにもかかわらず、それぞれ異なる文化が出会い、その環流が生み出した豊かな表現は、自国の素晴らしさに気付けるだけでなく、現代を生きる私たちの心をときめかせてくれます。
そんなジャポニスムの流行に影響を受けた、アール・ヌーヴォーの工芸作品がご覧になれる、国立工芸館にて開催中の『めぐるアール・ヌーヴォー展 モードのなかの日本工芸とデザイン』をご紹介します。
19世紀末の西洋諸国を席巻したアール・ヌーヴォーとは?
フランス語で「新しい芸術」を意味するアール・ヌーヴォーは、19世紀末から20世紀初頭にかけて広くヨーロッパ各国に広がった国際的な美術運動です。
アール・ヌーヴォーは、芸術家や職人の感性や技術を重んじて、良質な実用品を社会に送り出すことを目指し、絵画や建築といった芸術の縦割りを否定して、家具や食器、建築、商業ポスターまでも含んだ総合芸術となりました。
左:エミール・ガレ 獅子頭『日本の怪獣の頭』1876-84年頃 右:エミール・ガレ トンボ文杯 1880年代
植物や昆虫など自然界の有機物のモチーフ、機械では為し得ない自由曲線のデザイン、従来の様式に囚われない装飾性、鉄やガラスといった当時の新素材を用いることが特徴です。
草花や昆虫といった自然界のモチーフに芸術性を見出し、熟練した職人の技が感じられる曲線美が堪能できるアール・ヌーヴォーデザインは、現代を生きる私たちの心を捉えて離しません。
本展覧会『めぐるアール・ヌーヴォー展 モードのなかの日本工芸とデザイン』について
アール・ヌーヴォーの源泉にはジャポニスム、すなわち日本美術からの影響があり、それがいわば逆流現象を起こして日本のアーティストに作用し、最先端の芸術運動を意味するとともに、自らの姿を映し出す鏡となりました。
本展覧会では、アール・ヌーヴォー時代を代表するアンリ・ヴァン・ド・ヴェルド、アルフォンス・ミュシャ、エミール・ガレなどのアール・ヌーヴォーの時代を代表するアーティストの作品とともに、アール・ヌーヴォーの表現を取り入れた杉浦非水、浅井忠、神坂雪佳、初代宮川香山、板谷波山などの日本人アーティストの作品を展示し、同時代の日本の工芸やデザインの展開を紹介しています。
会場では1860年代から1920年代まで、ジャポニスムからアール・ヌーヴォーにいたるヨーロッパの装飾芸術の流れと、アール・ヌーヴォーを受容した日本美術を、代表的な作家の作品で概観しながら、ジュエリーやガラスをはじめ、イラストや絵画、家具、陶芸、漆器などの工芸など、十人十色のアール・ヌーヴォー表現がご覧になれます。
交差する文化 共鳴する表現 自らの姿を映し出す鏡となった芸術
19世紀後半のヨーロッパの人々は、何故日本美術に熱狂したのでしょうか。そして、彼ら西洋人はどのように日本の美術や工芸を解釈したのでしょうか。
その理由のひとつは、当時の西洋の価値観ではとらえきれない日本人の自然観が、美術にも率直に表れていたことにあります。
そこに共通する自然への眼差しが現代まで引き継がれている様相を、多彩な展示作品から辿ることができる本展覧会。
異なる文化が出会い巡り巡って互いに響き合うダイナミズムや、優れた工芸品を生み出す繊細な感性に触れることができるので、ぜひ会場に足を運んで作品鑑賞を楽しんでみてください。
取材・撮影:文:新麻記子
『めぐるアール・ヌーヴォー展 モードのなかの日本工芸とデザイン』
会場:国立工芸館(石川県金沢市出羽町3-2)
会期:2021年12月25日(土)- 2022年3月21日(月・祝)
時間:9:30 - 17:30
※入館時間は閉館30分前まで
休館日:月曜日(3月21日は開館)
ホームページ:https://www.momat.go.jp/cg/exhibition/the-cyclical-nature-of-art-nouveau/
チケット:新型コロナウイルス感染症予防対策のため、事前予約制(日時指定券)を導入します。
以下のURLから来館日時をご予約いただけます。
https://www.e-tix.jp/ncm_art_nouveau/
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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
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