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2023.8.18

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」が国立新美術館にて開幕!その見どころを紹介。

2023年9月20日(水)~12月11日(月)まで、国立新美術館で「イヴ・サンローラン展 時を越えるスタイル」が開催されます。世界的なデザイナーであるイヴ・サンローランの大回顧展開催は、没後日本では初めてです。この記事では、展覧会を一層楽しめるよう、イヴ・サンローランのこれまでの歴史と展覧会の見どころをくわしく紹介します!

イヴ・サンローランって?

オフィスでのイヴ・サンローラン、パリのマルソー大通り5番地のスタジオにて、1986年 © Droits réservés

イヴ・サンローランは20世紀を代表するフランスのファッションデザイナーで、あの世界的ファッションブランド「イヴ・サンローラン」の創業者です。
彼の功績は、現代のファッション界に大きな影響を与えています。

1955年、彼が19歳のときにファッションブランド「ディオール」に就職します。
クリスチャン・ディオールの下で経験を積み、1957年のディオールの死後には、21歳という若さでディオールのチーフ・デザイナーとしてデビューします。

翌年の1958年におこなわれた最初のコレクションで、「トラペーズ・ライン」を発表し高い評価を得ました。

イヴ・サンローラン、アンヌ=マリー・ムニョス、ピエール・ベルジェ、パリのマルソー大通り5番地のスタジオにて、1977年 © Guy Marineau

1961年には「ディオール」を去り、オートクチュールメゾン「イヴ・サンローラン」を設立し活動を始めました。2002年の引退までの約半世紀、彼はトップデザイナーとして活躍します。

初来日時のイヴ・サンローラン、1963年4月 © Droits réservés

イヴ・サンローランは、ファッション界で優れた功績を持つデザイナーとして『モードの帝王』と称されていました。

『モードの帝王』というフレーズは、その時代のトレンドを築き上げたパイオニア的存在であり、彼らの功績や影響力に対して称賛を示すことばのようです。

イヴ・サンローランの特徴って?

1.革新的なデザイン

カクテル・ドレス―ピート・モンドリアンへのオマージュ 1965年秋冬オートクチュールコレクション © Yves Saint Laurent © Alexandre Guirkinger

ファッション界での伝統的な枠組みにとらわれることなく、常に革新的なデザインを追及しました。彼の作品は時代のトレンドを超越した、新たなスタイルやシルエットが特徴的です。

2.豪華な装飾とディテール

イヴニング・アンサンブル 2000年秋冬オートクチュールコレクション  © Yves Saint Laurent © Nicolas Mathéus

贅沢な素材や刺繡、ビジューなどを使い、華やかさや高級感を演出しています。
ビーズやクリスタルなどでドレスの表面に煌びやかな輝きをあたえたり、豪華な毛皮素材のファーコートには、フェザーなどを組み合わせ、贅沢さとエレガンスを表現しています。

3.鮮やかな色づかい

ジャケット 1977年に行われたジジ・ジャンメールのショー『ローラン・プティのショーに登場するジジ』のためのデザイン © Yves Saint Laurent © Sophie Carre

また、カラフルで鮮やかなパターンなど、サイケデリックな要素が取り入れられ、大胆な色づかいからファッションに活気とエネルギーを与えました。

イヴ・サンローランのデザインは、斬新さ、エレガンス、カラーバランスによって特徴づけられていることが分かります。

国立新美術館の「イヴ・サンローラン展」の魅力って?

1.没後日本初の大回顧展

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」

今回開催される展覧会は、なんとイヴ・サンローランの没後、日本では初めての大回顧展です。

オートクチュールのルック110体のほか、日本初公開のドレス、アクセサリー、ドローイング、映像や写真を含んだ約300点が公開され、彼のデザインの美しさや革新性、独創性を存分に堪能することができます。

本展は、ファッション好きのかたやデザインに興味のあるかたにとって、彼のデザイン哲学やスタイルの進化を探れる絶好の機会なのではないでしょうか。

2.ジェンダーレスファッションの先駆け

ジャンプスーツ 1968年秋冬オートクチュールコレクション © Yves Saint Laurent © Sophie Carre

本展では、ジェンダーレスファッションを感じられる作品も多く展示されています。

1960年代、当時は「男性もの」といったイメージが根強くあったパンツスタイルを、イヴ・サンローランは、「Le Smoking(ル・スモーキング)」という「女性のためのスーツスタイル」として女性服に取り入れました。
これは、当時の女性にとっては事新しく挑戦的で、ジェンダーレスファッションの先駆けとなりました。

その他、タキシードやサファリ・ルック、トレンチコートなどの紳士服も女性向けに改良し、現代まで続くトレンドの一部となりました。

衣類がもつジェンダーのイメージを超越したデザインは、ファッション界において革新的なものであり、プレタポルテ(既製服)の参入から急速に広まっていきました。

3.芸術作品とファッション

《アイリス》イヴニング・アンサンブルのジャケット―フィンセント・ファン・ゴッホへのオマージュ 1988年春夏オートクチュールコレクション © Yves Saint Laurent © Alexandre Guirkinger

イヴ・サンローランは芸術作品や芸術家からインスピレーションを得ることがよくあり、彼と芸術は切っても切り離せない関係なのです。

例えば、1965年に発表したミニドレスは「ピート・モンドリアン」の作品からインスピレーションを受けており、『モンドリアン・ルック』として新たな視点とスタイルの確立に成功しました。
このドレスは、芸術とファッションの垣根を超えたコラボレーションとして、彼のキャリアにおける重要な作品の1つとなっています。

本展では、抽象画家モンドリアンのほか、フィンセント・ファン・ゴッホ、パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、アンリ・マティスなど、画家へのオマージュ作品も展示されます。

ファッションと芸術が融合されたこの展覧会では、アート初心者のかたでも気軽に楽しむことができるのではないでしょうか。
芸術の秋、イヴ・サンローラン展に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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展示会情報

展覧会名:「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」
Yves Saint Laurent, Across the style
会期:2023年9月20日(水)~12月11日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日
観覧料(税込):一般2,300円(2,100円)、大学生1.500円(1,300円)、高校生900円(700円)※前売券は8月17日(木)から販売いたします。本展は事前予約不要です。
※()内は前売り料金 ※中学生以下は入場無料
※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料
※10月7日(土)〜9日(月・祝)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル
国立新美術館公式サイト:国立新美術館
主催:国立新美術館、産経新聞社、TBS、ソニー・ミュージックエンタテインメント
特別協力:イヴ・サンローラン美術館パリ
特別協賛:SAINT LAURENT
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、BS-TBS、TBSラジオ
協賛:SOMPOホールディングス、野崎印刷紙業
協力:日本航空
企画協力:Ueki & Associés
※記載事項やチケットの先行販売等の詳細、最新情報につきましては、展覧会ホームページをご確認ください。

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イロハニアート編集部

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