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2022.6.3
新収蔵作品を多数展示!「ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に」
今年9月に開館20周年を迎えるポーラ美術館で、 全館のみならず森の遊歩道も会場とした、史上最大の超大型企画展が開催中!
箱根・ポーラ美術館の「ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に」をご紹介します。
今年、開館20周年を迎えるポーラ美術館
2002年9月6日に開館したポーラ美術館は、ポーラ創業家2 代目の鈴木常司(1930-2000)が戦後約40年をかけて収集したコレクションを公開し、これを基盤としてさまざまな企画展を開催してきました。
2012年に開館10周年を迎えてからは 、森の遊歩道の整備と開放、野外彫刻の設置、現代美術ギャラリーの開設、体験型の展示の開催、ラーニング・プログラムの実施など、その活動をさらに広げてきました。
そして近年では従来のコレクションに加えて、20世紀から現代までの美術の展開を跡づけるために重要な作品の収集にも力を入れています。
過去の足跡と未来へ邁進がうかがえる新旧の名品
本展では、館内の5つの展示室をはじめ、2017年に新設された現代美術が展示されるアトリウム ギャラリーとアトリウム ロビー、そして森の遊歩道を会場として活用!
従来のコレクションは西洋・日本とも19-20世紀の近代絵画が中心ですが、新収蔵のコレクションはそれらを拡充し、近代と現代をつなぐ戦後の日本や欧米の絵画、そして同時代の作家たちの作品も初公開されています。
新旧の名品からポーラ美術館の20年間の歩みとともに、未来へ進む姿勢にも目を向ける内容となっています。
「光」にまつわる作品を数多くご紹介!
ポーラ美術館提供 杉本博司「Opticks」シリーズ 展示風景 ©Ken KATO
20周年という節目となる本展の主要なテーマは「光」。
「箱根の自然と美術の共生」を設立のコンセプトとするポーラ美術館にとって、「光」は建築や照明デザイン、そしてコレクションの重要なテーマにもなっています。
移ろう光を絵画に描き留めようとした19世紀の印象派の画家達、シャイン(光=仮象)を表現し続けるゲルハルト・リヒター、光の色そのものを写し撮る作品を展開する杉本博司など、印象派から現代まで「光」にまつわる作品を数多く紹介しています。
ぜひ会場で光への強い関心が伺える数々の作品をご覧になり、どのように光を表現しているのかを感じ取ってみてください。
最後に…
彼らの作品のなかで表現されている「光」は、単に造形的な意味だけでなく、現在を照らし出す「光」、道標となる「光」という意味も内包していると言えるでしょう。
コロナ禍や緊迫する国際情勢により暗雲が立ち込める現代の状況のなかで、作品からほとばしるエネルギーと勢い、そして前進する勇気を多くの人に与えてくれます。
箱根の大自然に癒やされ、新旧の名品が楽しめる、ポーラ美術館の本展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
取材・文:新麻記子
『ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に』
会期:2022年4月9日(土)~ 9月6日(火)
会場:ポーラ美術館 展示室 1~5、アトリウム ギャラリー、アトリウム ロビー、森の遊歩道(神奈川県箱根町仙石原小塚山1285)
時間:午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
休館日:会期中無休(悪天候による臨時休館ありため)
ホームページ:https://www.polamuseum.or.jp/sp/monettorichter/
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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
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