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2024.6.14
アートで海を救う!漂着ごみ問題に挑む『Ocean Good Art』プロジェクト
九州と朝鮮半島の間に浮かぶ島、長崎県対馬市。
「釣り人の楽園」と呼ばれるほど豊かな海を持つこの島には、実は、日本で最も多い海洋漂着ごみが流れ着きます。
そんな対馬を舞台に、海ごみアートによる漂着ごみ回収量向上プロジェクト「Ocean Good Art」が始動しました。
Ocean Good Art - 対馬が舞台の海ごみアートによる漂着ごみ回収・海洋環境保護プロジェクト対馬の漂着物アーティスト 小宮翔|ときの流れを愛おしむランプシェード
対馬市における漂着ごみの現状
対馬は九州と朝鮮半島の間、日本海の入り口に位置した国境の離島です。
対馬海流に乗って日本海へ流れてくる海洋ごみの多くが対馬の西海岸へ押し寄せます。そういった地理的条件から対馬は「"海ごみ"の防波堤」とも呼ばれます。
対馬市は年間約2.8億円の予算を掛けてこうした海ごみの回収・処理を行っていますが、年間での回収量は全体のうち1/4程度にとどまっています。すべての漂着ごみを回収・処分するための必要な予算が足りていないのです。
回収されない漂着ごみは再漂流して日本海へ流れ出します。
また、対馬でマイクロプラスチック化が進むことにより、周辺の生態系への影響、人体が取り込むことによる健康被害、船舶の運航への支障など、対馬のみならず日本海にかけて様々な問題を引き起こす可能性が指摘されています。
海ごみアートで課題解決
こうした状況の中、アートの力で課題解決を目指して始動したプロジェクトが「Ocean Good Art」です。
アーティストが対馬の海ごみをテーマにして制作したアート作品を購入すると、その代金の多くが対馬市に寄付され、対馬の漂着物対策事業に充てられます。
”海ごみ”がアート作品として生まれ変わり、その売上の一部が回収費用となります。
第一弾として、福岡在住のアーティスト しばたみなみさんが対馬に長期滞在しながら海ごみを材料とした作品を制作しました。
「祠」”HOKORA”をテーマに制作された6つの作品は、そのどれもが実際の対馬の浜に流れ着いた漂着ごみで作られた作品です。
漂着ごみが、ごみではない、人びとにとって特別な存在に生まれ変わることを願って制作されています。
オーシャングッドなアクションを対馬から世界へ
Ocean Good Artプロジェクトでは、今後の展望として、しばたさんに続くアーティストの招聘や海ごみNFTアートの制作を考えているといいます。
純粋にアートを楽しむ層はもちろん、アートをきっかけに漂着ごみ問題という社会課題について考える人が増えていく。イロハニアートでは、こうしたオーシャングッド(=海に良い影響を与える活動)なアクションが対馬から世界へ拡がっていくのを応援しています。
Ocean Good Art - 対馬が舞台の海ごみアートによる漂着ごみ回収・海洋環境保護プロジェクト
対馬の漂着物アーティスト 小宮翔|ときの流れを愛おしむランプシェード

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